白煙、石炭など最初はスチームパンクな世界観かなと思っていましたが、現実の東欧を舞台とした、革命とファンタージの世界です。少女と革命という題材はもちろん、少女スパイを中心に革命の東欧世界を楽しむことが出来ます。
雰囲気は非常に重めなので、革命というテーマも相まってかなりシリアスです。癖のない文章なのでストーリーはすんなり頭に入ってきます。架空の世界ですが、ヨーロッパやワルシャワ、ウクライナなど実在の地名も混ざってきます。が、国名は架空なので、実際に一度世界地図を見てみると分かりやすく面白いかもしれません。
異世界ファンタジーですので、架空の言葉が沢山出てきます。ですが、東欧世界をモチーフにしているため、とても馴染みやすいです。革命という難しい設定を基礎としています。ですが、諸外国の関係性や革命軍内での政治派閥の描かれ方が正確に描かれており、作者がかなり試行錯誤しているのが分かります。主人公のセレリアの内面が良く伝わり、戦闘シーンの描写も上手いので、作者の文章力の高さが窺えます。私はこの作品を読んで、ファンになりました。沢山の人に読まれてほしい作品です!!