姉妹
───数日後
「結局何も分からなかったな。」
「元から分かることの方が少ないし、仕方ないのかもねぇ。新たな能力者の発現情報もないし。」
「で、でもまた悪魔を倒せば何か分かるかもしれませんよ!」
「だが、また死人が出ないとも限らない。危険だ。」
「「......」」
「ジリリリッ トード街ディセ通りに悪魔発生。直ちに急行せよ!繰り返す。トード街──」
すこぶるタイミングが悪い。悪魔は空気を読んでくれないってことも研究者に伝えないとな。
大型トラックの中が、妙に広く感じる。前回の帰りの時はそんな事を感じる余裕は無かったんだろうな。
結局、皆終始無言のまま目的地に着いた。
「悪魔はどこだ...?」
道のど真ん中に大木がそびえ立つ。それが異常なのは分かるが、肝心の悪魔が見当たらない。
「!!」
何かを感じ取りその場から離れる。瞬間、元いた場所に5mはあろうかという巨大なタンポポの花が現れる。第六感というやつか...明らかに攻撃は上から。見上げると大木の上に何かいる。そいつが悪魔で間違い無いだろう。
「上だ!木の上に悪魔がいるぞ!」
「
シズがすぐさま攻撃した。
攻撃を察知した悪魔は、すぐさま飛び降りる。その途中手に持ったタンポポの綿毛をちぎり、下に投げる。綿毛が着地した時、すごいスピードで巨大タンポポが生えそれに着地した。
「植物を急速に、かつ本来有り得ないほどの大きさまで成長させる力を持ってるのね。なら閉じ込めてあげるわ。
なるほど、これである程度狭い空間に拘束でき、遠距離から攻撃され続けることも防げる。イレーネの能力、想像以上に強い。
あまり時間をかけると植物で鉄を突き破られかねない。あの巨大な植物には恐らくできるだろう。
「中に突入するわよ!」
中ではギリギリまで巨大にした木の上に悪魔が立っていた。お得意の植物攻撃には対抗策がある。
「これで火事を起こします!
「終わりね。やはり私達の熱の
「イレーネ、あのデカいひし形の入口に蓋をしてくれ。」
「これで完璧に勝ちね。」
やはり阿修羅が異常だったのか。呆気ない幕引きだ。まぁその方がいいんだが。
バゴォン 大火災の中、植物は鉄を突き破った。
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