悪魔
「マジかよ...植物は燃えたら育たないだろ...」
「バンクシア...多分あれはバンクシアっていう植物。燃えると、種子をばら撒く性質があったハズよ。」
中から悪魔が悠々と出てくる。どうやらタンポポ狙撃はもうしないらしい。
「&@#」
悪魔は植物を
「
植物にはあまり効いていないどころか、周りに巨大植物がどんどん生えていく。
「やめなさい、シズ。あの植物の鎧もバンクシアで出来ている。もう熱戦は逆効果よ。」
クソッ、一気に形成逆転か...だがタイマンなら勝機はあるだろう。
「獣化・アフリカゾウ!」
最強。まさにこの名が相応しい動物。アフリカゾウなら負ける道理がない。
だが、獣化した途端勝てないと判断したのか大木を生成し、上へ逃げられる。
「&@*」
悪魔は植物の槍を生成、投擲してくる。パワーはあれど、巨体で動きの鈍いアフリカゾウでは格好の的。避けられない。
「クッ」
上に逃げるなら答えは1つもうこれしかない。
「獣化・ハヤブサ!」
即座に上へと飛び上がる。ハヤブサの急降下速度は時速350mにも上る。これで突撃し、直前にアフリカゾウになれば流石の悪魔もひとたまりもないだろう。
「援護するわ!鉄の
「は、はいっ!
鉄の箱の側面の1つに鳥1羽通れるだけの穴が空いた。これで悪魔に逃げ道は無い!
「終わりだぁぁぁぁ!」
「&@%」
「!?」グサッ
穴が1つ空くということはここから入ってきますと言っているようなものだ。そして2人が能力を発動していた時間は、悪魔にとって弓と矢を作り、構えるのに十分な時間であった。
「獣化・コモンブロンズヘビ...!」
空を飛ぶ。それは鳥の特権では無い。ヘビも空を飛べるのだ。ただし、枝がある場合のみ。コモンブロンズヘビは枝から枝へ100m滑空すると言う。そして今ジョウが落ちているのはそう!木の側面!枝など無数にあるのだ!
「あぶねぇ...矢で射抜かれたが、まだイケるぞ...!」
「ジョウ...ごめんなさい。裏目に出たかもしれないわ。」
「謝るのは勝ってからにしろ。」
「そ、そうですね。」
「イレーネ、頼みがある。鉄で塔を建てて、俺を木の頂上まで連れて行ってくれないか?」
「大丈夫だが、どうするつもり?」
「ドラゴンになって仕留める。」
「ど、ドラゴンになんてなれるの...?そ、そんなの存在しないんじゃ...」
「いやいるさドラゴンはな。とにかく連れて行ってくれ。」
「分かった。死ぬんじゃないわよ。」
「もちろんだ。」
「鉄の
「獣化・コモドドラゴン!」
ドラゴンなど存在しない?否、現存する。その牙は少しでも入れば死に至らしめる程の猛毒を持つ。これが悪魔に通じるかどうかは賭けだが、やるしかない。
「!?なんだこれっ」
ジョウは思わぬ発見をする。極度の疲れからか、獣化が頭までしか及ばなかったのだ。だがその獣の能力は問題ない。つまり、体の各部位毎に獣化が可能なのだ!
「これならいけるかもしれない...!
足獣化・兎!腕獣化・
その姿はキメラ。いや、悪魔と呼んでも差し支えない程の異形。だが、アイム姉妹にはこの上なく頼もしいヒーローに見えた。
「行くぞ!クソったれ悪魔ァ!!」
悪魔は今作ったであろう植物の剣と盾を携え、ジョウと対峙する。
先手は悪魔だ。剣を振りかざす。兎のフットワークで避けるのは容易。その隙に羆の正拳突き!重い一撃によろめく悪魔。苦し紛れに盾で攻撃してくるが、ヤマアラシの針の前では無意味!
そして、がら空きの頭にコモドドラゴンの猛毒噛みつき!体制を崩した悪魔に避けられる筈もない。
猛毒が効いたか効いてないかは定かでは無いが悪魔は動かなくなった。
「勝ったぞぉぉぉ!っしゃあぁぁぁ!ッ!?」
やはり強力な技に代償はつきものだ。無論、部分獣化もそうである。そしてこの場合の代償とは時空の狭間...
時空の狭間に吸い込まれる時、能力は暴走する。ジョウの場合、頭が兎、胴は何故か前にも針があるヤマアラシ、腕は人、足は羆となってしまっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます