第4話 Home

朱音からの返信が途絶えた。30分待って催促のつもりで、こう送った。

「...大丈夫?」

待っても返信はない。否定してくれ。大丈夫だよって言え...言ってくれ...そう思ったがやっぱり何も返ってこない。

 痺れを切らした僕は同じくスマカラ仲間で、朱音と仲の良いのゼロという子に今の状況を連絡した。僕自身、誰かの助けが必要だったのだろう。

そんな中、朱音から返信があった。

「離婚する前までは優しくて、子供のためならーって言っててでも最近は何するにも怒ってて。多分私が学校ちゃんと行ってないから...」

「いじめられてたら行けんでしゃあないもんな。」

「なんかあれば高校のことばっかり。そんなんなら高校行けへんとか...もう無理かも。」

高校の事を心配する父親の気持ちもわかる。それでも、今の彼女はそれどころじゃない。彼女に味方がいないなら、僕が味方になりたい。そう思った。

「かなり大袈裟になるけど、なんとかしたい?今の状況。」

 一つ考えが浮かんだのだ。僕が所属していたボランティア団体、LTWの会長双葉は、親と喧嘩して、児童相談所に行ったばかりだった。僕は双葉の状況よりも朱音の方が大変な状況だと思った。だから、そういう現実的な解決策を示そうと思った。

「ネッ友との関係は切られて欲しくない。唯一の生きがいだから。」

なら...そう口を開きかけた。

「ごめん、ちょっと行ってくる。話聞いてくれてありがと。これからも聞いてくれない?」

「うん!いつでも待ってます!」

 そうやって朱音に遮られる形でその日の話は幕を下ろした。とりあえず、僕は安堵した。朱音の言葉に「未来」のことが含まれていたから。とりあえず、自殺はしないだろうなって...ここから先が地獄だなんて知らずに。





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