賢者 土曜日をがんばってみる

 土曜日になった、私は興奮してなかなか寝られず、かなりの夜更かしをしてしまった。今日何をやるかとか、どうやって私の事をうまく隠しながら羽雪くんに色々魔法を使ってもらえるかなど、色々画策してたらあっという間に時間が過ぎていたのだ。

 朝も兄弟たちに無理やり起こされ、家の家事をさっと終わらせると、ソワソワが止まらなくなってしまったので学生服に着替え、学校の図書室に行く事にした。おそらく学校の体育館かグランドでサッカーをやっているのだろう。偶然を装ってこっそりと羽雪くんを見てみようかと思う。もしかしたら魔力を使って面白い事をやってるかもしれないからだ。


 学校の図書室に寄り、面白そうな新刊を借りるとそのまま体育館に寄ってみた。


「あ、鈴ちゃん」

「お?こっちゃん、珍しいね、こんなところに来るなんて」

「海斗君たちの応援?」

「ん~暇だから来ちゃった」


 体育館だからミニサッカーになるのかな?ゴールも小さいしバスケットみたいだな。と思いながらちょっと観戦してみる。羽雪くんの動きがみるからに良い様だ。それでも身体強化なんかは使っている様に見えないな?意識加速くらいは使っているのだろうか?


「こっちゃんってフットサル好きだったの?」

「あー、私、図書室行ったついでに寄っただけだよ。午前中サッカーやるって言ってたから来てみたの」

「?へぇ?、え、誰の応援……」


 私たちの目の前で物凄いシュートがゴールに突き刺さる。羽雪くんのシュートかな?


「優斗ナイシュー!」

「ユートすげー!調子よすぎじゃね?」

「何かいいもんでも食べたか?」


 あ、やっぱりそうだね、羽雪くん、なんかやったかな?魔力の反応は感じられないなぁ……そんな事を考えていると鈴ちゃんを発見したっぽい海斗君と目が合う。お、鈴ちゃんと目で通じ合ってる感じかな?チラッと鈴ちゃんを見てみる。ブンブンと鈴ちゃんが手を振って応援している。

 ハーフタイムになると海斗君が駆け寄ってきた。


「おっす、鈴香、与謝峯さんと見に来たの?」

「偶然会っただけだよ。私は暇だから来ただけだよ、今日はバイト無しだしね」

「私は図書室帰りに寄っただけ。みんな生き生きしてるねぇ」

「そりゃぁ、楽しいからな!普段のストレスが飛ぶから良いぞ!」

「男たちは体動かすのが好きだもんなぁ……」

「鈴香もやればいいのに、昔は俺たちとサッカーやってたのに」

「女の子はお年頃になると変わるのよ!そりゃ昔は面白かったけど、あんたたちには付いていけないよ」

「俺たちも同好会でやってるくらいだしたまにはやろうぜ」

「うーん、考えておく」


 二人は仲がすごい良いなぁ、と思いながらチラッと羽雪くんの方を見ると目が合ってしまう。ちょっと恥ずかしい気がしたが、手を振って挨拶をしておく。羽雪くんも手を振り返してくれる。なんかちょっとうれしいな……


 後半が開始するようなので海斗君がグラウンドの方に戻っていく。


「鈴ちゃんは海斗君たちとサッカーやってたんだっけ?」

「うん、小学校の頃ね、うちらの地区、サッカークラブが盛んだから結構やってる女の子もいるよ。海斗の妹さんもやってるんじゃないかな?」

「へー、兄弟そろって運動神経良い系なのね」


 話ながら試合を見ていると、やはり羽雪くんの動きが他より段違いに見えた。魔力の使い方がまだ覚束なくても何かしらの効果があるのだろうか?前世の人たちは意識をしなくても魔力を使って自分を強化してたりしていたな……


「優斗、調子いいなぁ……あんなにうまかったっけ?」

「羽雪くんだけ動きがなんか滑らかだね。まるでちょっと未来が見えてるみたい」

「なんかそんな感じだね。もうちょっといい加減な感じのプレイスタイルだったのに今日は精密機械みたいだ」


 ちょっと疑問だったのが、本当に鈴ちゃんは海斗君を応援に来たのだろうか?なんか優斗、優斗って感じだった気がするんだけど、それだけ羽雪くんが調子よかったのかな?羽雪くんにはあとで魔力との関係を聞いてみた方が良いな。そんな感じで後半も終了しグラウンドの後片付けが始まる。後片付けを終えた海斗君が足早にこちらに近づいてくる。

 

「鈴香、与謝峯さん、これからご飯食べに行かないか?」

「うん、いいよ、今日は暇なのよ」

「あ、私は帰って弟たちのごはん作らないとダメだから無理かな」

「あー、そりゃ残念だ」


 海斗君なりに私に気を使ってくれたようだ。海斗君には羽雪くんを見に来たのがばれてるねこれは。そんな話をしていると羽雪くんがバックを抱えてこちらに来る。


「与謝峰さんは家帰ってご飯作らないとダメだから来られないって、鈴香と3人だけど良い?」

「おっけ、手早くファーストフード系で済ますか……」

「えー。ゆっくりしたかったのに」

「午後から予定あんの」

「ゆっくりしようよぉー」

「あ、それじゃ私帰るね。秘密特訓の成果が出ててよかったね。それじゃ」


 とりあえず早く帰って弟たちのご飯作らねば。午後のお楽しみタイムが減ってしまう。


「おう、じゃあね」

「またねー」

「じゃぁね」


 それから家に帰り、手軽に焼きそばと付け合わせを作り弟たちと昼ご飯を食べる。その傍らスマホで羽雪くんに連絡をする。


【三丁目のコンビニの前で13時30分頃待ち合わせで大丈夫?】

【大丈夫、今から帰ってから向かうよ】


 返信がすぐに来た。羽雪くんもそれなりに楽しみなのだろうか?


「羽雪くーん、時間通りだったかな?」

「おそらく」


 私なりにちょっと小奇麗な感じにして待ち合わせ場所のコンビニ前に行った。うーん、羽雪くんは無反応か?ちょっと残念だな。余り女の子に興味ないって話だったっけ?

 

「えっと、どこで練習する?」

「いい場所があるんだ。付いてきて。知る人ぞ知るくらいの場所だから」

「この辺は割と詳しいはずだけど……どこだろ?」


 私は羽雪君を先導して電動アシスト自転車に乗って坂道を登っていく。目的地は小学生の時に見つけたお化け廃工場だ。あそこなら音も届かないし余程の事をしない限り大丈夫だろう。私は廃工場への脇道の分岐で自転車を停める。


「この先に廃工場があるんだ、十年前か、それ以上昔のものみたいだけど、そこなら人目に付かないし、ある程度音がしても大丈夫だと思うの」

「行けるところまで自転車で行くか?」

「そうだね、もうちょっと行けそうだね」


 私たちは自転車で行けるところまで行き、徒歩で廃工場を目指す。


「フフッ、なんか冒険している気分だね」

「そうだねぇ……」

「あ、あそこ」

「おお、なんでこんな所に?」

「かなり昔の工場に見えるね」

「私も7年くらい前に見つけたんだど、その時もかなり昔だろうなぁ……と思ったなぁ」


 そんな事を言いながら廃工場の敷地内に柵の壊れた箇所から入っていく。


「確かにここなら、あまり無茶をしない限り大丈夫そうだな」

「さすがに爆発はダメだと思うよ。誰かに探してください!って時に使うしかないんじゃないかな?」

「まぁ、爆発なんて現代じゃ使わないよな……」

「?現代……」

「……ああ、戦争でもない限りって事」


 今の感じだとやっぱり、文明レベルの違うところからの転生者なんだろうか?現代なんて言葉の使い方はしないものね、普通。さて、気を取り直して、羽雪くんの魔法の使い方を教えてもらおうじゃないですか。私は思わずにやけてしまう。


