疑問

 あの悪趣味な大型トラックを呼ぶと、中にアイム姉妹がいた。

「じ、ジョウさん、セロ隊長は...?」


「死んだ。不意打ちで殺されたよ。あのクソ阿修羅...」


「ッ!こ、こちらはタオンさんが時空の狭間に...最初にっ100人ぐらいに分身してぇ...ヒック」


「見たのか?時空の狭間に吸い込まれるところを。」


「いえ見てないわ。私が防御用に作った鉄塊が邪魔でね。でもタオンさんの遺体がない状況から見て、そう判断したわ。」


 重苦しい雰囲気が流れる。FCUとはこういう組織だ。いつ誰が死んだっておかしくない。初戦でさえ。分かってたつもりだが、そうでもなかったようだ。


「ん...?ジョウさんさっきなんて言いましたの?」


「ん?時空の狭間に吸い込まれるのを見たかって。」


「いや、その前ですわ。」


「あのクソ阿修羅 ってところか...?」


「それです。ジョウさん達も阿修羅みたいな見た目の悪魔だったんですか?」


「あ、あぁ。それも2体だ。」


「悪魔ってそれぞれ見た目や性質が違うんじゃなかったかしら...?」


「初めての事例...ってことか。セロ隊長はそもそも2体同時出現も初めてって言ってたぞ。実際は3体だったわけだが。」


「この街で一体何が起こっていたの...?」


「とりあえず帰ったら研究者にこのことを伝えよう。なにか悪魔についてもっと分かることがあるかもしれない。」

 俺の探してる悪魔の行方もな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る