第3話 兄妹

俺と綾は屋上に着くと日陰がある方へ行き

壁にもたれながら座った。

俺たちは母親が朝作ってくれた弁当を開けると綾と俺の弁当の中身は当然ながら一緒だ。

白米の隣にハンバーグ・卵焼き・たこさんウィンナー・プチトマトが入っていた。

俺は静かに弁当を食べていると

綾が自分のおかずを俺の口の方へ持ってきた。

「お兄ちゃん、あーん」

「はぁ、綾彼女じゃないんだからそれはやめろよなぁ」

「綾とお兄ちゃんは同棲しているんだし

もう付き合ってるようなもんだよ〜」

「同棲って兄妹なんだから当たり前だろ

学校では、そうゆうことは禁止!」

そう言うと綾は少し悲しそうな顔になり

しずかに弁当を食べた。

しばらくすると昼休みの終わりのチャイムが鳴った。

食べ終えると俺は綾を教室へ送ってから

自分の教室に戻った。

「お兄ちゃん今日も一緒に帰ろうね!」

「あぁ、放課後綾の教室へ迎えい行こうか?」

そう言うと綾は嬉しそうな顔で返答した。

「ホント?教室でお兄ちゃん待ってるね!お兄ちゃんまた後でね!」




授業が全て終わり俺は綾の教室へ行き

友達と何か話している綾を呼んだ。

「綾、帰るぞー」

綾とその友達が俺の方を振り向き手を振った

「あ、お兄ちゃん」

「綾ちゃん、あの人が綾ちゃんがいつも話してたお兄さん?」

「そうだよ!」

「綾ちゃんが言ってた通り凄い優しそうな人だね」

俺の方からは綾たちの声は聞こえ無かったが

なにか言ってるのだろう。


友達と別れた綾と俺は玄関へ行くと椿が待っていた。

「椿、どうしたんだ?」

「私も一緒に帰りたくって待ってたの」

「椿ちゃんそういうことなら一緒に帰ろう」


玄関を出ると綾が突然俺の腕を組んできた。

「ちょっ、人前でそれはやめろよなぁ」

「誰もいなかったらいいの?」

「そんな訳ないだろ、人が居ても居なくてもダメだ!」

綾のブラコンには少し困っている。

どうしたら改善するのだろうか…

今度椿に相談してみるか。

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