第2話 学校

桜も散り始めた4月8日。


綾と椿と俺は軽く話ながら登校した。

「陽太、今日から新学期だね また同じクラスになれるかな」

「どうだろうな〜」

「私もお兄ちゃんと同い歳だったら良かったのにー」

綾は、ほっぺを膨らませながら言った。


それもそうだろう、俺と椿は小学生の頃からほとんど同じクラスなのだが中学生の頃は1度も同じクラスにはならなかった。

高校に入ってから2年間は同じクラスで

毎日一緒に登校していることからクラスの奴からは付き合っていると思われている。

俺たちは、ただの幼馴染であって付き合ってはいない。


学校に着き門に入ると玄関にクラス表が貼ってあり自分のクラスを確認した。

「えーと、俺の名前… 3年1組」

「陽太、何組だった?」

「俺は1組」

「えっ、ホント?私も1組!!」

どうやら一緒のクラスのようだ。

「今日から1年間よろしくね」

「よろしく!!」


クラスを確認して玄関に入り

綾と俺たちは階段で別れ自分の教室へ向かった。

「お兄ちゃんまたお昼にね!」

「あぁ、また後でな!」

俺たちの学校は1年生が3階、2年生が2階、3年生が1階の学校だ。


椿と俺は自分の教室へ入ると見慣れた面々ばかりだった。

3年にもなるとこうゆうものなのだろうか。

黒板に貼ってある自分の席を確認して戻ろうとしたらクラスメイトの春風紗桜が近づいてきた。

「夏凪君、冬月さんおはよう」

「春風さんおはよう」

「お二人さん今日も一緒に登校だね、もしかして付き合ってるの?ふふ(笑)」

「付き合ってない!!」

俺と椿は顔を真っ赤にし同時に返答した。

そうしたら春風がまた、おちょくってきた。

「えぇ、どうして 2人とも凄くお似合いなのに」

しばらくして教室のドアが開き先生が入ってきた。

「夏凪君、冬月さん席に戻ってね」

「はーい!」

俺と椿は自分の席へと向かい着席した。

「今日からこのクラスを受け持つことになりました。夏希英梨です、今日から卒業までよろしくお願いします」


挨拶が終わり、いつも通り授業が始まった。


3限目が終わるとお弁当を持った綾が俺のクラスまで向かいにきた。


「お兄ちゃーん」

クラスの人達が綾の方へ視線を向けた。

「えっ、あの子夏凪君の妹?凄く可愛い」

男子からは嫉妬の目ばかりだった。

「綾、もう教室まで来るのやめないか?」

「えぇ、私が来ると迷惑なの?」

綾は悲しそうな顔で言ってきた。


「迷惑じゃないけど、こうやって毎日来られると恥ずかしい」

「恥ずかしくってもいいじゃん、お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだしお兄ちゃんとは学校でもずっと一緒に居たいもん」

綾の悲しそうな顔で言われるとつい甘やかしてしまう。

俺と綾は教室から出て屋上へ向かった。

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