第3話  三ヶ月も働かなくてもいいだと?!




翌日……




「じゃあ、仕事に行ってもらうぞ。頼んだぞ」



僕は、ややこしいので ”2号” と呼ぶことにした。



『あぁ、1号。僕がより早く戻れるよう、頑張ってくれ』


呼び方はすんなり受け入れたようだ……




「場所は ”ギューギュルマップ” で確認してくれ」


『了解。ではいってきます』




こうして僕たちのミラー入れ替わり生活が本格的に始まった……




           ◆



「ズズズッ……」


普段の仕事の時間に、優雅にコーヒーを飲む……



「さいっっこう!!」


おっと、思わず声が出た……危ない危ない。




だが、このミラー生活には ”大きな欠点” がある。


それは、   ということだ。


まぁ、外出しようと思えばできないわけではないのだが、アパートを出たときに

顔見知りの人に「あら、さっき出ていかれませんでした?」ときかれたりするなど、少々めんどくさいことになる可能性が大いにある……実に厄介である。




―――だが、働くよりよっぽどマシ!!それだけは言える……



僕は早速、ギューギュルで鏡の情報を調べる。


「大体、鏡に種類なんてあるのか……?」



僕は、洗面台の鏡を見に行く。


「霧見鏡……?」


鏡の右下にそう印字してあった。ギューギュルで検索してみる……



「おっ、あんじゃん。どれどれ……ほほーう」



僕は任務が完了したので寝ることにした。 ミラー生活最高! フォウ!





             ◆




『1号……帰ったぞ?』


「ふぁっ、もうそんな時間……?」


『もう6時だぞ?まさかずっと寝ていたのか……?』


「い、いやぁ?いまの日本の政治について考えてたらつい眠気がね……?」


『政治なんてどうでもいいんだ!僕のもどる方法を考えろ!』


「まぁまぁ、そう焦らず……」




僕は2号を机の向かいに座らせた。


「今日、仕事どうだった?」


『簡単すぎて反吐がでそうだったよ』


「こ、こいつ。なにくそっ」



どうやら鏡の世界での僕はバリバリ仕事ができるようだ……羨ましい。




『……で?なにか調査に進展はあったのか?』


「嬉しい情報と悲しい情報がある。どっちを先に聞く?」


『どうせなら、悲しい方からで……』


「いや、嬉しい方からいくか」


『どっちだよ!!』


「嬉しいお知らせ……あの鏡の製造会社と鏡の種類がわかった」


『おぉお!!それはかなりでかい!』


「――そして悲しいおしらせ。今、その会社がで鏡の販売を中止している……ということだ」



『………えぇ?』


「だが、倒産したわけではないらしい。ただ単に休業中らしい……」


『んんん……なら、マシなのか……?』



「休業開けの予定日は ”三ヶ月後” それまではどうしようもないな……」



『まぁ、しかたない……戻るためなら』


「三ヶ月……がんばろうぜ!!!」







―――と、いいつつ僕は働かなくていい期間が三ヶ月も貰えたので

内心、とてもうれしかった……グヘヘ

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