第2話「まるで悪役令嬢のような許嫁」
俺の名前は、
親は大企業で社長をしており、それなりに裕福な家庭で育った一人息子である。
小さい時から容姿が整っていると周囲からはちやほやされ、物心ついた頃には何不自由なく女の子にモテるようになっていた。
だがそんな俺には、実は許嫁がいる。
――いや、正確には居た、だ。
あれは俺がまだ幼い頃、いきなり親に大事な話があると呼び出され、そして家のためにもある女の子と許嫁になって欲しいと言われたのだ。
当然、いきなりそんな事を言われてもまだ幼い俺には何の話だか良く分からなかったのだが、とりあえず言われるまま一回その女の子と会ってみる事になった。
そして後日俺は、親に連れられて見知らぬ大豪邸へとやってきた。
そのあまりの大きさに驚きながらも中へと入ると、玄関のところで恐らくこの家の主であるおじさんと、その隣には同い年ぐらいの女の子が立っていた。
俺はその女の子を一目見て、とても驚いた事を今でも覚えている。
何故なら、そこには他のどんな子とも違う、綺麗な銀髪が特徴的な見た事も無い程の美少女が立っていたからだ。
だから俺は、その女の子の姿に驚きながらも見惚れていると、お父さんが話しかけてきた。
「誠、そちらがこの間言った高柳さんの娘さんで、それからお前の許嫁になる聖来さんだ。仲良くするんだぞ」
そして俺は、今目の前にいるこの美少女が、なんと自分の許嫁なのだという事を知った。
その時の俺は、心が躍り出しそうな程喜んだことを今でも覚えている。
こんな絶世の美少女が俺のお嫁さんになるんだ。
世の中探し回っても、きっとこれ以上美しいと思える女の子なんて中々居やしないだろうと思える程、俺からしてみればまさに高嶺の花だった。
しかも俺がこの子と一緒になる事で、お父さんの仕事も上手くいくと言うのであれば全てが幸せじゃないかと思えたのだ。
だから俺は、嫌われないようにニッコリと満面の笑みを浮かべながら、その子に向かって手を差し出す。
「初めまして、本庄誠です。よろしくね聖来ちゃん!」
しかし、聖来ちゃんは興味無さそうに俺の手を取ると、すぐに手を放してどこかへと歩いて行ってしまった。
「はっはっは、聖来も照れているんだろう。歳も同じなんだし、子供同士その辺で遊んできなさい」
そんな不愛想な聖来ちゃんを見て、おじさんは笑って一緒に遊んできなさいと言ってきた。
いつもなら、俺がさっきみたいに一度微笑んで見せれば、大抵の女の子はそれだけで顔を赤らめて喜んでくれるはずだった。
だから俺自身、女の子にあんな対応されたのは初めてだったから少し驚いた。
だからこそだろうか、このままでは居られないよなと思った俺は、お言葉に甘えて聖来ちゃんを探しに行く事にした。
そして、そのあと俺は全てを知る事になる。
この高柳聖来という女の子の抱える、深い深い闇の部分を――。
◇
広い庭が見渡せる廊下に、一人で座っている聖来ちゃんを見つけた。
だから俺は、すぐにそんな聖来ちゃんへ声をかけようとしたのだが、俺が声をかけるより先に聖来ちゃんの方から声をかけてきた。
「――何しにきたの?」
「いや、おじさんが一緒に遊んでおいでっていうから」
「――そう、でも私は貴方なんかと遊びたくないわ」
そう一言だけ言うと、聖来ちゃんは立ち上がりまたどこかへ移動しようとする。
だから俺は、こんな所に一人でいるわけにもいかないし慌てて引き留めるために声をかける。
「ちょ、ちょっと待ってよ!俺まだこの家の事もよく知らないから、一人じゃ困るよ!」
「――知らないわよ。あぁ、じゃあそうね、私喉が渇いたから飲み物を取って来てくれないかしら」
「え?い、いや、どこか分からないし」
「はぁ――そのぐらい自分で何とかしなさいよ」
え、何この子と思った。
見た目に反してこの聖来ちゃんという女の子は、一体どう育ったらこんな風になってしまうのかと思える程、幼くして中々きつい性格をしているのであった。
でも俺は、それでもまだ壁を作っているだけだろうと、今は言われた通り動く事にした。
それに、お父さんの事だってあるんだ。
今ここで俺がこの子に嫌われては、きっと家族に迷惑もかかってしまうだろうから。
そしてこの日を境に、俺の聖来ちゃんの言う事に何でも従う日々が始まった。
最初の頃は、いつか聖来ちゃんも心を開いて変わってくれるだろう事を期待していた。
しかし、いつまで経っても聖来ちゃんが素直になる事なんて無く、むしろその我儘は日に日に激しくなっているのであった。
それからは、俺の限界が訪れるのは早かった。
結局こいつの良いところは、その見た目と家の看板だけ。あとは全部クソ女だ。
そう結論付けた俺は、高柳さんに気に入られようとするのではなく、いかに高柳さんに会わずに過ごせるかだけを考えるようになっていた。
やっぱり家の事もあるから、そんな高柳さんでも邪険にする事だけは出来ないでいたのだ。
だから俺は、極力彼女とは距離を置きつつ、上手く最小限のご機嫌だけ取るように接するようになっていた。
だがそんな付け焼刃では、すぐに限界が訪れる。
次第に俺は本人の前でも苛つきを隠せなくなり、流石にこれでは不味いと思った俺は全力で高柳さんと関わらないように努めるようになった。
そして、中学二年生も終わろうとするある日の事だ。
俺はいつもの愚痴大会をすべく、同じく高柳さんの相手をするのに苦労している友達の待つ教室へと向かっていると、何故かその教室の近くで一人立っている高柳さんの姿があった。
――もしかして、聞かれてる!?
そう思った俺は、心臓をバクバクさせながら早歩きでその場へ近づいたのだが、残念ながら教室内では既に愚痴大会は始まっており、ばっちり高柳さん本人にその内容を聞かれてしまっているのであった。
――不味いな、でも悪いのは高柳さんの方だろ
そう、俺達は何も悪く無い。悪いのは、いつも我儘を言って俺達を困らせる高柳さんの方だ。
そう思いながらも俺は、だからと言ってこの場に適した答えが見つけられないままその現場へとゆっくりと近付いた。
すると、高柳さんは少しだけ後ずさりをしたあと、くるりと後ろに回って教室から離れようとした。
その結果、俺は高柳さんと向き合う形となってしまった。
だから俺は、思わずそんな高柳さんに声をかけてしまう。
「――聞えただろ?みんなお前には、もううんざりしてるんだよ」
――ついに、言ってしまった。
高柳さん本人を前に、俺はこれまで溜まりに溜まった黒い感情を吐き出すようにぶつけてしまったのである。
そして、一度溢れ出したこの黒い感情は、もう止まる事など無かった。
これまで散々受けてきた我儘に対する不満が爆発してしまったのだ。
高柳さんに向かって、こんな事を言うのは不味い。絶対的に不味い。
だけど俺は、もう止まれなかった。
そんな不味い状況に気が付いた皆も、何事かと教室から廊下へ出てきた。
そして、この場に高柳さんがいる事に気が付いた皆は、一瞬にしてその顔を強張らせる。
無理もない、さっきの話しは絶対に本人に聞かれてはならなかったのだ。
自分達の軽口一つで、家が大変な事になってしまうかもしれない事を彼らは全員分かっているのだから。
しかし、彼らももう歯止めが効かなくなっていた。
どうせ聞かれたのならと、彼らも俺と同じように彼女に対する不満を爆発させたのであった。
そして、俺達の不満を一通り黙って聞いていた高柳さんは、全員言い終えた事を確認するとそっと口を開いた。
「――皆さんのお気持ちは分かりました。では、ここで私とあなた達の縁は全て断ちましょう」
たったその一言で、俺も、そして他の皆も、背筋が凍るような感覚に襲われる――。
――不味い、不味い不味い不味い!
散々言われたのに、何故かニッコリと微笑む彼女を前に、俺達は全員血の気が引いていく。
せっかくこれまで必死に我慢してきたというのに、こんな些細なキッカケでその努力も全てパーになってしまったのだ。
いや、パーになるだけならまだいい。
最悪の場合、そんな下らない一時の感情のせいで、自分達だけではなく家族にも多大な迷惑をかけてしまうかもしれないという、自分達子供にはどうする事も出来ない純粋な恐怖と後悔に襲われる。
そうして、俺達は自分達のしてしまった事に絶望していると、彼女も俺達の考えなどお見通しなのだろう。
思い出した事を付け加えるように、彼女は少し微笑みながらまたその口を開くのであった。
「あぁ、安心して下さい。この事は親に言ったりはしません。だからあなた達は、安心して私から離れて下さい。それから本庄さん、あなたとは許嫁の関係にありますが、それもこの際解消しましょう。この件は、私からパパに説明しておきます。当然これも、貴方やご家族に不利益が生じないように伝えますので安心して下さい」
「――あっ、い、いや、それはっ!」
「では、ごきげんよう」
俺達に弁解の隙を与える事も無く、そう言って彼女は――高柳聖来は優雅にこの場から去って行ってしまった。
俺達に散々酷い事を言われたにも関わらず、彼女は落ち込むどころか機嫌が良さそうに見えたのはきっと気のせいではないだろう――。
◇
それからの俺は、取り巻く環境が一変した。
高柳さんは、どうやら本当に俺に不利益が生じないように許嫁解消をしてくれたようで、何もお咎めなく、親同士のビジネスも継続されたままであった。
それは俺だけではなく、同じくあの時ぶちまけてしまった皆も同じであった。
そう、あれだけキツイ性格をしている彼女が、まさか本当に言った通り俺達に不利益が生じないようにしてくれていたのである。
その事がとにかく意外で、これでも俺は一番彼女の近くにいたはずなのに、彼女が一体何を考えているのか全く分からなかった。
それでも、そのおかげでようやく俺達は解放されたのだ。
これで俺も、自分の恋愛をしたって許されるし、何よりもう彼女に怯えて過ごす事も無いのだと思うだけで、自由を手に入れたような気持ちだった。
それからというもの、一切彼女とは話す事無く中学を卒業した俺は、高校へ進学してとても驚く事になる。
それは、まさか同じ高校にあの高柳聖来の姿があったからだ――。
運命とは、とことん残酷だなと思った。
俺は高校からはエスカレーター式の高校から一般の高校へと進学する事で、これでようやく本当に高柳さんの姿を見なくても済むのだと心を躍らせていたというのに、何故かこの高校には彼女の姿があり中学の時と環境は大して変わらなかったのである。
だが、それでも俺は諦めなかった。
俺は入学早々この見た目と持ち前の対人スキルを駆使して、あっという間に学年のスクールカースト頂点を勝ち取ったのだ。
そう、俺はこの学校では頂点に位置しているのだ。
それはさながら、あの頃の彼女と立場逆転しているようであった。
だが俺は、彼女とは違う。
俺は周りの人達に対して、あんな好き勝手な態度なんて取ったりしない。
例え目立たないクラスメイトが相手でも、俺は全てに平等に接した。
人に虐げられたり扱き使われる事の苦しみは、この俺が一番よく知っているからだ。
その結果、俺は一学期が終わる頃には学年一の人気者にまでなっていた。
この見た目も相まって、寄ってくる女の子も少なくはなく、俺の高校生活は本当に充実したものになっていた。
恋も勉強も何もかも、俺は自由なのだと感じられる事がとにかく嬉しかった。
しかし、そんな俺にとってのトラウマでもある高柳さんはというと、相変わらずだった。
最初はその容姿もあって多くの人に囲まれていた彼女も、持ち前の我儘を発揮させるとすぐに周囲から人は居なくなり、あっという間に中学の終わりの頃のようなボッチになってしまっていたのである。
その事が正直気にはなったが、もう彼女と会話する事も嫌なため、俺は見て見ぬ振りをするしかなかった。
そして一年が過ぎ去り、ついに俺は二年生になった。
当然クラス替えが行われるのだが、俺はもうこの学校の人気者達全員と仲が良いため、クラスが変わる事に対する恐怖なんて何も無かった。
――しかし、それでも俺は新しいクラス表を見て絶望した
――何故なら、同じクラスにあの高柳聖来の名前があったからだ
もう何も無い事は分かっていても、俺は少し怯えながら新しいクラスへと足を踏み入れる。
「よぉ!本庄!二年から同じクラスだな宜しく!」
「あ、ああ、新田か、こちらこそ宜しく!」
声をかけてきたのは、
彼はサッカー部に所属しており、1年の時からエースで活躍していた程のスポーツマンで、見た目もイケメンで女子からの人気も高い陽キャ中の陽キャって感じの友達だ。
俺はそんな新田とはクラスを飛び越えて仲が良く、こうして同じクラスになれた事は素直に嬉しかった。
「やっほーまことっち!うちも一緒だから宜しくぅ!」
「おう、よろしくな千波!」
そして、次に声をかけてきたのは
彼女は学年一の人気者で、その整ったルックスも相まって男子からの人気を独り占めしているような美少女だ。
ふんわりとした茶髪のロングヘア―に、色白の肌、そしてくりっと大きな瞳が特徴的で、その存在は学校を飛び越えて同学年の人なら誰でも知っているような有名人だ。
「てか、高柳さんも同じクラスなんだね――私あの子、ちょっと苦手なんだよねー」
クラスの端の席へ座る高柳さんを見ながら、千波はちょっと嫌そうな顔をしながらそう呟いた。
千波は一年の時から高柳さんの事を苦手に思っているようで、あのキツい性格もそうだが、一部の男子達が見た目だけなら高柳さんの方が可愛いと言っている事を知っているせいもあって、千波は一方的にライバル視しているようだった。
しかし、この学校で高柳さんのヤバさを誰よりも知っている俺は、俺達の関係こそ言わないでおいたが、悪い事は言わないから彼女とだけは関わるなと俺は千波含め周りの皆を止めているのであった。
チャラい新田なんかは、見た目だけは良い高柳さんと関わろうとしていた事もあったのだが、その時は友のため全力で引き留めたりもした。
「ってか、高木と高柳って似てるし、名簿順も隣とかマジで無いわー」
以前から千波は、高柳さんと苗字が似ている事も気に食わないようで、高木と高柳では名前負けしていると思っているのか、もうそんな名前レベルで彼女の事を受け入れられないようだった。
まぁそんな、二年からはキャラが濃すぎるクラスになってしまった俺だけど、こうして仲の良い友達もいる事だし一年ぐらい耐えてみせると気を引き締め直したのであった。
◇
同じクラスになった高柳さんを一言で言うなら「相変わらず」だった。
親切で話しかけてくれるクラスメイトに対しても、しっかりと壁を作り一切寄せ付けないため、二年でも彼女はあっという間にボッチになっていた。
この学校には一般的な家庭の生徒しかいないため、高柳家の看板なんて皆知ったこっちゃないのだ。
だから中学の時はまだ皆から距離を置かれているだけで済んでいたが、高校では本格的に周囲から嫌われている様子だった。
そんな高柳さんを見て、俺は思わず心の中で「ざまぁみろ」という黒い感情が湧き上がってくる。
あれだけ俺を振り回してきた悪魔のような彼女が、今では学校のスクールカーストの最底辺を這いつくばっているのだ。
今の高柳さんを中学の時のクラスメイトが見たらきっと驚くだろうなと思いながら、俺はもう彼女に怯える必要も無さそうな事に内心ほっとしていた。
それからの俺は、本当に高柳さんの事なんて気にしなくなっていた。
まるで空気のように、クラスに存在しているのかどうかもよく分からない程落ちぶれた彼女は、最早今の俺にとっては警戒する必要すらなかったのだ。
だが、そうして平和な学校生活を送っていたある日のこと、突然異変が起きる――。
それは、あの高柳聖来が普通に教室内で会話をしているからだ。
最初その光景を見た時、俺は内心酷く驚いた。
だってあの悪魔のような我儘を極めた女が、普通に隣の席の男子と笑いながら会話をしているのである。
そんな光景、小さい頃から俺は彼女の事をよく知っているが、多分見るのは初めてだった。
隣の席の男子は、たしか――
いつも授業中寝ていたり、一人が好きなのか周りと深く関りを持とうとしないちょっと変わったクラスメイトだが、高柳さんは何故かそんな相葉と楽しそうにお喋りをしているのであった。
俺はその光景を横目で見ているうちに、心の中で一つの感情が湧き上がっている事に気が付いた。
――俺にはあんな顔向けてくれた事、一度も無かった
そう、俺は曲がりなりにも彼女の言う事を聞いて小さい頃から側にいたというのに、彼女はあんな表情一度だって俺に向けてくれた事など無かったのだ。
それなのに、言っちゃ悪いが何の特徴も無い相葉がそれを成し遂げているという事が、俺は正直に言って気に食わなかった。
黙っていれば誰が見てもとびきりの美少女である高柳さんが、あれだけ頑張った俺では無く何の特徴も無いぽっと出の男に微笑みかけている事が、納得出来なかったのだ。
そしてその日から、二人は毎日楽しそうに会話をするようになっていた。
流石にそこまでになると、クラスの反応も変わっていた。
最初は高柳さんの的にされた相葉を憐れんでいた周囲も、どうやらそうではなく本当に仲が良いのだと気が付いたようで、何故かは分からないが物腰が柔らかくなった高柳さんとならお近づきになりたいと言い出す人まで現れていた。
たしかに、教室内で上品に微笑む高柳さんの姿は天使そのもので、そんな表情を見せられては千波ですらも霞んで見えてしまう程だった。
そして俺も、ついにこの状況に対して我慢の限界が訪れる事になる。
それは、帰りのホームルームが終わった時の事である。
皆帰宅や部活へ向かうため身支度をしている中、今日も二人の仲良さそうな会話が聞こえてくる。
そして、高柳さんから発せられた言葉を聞いた俺は、強い衝撃を受けた。
「――あの、相葉くん。良かったら、途中まで一緒に帰りませんか?」
なんとあの高柳聖来が、あろう事か相葉和樹という平凡な男に対して、自分から一緒に帰ろうと誘ったのである。
しかも、見るとその表情は薄っすらと赤く染まっており、まるで恋する少女のように恥ずかしがっているのである。
「ん?あぁ、いいよ。じゃあ帰ろうか」
すると相葉は、何も考えていないのかその誘いに対して二つ返事でオーケーした。
――おい待て、お前みたいな庶民が手を出して良い相手じゃねーんだよ
俺はその光景を見て、怒りのような焦りのようななんとも言えない感情で強く胸が締め付けられた。
こうなった俺はもう、居ても立ってもいられなかった。
気が付くと俺は歩み出しており、そしてそのまま一緒に帰ろうとする二人の側に立っていた。
「――ちょっと、待てよ」
そして俺は、相葉を睨みつけるようにしながらそう声をかけていたのであった。
お前なんかが、高柳さんに近付いてんじゃねーよと思いながら――。
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