本作は「外伝」と銘打ってますが、「本編」を知らなくても、近代ヨーロッパ的な世界であり、かつ魔法が使えるという設定であることを覚えておいていただければOKです。
さて、このお話は、狼人間の武官・ダイクの回想から始まります。
そして敗戦、敗走=退き陣に悪戦苦闘するジョアン・ニールセン王子の物語がつづられていきます。
退き陣という、敗軍を率いて敵から逃れる行動――これこそ最も難しく、しかもメンタルに響く行動もないでしょう。
しかし、ジョアンは大将であり王子であるという立場から、繰り返しますが悪戦苦闘することにより、敵から辛くも逃れようとして、それで――。
これ以上は、本作をご覧くださいとしか言えません。
ひとりの男が懸命に足掻き、それを見た男たちもまた足掻いていく――暑苦しいかもしれませんが、それだけに「熱い」お話です。