「それじゃぁ、魔法を教えてもらいましょう!」

「えーっと、どうすればいいんだろ?」

「え~~~?……使えるのに教え方がわからないパターン?んー、そうだ、最初に魔力を感じた時の事を教えてもらえれば、私もそれをなぞって行けば出来るかも」

「あーなるほど」


 羽雪くんがちょっと考え込むような感じで教えてくれる。


「まず腹の奥の方……この辺に流れる魔力を感じて練る……力を集中させて混ぜ混ぜするんだけど……」


「丹田って言われている場所かなぁ?」


 私はお腹の丹田辺りを意識してみる。うん、確かにこの辺で魔力を練ってたな。色々な人類のいる世界共通の動作なのだろうか?


「ん~?わからないなぁ……」

「どうやれば伝わるんだろ……ってか出来るのか?」


 羽雪くんが魔力を練ってなんかをしている。なんだろ?自分でテストしてるのかな?


「あれ?」

「え?どうしたの?」

「与謝峰さんの目に魔力が流れているように見えるよ」

「……え?……魔力が見えるの?」

「うん、ちょっと前に魔力感知を思い出して使ってみたんだけど、こう魔力を練ってうっすら―と広げる感じ……魔力ソナーみたいな感じかなぁ?」


 あ、やばいかも、魔力感知が出来るなら私が魔力視を使っているのが分かってしまうかも。思わぬ羽雪くんの成長にビックリしてしまう。


「そ、そんな事も出来るのね……あれ、漫画にある敵の気配を察知!とかあんな感じ?」

「あーそれそれ、そんな感じ、でもFPSの気配察知の方が近いかなぁ……視覚的にわかる感じだし」

「FPS……銃で撃ちあうゲーム?だったかな?」

「そうそう」


 うーん。それってかなり上級者の魔力感知だよなぁ……探知魔法も向き不向きがあるから人によりけりだけど、魔力視をしているのがわかるくらいなのはかなりの精度になる。魔力視はしばらく封印かな?どうも私の世界の魔法の使い方に近い使い方をしている気がする。私の世界と同じところから来たのだろうか?


「……私の目に魔力が流れてるって事は、私にも使うチャンスがあるって事だね」

「そうみたいね、俺も近所とか町中とか学校とか、色々なところで魔力感知してみたけど、全然ヒットしなくて諦めてたところだよ。魔力持った人っていないのかなぁ?」

「うーん、わからないなぁ、私、もうちょっと頑張ってみる」


 とりあえず思考をまとめるため、魔力を練るふりをしつつ羽雪くんを観察する。

 火、風、水、土全部を魔法で自由自在に動かしていた。大道芸レベルの魔力コントロールだね……前世の私でもあそこ迄出来なかった気がする。この世界に生きていると映画やアニメでそういったものを見る機会が多いのでそのおかげでイメージ力が上がって再現しやすくなっているのかな?


「すごいね、自然のものを全部動かせるの?」

「自分でもびっくりしてるよ、火と風だけだと思ってた」

「なるほど……あとの自然っぽい現象と言えば……光とか影とか雷とかは動かせたりしないの?忍者漫画みたいに」

「おお……試しにやってみるか……あの忍者漫画は好きだからイメージ出来るかも」


 そう言うと羽雪くんが、光と闇を操りだした。明暗のコントロールだけみたいだね。考えてみると質量のないはずの影で人を縛ったり、光で剣の形を維持しながら相手を切るとかはなんかおかしいものね。光の特性だとひたすら直進しちゃうし、レーザーみたいなイメージにしないと上手く行かないんじゃないかな?そんな事を思っていたら、ミニ雷みたいのを出すのに成功していた。あの小ささでも結構な音がするのね……


「本当にすごいね、何でも出来ちゃう感じ?」

「ほんとに……大道芸人になれるわ、これ」

「え?……なんで大道芸人??」

「だって現代でこの魔法使って何が出来るかって……剣と魔法の世界とかだったら魔も……モンスター倒したりする……だろ?」

「ああ、どうやってお金稼ぐかって事ね。んー確かに剣と魔法のゲームの世界だったら攻撃魔法撃ってモンスター倒すものねぇ」


 ん~羽雪くんの私への警戒心の無さにちょっとびっくりし始めてしまった。なんか包み隠さずに私に見せてくれるのは何故?やっぱり前世の記憶が無いタイプのなにかなのかな?それにしても今見せてもらった能力でお金稼ぎか……前世だったら英雄レベルの活躍が出来そうだけど、現代では……思いつかないな。現代にある兵器の方がよっぽど強いし万人が使える。あと、魔力切れなんて起きないしね……

 私が思案にふけっていると、また強大な魔力を感じる。羽雪くんが人間離れした動きで廃工場中を飛び回っていた。あーなんか凄すぎてなんと言えばいいかわからなくなってきた。


「なんか、人間辞めちゃってるくらいの動きね……」


 羽雪くんがピタッと止まってしまう。そして恐る恐る私の方を振り向く。


「ねぇ、魔法感知してる?今の状態を見られるとさすがに不味いと思うよ」

「あ……忘れてた」

「羽雪君って凄いけど……抜けてるのかな……?」

「うっ……ちょっとはしゃぎ過ぎました」


 うーん、おっちょこちょいでお人よし。それでいてあまり目立ちたくない。って感じか、なんか海斗君が良い人って言ってたけどその通りだな……


「大丈夫そう……だな」

「ふぅ……良かった」


 私は一息ついてちょっとだけ自分の考えを話し始める。


「さっきの自然現象を操る魔法でのお金稼ぎの話だけど……大道芸人でもいいかもね……あとはマジシャンになって、種がありますと言って魔法を使ってカバーして今までにないすごいショーをするとかだね。ラスベガスの凄い人達と同じくらいの事が出来そうだし」

「ああ……そうか、木を隠すなら森ってやつね」

「それか裏の社会の暗殺者……現代では証拠が残らないからやりたい放題……カメラだけに気を付ければなんとかなるかなぁ……」

「それは……出来たとしてもちょっとやりたくない……」

「あとは水を生成する魔法を使って恵まれない地域に行って慈善活動……どれくらいの威力が出せるかわからないけど、自然系の魔法って使いどころに困るものなのね……」

「その辺は俺も考えた、魔法を使うより科学の方が明らかに凄いもんな」

「自然系魔法の使い道はもうちょっと色々考えないとダメみたいね」

「そうだね……」


「さっきの身体能力アップの方が現実的……かなぁ……どちらにしろ金儲けに使うと、プロになって有名になっちゃうね。加減も難しそう……フットサルの時は使ってなかったの?」

「ずるいと思って使わなかったよ」

「あれ?でもなんか調子が良すぎとかみんな騒いでなかった?」

「ああ、あれはなんか、こう、五感が研ぎ澄まされると言うか……そんな感じだった」

「魔力の影響なのかなぁ?……丹田とかなんか体に良さそうだものね」


 やっぱり魔力を使うと脳の感覚が活性化して意識加速が行われるのかな?帰ってから色々熟考したいなぁ……あ、トレーニングしてるふりしてるの忘れてた。


「あ、私の魔力トレーニング!頑張ってるけど、どう?」

「ダメっぽいなぁ……ちょっといい?」

「ダメかぁ……なにするの?」


 羽雪くんが躊躇なく私のお腹付近をわってくる。私は余りの事に無防備に触れられてしまった。え?と思っていると羽雪くんの方から魔力らしきものが流れて……私の体を電流が流れたかのようにビリビリした痛みが伝わっていく。


「ひゃん!」


 うっ……我ながら変な声を出してしまった……


「ちょっと、いきなり何するの!」

「ごめん……魔力を流すと覚えられるかな……っと」

「……今のが……魔力なのね……電気が走ったかと思った」

「……電気??ビリビリする感じ?そんな感じではないはずだけど……?」

「電気みたいな感じじゃないのね?他人に流すとそうなるとか?」

「うーん……よくわからないな……」

「って、女の子のお腹にいきなり触るのはだめだよ」

「あ、すんません……その、丹田に魔力をながそうかと……」


 ちょっと困った表情をしている羽雪くんが可愛かった。この人はなんか庇護欲的なものを刺激するようなタイプなのだろうか?

