第2話呪詛師 1

顔に本を被せて寝ている人が、待っていましたと言わんばかりに、本を取る。

「賀茂さん、土御門くん、おはよう」と笑顔で挨拶をする。


挨拶をして来た、この先輩は、3年の春野明先輩だ。


「おはようございます、春野先輩」と言うと、不機嫌な顔で、刹那はすぐに椅子に座って突っ伏して、しまった。


それを見た、春野先輩は、何かあったという顔で、俺を見てきたので「いつもの事です」と言う。


春野先輩は、察した顔して「なるほどねぇ」と苦笑いの顔で答えた。


「先輩がここにいるって事は、何か依頼があるんですか?」と俺が、春野先輩に問いかける。


春野先輩は「鋭いね!土御門くん、でも依頼内容は、あともう一人の子が来たら話すよ」


扉が開いて「すみません、遅れました!」と頭を下げて、入ってきたのは、同級生の源光だった。


それに春野先輩は「何で遅れてきたの」と優しい口調で問いかける。


「告白されて」

それに俺は「どうせ男だろ」

「女かもしれないだろ!」

「そうか女か」

光は消え入りそうな声で「いや、男だけど」


そう光は、見た目だけ見れば黒髪ロングのかわいい女の子だが、実際は、れっきとした男である。


「源くんも来たし、そろそろ本題を話そうか」と真面目な顔で、春野先輩は言う。


春野先輩は、俺と光が、席に着いたのを確認して、話しを始めた「今回3人に来てもらったのは、ある呪詛師を捕縛して貰いたいんだ」

それに光は「何で捕縛するんですか?」

「本来なら始末するのがセオリー何だけど、今回のターゲットはある呪詛師の組織のメンバーであることがわかったんだ」

それに俺は「尋問するために、捕縛しろと言うことですか?」

「そういう事」

「ちょと待ってください!」

「どうしたの源くん?」

「呪詛師が徒党を組んだとしても、すぐに瓦解するので、意味ないんじゃないんですか?」

「確かに歴史上に見ても、呪詛師が徒党を組んだ場合は、仲違いして、組織が瓦解する可能性が高いんだけど、今回は“キナ臭い”んだよね」

それに俺は「それって先輩の感ですか?」

「感だね」と春野先輩は答えた。

ようやく機嫌を直した刹那が「相手の使う呪術は、わかってるんですか?」

春野先輩は「その呪詛師が殺した、5体の遺体を見たら、みな上半身が無いんだ、つまり考えられる可能性は、爆発系統の呪術を使ってると思われる」




同時刻    女子高生が路地裏で目を覚ました。


そこには20代ぐらいの女性と坊主頭でグラサンをかけた、カーキのコート着た男がいた、私は観ている、目が離せなかった、男が女性のお腹あたりに手で触れた、その瞬間、女性の上半身が消えた、私はここにいると殺される思い、逃げるために、立ち上がろうとするが、なかなか立ち上がれない、すると男がこっちを見て、近付いて来る、笑いながら近付いて来る、私は何とか立ち上がり、逃げた。




一方無明たちは、喫茶店ノワールに向かっていた、何故向かっているかというと、春野先輩が「詳しいことは喫茶店ノワールにいる、“鳩”の小島さんに聞いて」と言ったため、俺達は喫茶店ノワールに向かっていた。


喫茶店ノワールに着いたので、店に入り、小島さんを探す。


マスターが「無明か、小島さんなら左奥のテーブル席にいるぞ」

俺達は「ありがとう、マスター!」とお礼を言い、そこに向かう。


そこには黒服に黒縁眼鏡の男性が座っていた、小島さんだ、挨拶してから、俺は小島さんの隣に座り、刹那と光は向いの席に座ったのを見て、小島さんが話し始めた。

「今回私達“鳩”が入手した情報によると、犯人の特徴は、坊主頭のサングラスをかけた、カーキのコートを着た男です」

それに刹那は「今犯人は、真琴さんが追っているんですよね、今どの辺にいるんですか?」

「見張っていた鳩のメンバーの遠野さんが、殺られたので、わかりません」

それに俺達は一瞬、小島さんが何を言っているか、わからなかった。


「どういうことですか、小島さん!」と光はテーブルに乗り出して問いかける。

それに小島さんは「こちらも何故殺られたかはわからないんだ、ただ遠野さんの生体反応が、消えているんだ」と悲痛な面持ちで答えた。


光が狼狽える気持ちもわかる、光にとっては遠野真琴さんは、優しい親戚のお姉さんだ、俺と刹那にとっても、優しく頼りになる陰陽師の先輩だ、それに俺の姉さんの友達でもある。

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