第11話 ライラック

「(*´▽`人)アリガトウ♡」

 朱音から返ってきたのはいたってシンプルな返事だった。でもそれで十分だった。それから、ほんの少しだけ学校の話をして、

「おやすみ」

「おやすみ〜」

 とは言ったもののその日も昨日と同じように、朝の世界に入った。

 次の日、学校が終わって、3:30分。一般の中学校の終業時間でもある。そのタイミングを見計らい、メッセージを送る。

「明日テストやんな?頑張!」

「( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン 頑張る!」

「早!びっくりした」

「( ̄∇ ̄*)ゞ 通知急に来てびっくりした‪𐤔」

「学校終わった時間やった?」

迷惑ではなかったかと一応確認する。

「今日ね、休んだの」

「まじか!」

「実はお母さんに親権が渡って、お父さんと離れて泣いちゃって、目が腫れて、学校行きたくなかった‪𐤔」

深堀はしないほうがいいと直感的に感じた。

「あーー、味噌汁まずいおかーさん?」

「そww」

「やったらスマホの件どうなるん?」

「分からない笑笑でも多分続くと思うから」

「まじかー。頑張って!」

「うん頑張る!」

とりあえず、安堵した。明日から、テストが始まる。

<続>

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