第6話 憂鬱だ
翌日
俺は、久方振りに頭痛で目覚めた。頭の奥で鈍痛がする。
嫌な予感がして窓から空を見上げると、俺はげんなりした。昨日の晴れ模様とはうって変わって、曇天が広がっている。お袋の偏頭痛を色濃く受け継いだ俺にとって、こんな日ほど憂鬱なものはない。
今日は一段と外に出るのも億劫で、寝間着のまま半日が経過したころ、流石に限界を迎えた。腹の虫が合唱祭ばりの音量で鳴りやまない。
俺の嫌な予感だけは外れたことがない。生来の天パ丸出しで彼女になんか会いたくなかった。
昨日の蓮の言葉を都合よく解釈したばかりか、いやこれ盛ってんな。いやにお袋の視線が痛い。なんでしょう。お宅の息子さんは被害者ですよ?
お気に入りのワンピースに身を包み、俺の好みに合わせたのか薄いナチュラルメイクがよく映える。
ああ、綺麗な顔だなあ。放心してしまうほどに雪は美しかった。その雪の笑顔で俺に逃げ場がないことを悟るのだった。
頼むから、今日は勘弁してくれえ!
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