第4話
月に二回ほど作詞教室に通うこと二年間。
音楽関係者の方にたくさんの知識をたたき込んでいただきました。
あんまり前に前に出る性格ではないのですが、その時ばかりは何がどうなっていたのかすごく貪欲に頑張りました。
三年目に入る頃には、自分の能力にも限界を感じ始め、仕事も忙しくて休みが取れなくなってきたこともあって教室はやめましたが、本当に身についた二年間でした。
そのまま数年間は創作から離れることになるのですが、それでも自分の中で何かを作りたい気持ちは消えないものなんですね。
そこから五年ほど経った頃、再び私は作詞の講座に申し込むことになりました。
今度は何が自分をそうさせたのかというと、自分の作品を世に残したい、生きた証を残したいという思いがなぜかむくむく湧き上がってきたことに始まります。
今度はネット上での講座です。
金額も結構高かったので躊躇しましたが、それより自分のわき上がる気持ちを抑えられずに申し込むことにしました。
そこは以前の教室とはまた違い、ヒット曲の作詞をしている(らしい)、元有名事務所に所属していた方が指導して下さる講座でした。
現在の作詞はほぼ九十九パーセントが曲先といい、出来上がってきた音楽に詞を乗せる形式です。
自分が書いた詞に作曲家が曲を付けてくれるのではないのです。
疑似コンペ形式で毎回提出するのですが、それがテーマにそっているか、符割がきちんとされているか、その歌手が歌うことを想定してのものか、などなど総合的に判定されます。
ダメな部分があれば容赦なくぶった斬られる覚悟も必要です。
コンペシートが届いてから、早ければその日に作品を提出しなければならないなどの厳しいスケジュール。
それを乗り切れるように、素早い判断と対応を迫られることを前提にした講座でした。
半年ほどの修行期間を経て最終的にプロテストに合格もでき、実際のコンペにも参加させてもらいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます