第3記:飛揚物

 居室に行き、映画(の後半)を観た。なかなかよくできていた。配役も豪華だし、映像も贅沢だ。しかし、この作品が大ヒットした…という話は聞いていない。映画は魔物である。良質な作品が必ずしも(興行的に)成功するとは限らない。制作費が回収できなければ、次の映画を撮ることが難しくなる。


 再生機の電源を切り、続いて、愛機の電源を入れた。まったく忙しいことである。ぴよぶっくを呼び出し、草小説の編集に没頭した。投稿後、シャットダウン。身支度を整え、戸締りを確かめた。玄関の鍵をかけてから、自アパートを離れた。貸し円盤(DVD)屋を目指して歩き出した。

 その道中、学校の運動場で、凧揚げをしている親子(でしょう)の姿を見かけた。凧なんて久し振りだ。近年珍しい光景と云える。駅前商店街にある蕎麦屋兼居酒屋に寄り、昼食をしたためた。円盤屋到着。店内は活気に満ち、繁盛していた。良いことだ。借りていた3枚を返却し、新たに3枚借りた。


♞1月7日の日記の一部。この日に観た映画は『花戦さ』だと思われる。


 居室に行き、もうひとつの愛機、ニンテンドーDSを起動させた。淹れ立てのコーヒー(モカ)を飲みながら、エルミナⅡの続きをやった。

 一応、最後の敵(ラスボス…という略語があまり好きではない)は倒したのだが、前作同様「クリア後のお楽しみ」が用意されていて、俺を喜ばせた。このお楽しみだが、最初に導入したのは『ドラクエⅤ』だったと記憶しているが、RPG史的にはどうなんだろうか。

 スペシャルダンジョン「ウルナス・ラーデ」へ駒を進める。同迷路には、強敵難敵が揃っており、不意討ちを仕掛けられると、壊滅に等しい大損害を与えられたりする。そういう時は即座にリセットだ。へっぽこの俺は「本格派のこだわり」を持たぬ。いや、持てぬ。こまめなセーブも、へっぽこ流。


 DSの電源を切り、身支度を整えた。最後の施錠を済ませてから、アパートを離れた。駅前の両替屋に行き、現金を補充した。商店街へ移動し、食堂(兼居酒屋)の暖簾を潜った。空いているカウンター席に腰をおろし、献立表を眺めた。思案数秒、日替わりの煮魚定食を頼んだ。今日は「鰈の煮つけ定食」であった。なかなかの美味。酒が欲しくなったが、懸命に我慢した。


♞1月12日の日記の一部。エルミナⅡは「二周目」までやったが、中途で断念。その後、売却した。

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