第5話  勿論、ビーフストロガノフ。





「『既読がついたぁぁぁぁあぁぁぁああ!!!』」


『よし!これでもし本当なら、かなり進歩するぞッ!!』


「あぁ!!いけるぞッ!いけるッ!」


このとき、僕はミラー生活が終わるかもしれない……ということが一切頭になく、 ”ワンチーム” の誠心になっていたのだ……!



「「ピロンッ」」


「『返信きたぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁあ!!!』」


『見てみよう!!』


「ん……”明日は書類を持ってこい”……???」


「『会社のメールじゃね――かッッ!!!』」


「「ピロンッ」」


「”本当です。何処かで会ってお話したいです” だってよッッ!!!」


『「うぅぅおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!」』


二人で凄く盛り上がっていた……




              ◆




『ほうほう……3日後の日曜日に駅前のカフェで待ち合わせだね?』


「うん。そういう話になったぞ……本当なのかな」


『う〜ん……できることをするだけだからなぁぁああ〜〜』


「まぁ、そうだよな……なんせ手がかりが少ないしな……」


『「 グゥゥゥ〜 』」


二人のお腹が同時に鳴った……



『夜ご飯にしますか』


「あざぁぁぁぁああッッッす!!」


『いや、1号も手伝えよ』


「……え?」




             ◆




「言っとくけどなぁ!僕は料理は ”野菜炒め” と ”刺し身” しかつくれんぞ」


『はぁぁああ!?そんなもん野菜切って炒めるだけじゃねえかぁああ!?料理とは言わんぞぉぉぉおお!?刺し身に至っては短冊を均等に切るだけであって、”料理”じゃなくて”作業”だわ!!』


「う〜わ。今のひとことでやる気失せた〜〜」


『いや、でも野菜炒めは”味付け”もあるし……刺し身もたべやすいサイズにするための努力があるか、よく考えたらすごいな……』


「う〜わ。今のひとことでやる気出てきた〜」


『ふぅう〜。では作るよ』


「なにを作るんだ。そもそも」


『もちろん、”ビーフストロガノフ”だよ?』


「「「 無理ッッッ!! 」」」


『え……?』


「まず、そんな高度な料理を”もちろん”でまとめんなッッ!!無理に決まっとるやろぉぉぉぉおおッッッ!!」


『あ、そうか。ごめんごめん、僕の得意料理で』


「いや、お前(鏡の中の僕)すごいな………」



『ハァ……仕方ない、僕一人で作るとしようかね』


「おねがいっしゃ〜す!!!」


『あ、材料買うの忘れてた……』



「「「「 天然ッッッ!! 」」」」


『ミャックでいい……?』


「ビッグミャックバーグァ―でよろ」


『高ぇわ、一番雑魚なのでいいだろ?』



「雑魚とかいうなしッッ!!今から食うのに!?あほなの!?」


『買ってきま〜す』



結局、一番雑魚いバーグァ―を食した………



「うん、なかなかいけるな……」



桜山 たぬきに会いに行くまで あと2日……!!











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【怪奇】引きずりこまれると噂の鏡に、引きずり込まれるかと思ったら逆に引き抜き出してしまった件 ふきゅい。 @yuiyuiyui1031

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