小説の「型」②

前の記事では、私は小説を読んだら、論文が書けそうな二項対立的要素に着目するクセがあることを書きました。


男性/女性、東洋/西洋、白人/黒人、主観/客観、肉体/精神とか。

英文学だと、性差、国家、民族とかに加えて、「階級」が入ってくるんですけどね。

19世紀後半から20世紀初頭であれば、「科学」と、「宗教」とか「スピリチュアル」に注目するのもおもしろいかも。

ダーウィンの『種の起源』が世に出たのが、確か1852年だったと思うので、それ以降の、科学/宗教的なものはおもしろい。日本人とは宗教違うから、あまり馴染みないんですけど……好きですねー。


ラノベだと、現実世界/異世界といった視点も出てくるかもしれない。




でね。

その「二項対立」の逆転を物語の山場に持ってきたら、「物語」になる。

暇なときに一回やってみてください。


起…二項対立の紹介

承…二項対立の発展

転…二項対立の逆転

結…悲劇にしたいか、喜劇にしたいか。

方向性により、二項対立を戻すか、戻さないか。


これ、私が論文書くときの。

つまり、小説を読む時のテクニックなのです。


おもしろいと言われる小説、だいたいこの「型」にはまります。

この「型」で無限の切り方ができる。

一個の作品で、何通りもの論文が書けるわけです。




ラノベだとステレオタイプ的なものが多いから……逆に難しいですかねぇ。


例えば、何があるだろう。。。


男女逆転でいうと、シェークスピアとヴァージニア・ウルフが私の頭の中に浮かんでるんですが。。。

男装の女性が出てくる喜劇と、途中性転換しながら300年生き続けてる美少年の話。


……うーん。


例えば。

前の記事で「剣が……」って話してから、メデューサ退治の話が書きたくなった。


メデューサって女性のモンスターじゃないですか。目が合うと石化するヤツ。


ギリシャ神話のメデューサの話は、男性目線の話だっていう、フェミニズムの論文があったはずなんですけど、、、

確か『メデューサの笑い』というヤツかも。


「男性目線」って書いたんですけど、「目線」って権力構造が出ると言われます。

まなざしを向ける側に「権力」がある。

まなざしを向けられる側は、支配される側。

「視線」「権力」で検索するとフーコーとか出てきますので、ご興味があれば読んでみてください。


これを踏まえると、まなざしを向ける「女性」をメデューサという「怪物」とし、倒す物語と読める。


起…視線で石化させる怪物がいる

承…倒しに行く

転…鏡のように磨き込んだ盾を使って、寝てるところを斬首

結…勝利。ハッピーエンド。


白人男性が勝利する話なので、すごく単純なんですけどね。

二項対立に着目すると、読み方がおもしろくなったりする。



論点ズレた気もするが。



こういう読み方の型もあるので、書き方にも参考になるかもと思う。




ちなみに、盛り上がるところで、二項対立的なものであるとか。

価値観をエイヤーと逆転させるというのは「文学のカーニバル性」なるものを知ったときからの、私の解釈です。間違っているかもしれない。

「文学のカーニバル性」なるものが実際何言ってるのか分かる気がしないので、いつかバフチンは読んだほうがいいと、自分に対して思っています。

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