 あれ?私の体からちょっと出ていた邪神の残滓が見えなくなっている?今のビリビリのせいか?でも、あれはただの魔力みたいだし、どうなっているんだろうか?

 

 そんなこんなで色々魔力のテストをしていると夕方になってきてしまった。


「あ、そろそろ帰らないとね」

「んだな、この辺は電灯無いもんな」


 家に帰ってから私は今日会った事を整理してみた。

 羽雪くんはとりあえず魔力を使えるが記憶があまり無い事がほぼ確定。あれで記憶があったら相当な演者だ。そんな演者が本気になられたら私には見抜けないからそもそも私は終わりだ。


 後は羽雪くんが使っていた魔法の原理については私のいた世界とほぼ同じ。この世界でも魔法が使える事から、おそらく色々な世界で同じような原理で魔法が使えるのだろう。なので羽雪くんがどこの世界から来たかは今のところ分からない。


 ただ、記憶が無いと言っても羽雪くんの記憶がどれくらいあるか確かめなければいけない。かなり確率が低いが、邪神サイドの人間が私の抹殺のために世界を超えて送り付けてきた可能性がある事。私がまだ邪神の残滓……要するに邪神の一部を私が持っている状態なので、邪神からしたらその力を必ず取り戻したいだろう。世界を超えて邪神の残滓を探知出来るのならば、先日渡しがキッチンのボヤを魔力で消した際にうっすらと出てしまったので、それを探知してこちらの世界に来た?でも私なら直接ゴーレムなり抹殺する命を持たない機械を使うなぁ……


 後は考えたく無いが、私たちの仲間……女神サイドの人間が送り込まれた可能性。邪神の残滓を浄化するために私を殺す……やっぱり駄目だ、これは考えたく無い。


 ふと、私は自分の体を改めて感覚で感じてみる。あれ?邪神の残滓が弱まっている用に見える……どうした……あ、やっぱり羽雪くんの使ったビリビリのせいか?もしかしたら羽雪くんに浄化の力が宿っているのか?うーん、色々知りたい事が増えてしまった。とりあえずは羽雪くんの記憶の内容が知りたいな……上手く聞き出せるだろうか?


 とりあえず羽雪くんに連絡してみるか。


【今日は本当にありがとう、普段絶対に体験出来ない事を色々見せてもらって楽しかった。体大丈夫?明日は筋肉痛かな?】


 しばらく待っても返信が無い……既読も付かない……心配だ。


【疲れて寝ちゃったかな?】


 うーん、既読が付かないなぁ、とりあえず考えた事打っていくか。


【とりあえず色々考えてみたんだけど、よくファンタジー小説やゲームとかにある、回復魔法、人の心を操る魔法、時間を操る魔法、姿を変える魔法、物の大きさを変える魔法、無から何かを作る錬金魔法なんかは使える様にならないかな?そっちだったらお金儲けとかしやすいかも】

【自然魔法系だったら消防士とかも出来るね。空気中に水魔法とか、空気操作で鎮火とか……色々出来そうね】


 うーん、羽雪くんってこれから魔法をどうしたいんだろう……


【ああ!羽雪君が魔法を今後どうしたいか聞き忘れちゃったから色々聞きたいな。なんか私だけ盛り上がっちゃってごめんなさい】


 うーん、やっぱり既読付かないなぁ……寝てるんだろうけど……ああ、じれったい、早く明日になれ!


【やっぱり疲れて寝ちゃってるみたいだね、おやすみなさい】


 ……自分でもわかるんだけど、これってストーカーみたいだな……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る