第142話 ミステリアスでクールなメイド? 【剣聖】九条氷華

 



 ◆エルちゃん視点





 ★商店街のとある交番前にて





「よち、にんむかんりょ!」



 あれから彩芽お姉さんと別れたのち、無事に商店街の交番に到着したのは良いですが、中に入るとおまわりさんが居なかったので、机の上に100円玉をそっと置いてその場を後にしました。



「ふふ〜ん♪」



 良い事をした後は気持ちが良いのだ! かえでねーたん達に教わった事を大切にこれからも頑張るぞい! やはり、一流の冒険者になる為には弱者を助けたり、良い事をすると冒険者としての格も上がり、やがて一流になるのだ。それに今の僕にはお弟子さんが居る! おつかいを無事に終え帰ったら、かえでねーたんにあやめねーたんと言う美人なお弟子さんが出来たと報告するのだ!



「わがなは......えりゅ! ちてんのうの......んぅ。なんだっけ?」



 まあ良いでしょう......しかし、魔法少女★みくるちゃんも可愛くてカッコイイけど、敵幹部の四天王と呼ばれる猛者達もカッコイイんだよねぇ〜特にあの日本刀と呼ばれる刀を持った青髪の綺麗なメイドさん......名は大魔王の幹部の四天王の1人【剣聖】ヒョーカ! 



「ひぎ! よんのかた......むひょーぎり!」



 ふっ......決まった。




 ―――エルちゃんの渾身の必殺技を通行人の人達は微笑ましい様子で見ているのであった。




 しかし、良いなぁ......ボクもあんなカッコイイ日本刀と言う刀が欲しい。いや......この伝説の杖をかえでねーたん達から戴いたのだ。他の武器にうつつを抜かす様ではボクもまだまだ。まずはこの武器を使いこなす所から始めなければ......もしかして、さっきボタンを押してもボクの声に応えてくれなかったのは、ボクの実力不足......この伝説の杖とボクの信頼が足りてない証拠なのかもしれない。


 あやめねーたんが伝説の杖を治してくれたお陰で一命を取り止めたけど、今度も同じ事が起きた時にあやめねーたんに頼る訳には行かない。そうえば、電池と言う不思議な魔道具をあやめねーたんはこの杖に入れてましたね。



「あぁ......困ったぞい」

「んぅ?」



 何だ? 交番の近くに居るのは......立派なお髭を生やしたお年寄りのおじいちゃんだ。何だか困ってそうですね。声を掛けて見よう。



「おじーたん、どうちたの?」

「お? あぁ......ちょっとスーパーへ買い物に行こうとしてたのだがね。少し道に迷ってしまったのじゃよ......ホモネコバリューと言うお店じゃな」

「ほもねこ......ばりゅー!?」

「もしかして、お嬢ちゃんも目的地は同じかのぉ? 良かったら儂を連れて行ってくれるかのぉ?」

「んみゅ! まかちてよ♪」

「おおぉ〜そかそか。お嬢ちゃんありがとな♪」



 立派な紳士として、困ってるお年寄りを見捨てる訳には行かない。それに目的地は僕も偶然同じ! おじいさんを無事にスーパーホモネコバリューまで護衛をして行こう。外は魔界だ......黒づくめの2人組やまだ見ぬ新手の変態不審者が出て来るかもしれないからね。



「ボクはえりゅ! よろしくなの!」

「儂の名は小野寺 じんと申す。エルちゃん宜しくなぁ♪」

「んみゅ! おててつなぐの!」

「おお♪ そうやのぉ〜迷子になると大変じゃからのぉ」



 おじいさんが迷子にならないように僕がしっかりと手を握って連れて行かなくちゃ。お年寄りには優しくするんだよ〜とお姉さん達にも教わったのだ。良い事をすれば周り巡って自分に帰って来るのだとかえでねーたんは言ってたのだ!



「エルちゃん、道の真ん中を歩くのは危ないからもう少し隅っこを歩くのじゃ」

「はいなの!」

「ほほ♪ エルちゃんは素直で良い子じゃな♪」

「えっへん! ボク、いいこなるの!」



 むむ!? あれは何だ!? 凄く美味しそうな匂いがするの! 食欲をそそる美味しそうなお肉の焼ける匂い!



「おじーたん、あれなぁに?」

「んん? あれはケバブと言うやつやのぉ」

「けばぶ?」

「食べるかい?」

「たべゆ!」



 そして、エルちゃんは目の前の食べ物に夢中になるのであった。








 ◆美玲のメイド・九条氷華くじょうひょうか視点






 ―――商店街アーケード下―――





煌坂きらさか、黒づくめの2人組はまだ見つからないんか?」

「はい、現在剛田達が追跡しているそうですが、道中に黒づくめの仲間と思われる者達に妨害され現在交戦中とのこと......ご報告に寄りますと【我が名は、姫島ブリュッセル・ローレライ! 世界の夜明けを待つ者だ!!】とか意味不明な事を発しながら、我々の前に立ち塞がっているそうです。他にも空中からの狙撃、謎のオネエ軍団と手練のウェンディングドレスを着たマッチョに構成員達が襲われ苦戦している模様です」

「はぁ......? 何やそれ......しかし、相手を少し舐めとったわ。逃げ足も早い上に伏兵を至る所で忍ばせて置くとはな。これは早いとこエルちゃんと合流して、エルちゃんの安全を確保しないとな。煌坂、【小野拳王会】と合流した後にエルちゃんの安全を確保してから一気に畳み掛けるぞ」

「ははっ! 兵隊を集めて参ります! では失礼致します!」



 ふ〜ん、あのボスの組がここまで苦戦するのは珍しいですね。ボスの部下の剛田と言う大男は別名【不死身の剛田】と呼ばれてる強者。相手は相当な手練と見て間違い無いのかしら?



「美玲、氷華、もうそろそろ付くで〜今は爺がエルちゃんの面倒を見てくれてるぜ」

「仁様が付いていれば、私の出番は無さそうですね」

「爺だけでは不安だ。爺もいくら武術の達人とは言えもう高齢だ。今回美玲や氷華の力が必要になるとあたいは思ってるぞ」

「ええ〜ホントですかぁ? 気付けば、お姉様が1人で敵を殲滅させてそうな気がしますよぉ〜軍隊と相手するよりもお姉様と敵対する方が怖いですぅ〜」

「同感です」

「お前ら......あたいを何だと思ってるんだ?」

「人類の最終兵器ぃ?」

「核爆弾」

「お前らな......」



 謎の幼い女の子の護衛......しかし、あのボスが直々に招集を掛ける程の事案。美玲お嬢様が呼ばれたと言う事は、恐らく相手は中華系マフィアか韓国系マフィアの可能性もあるか......


 はぁ、今日は久しぶりの休暇だと言うのに結局休日出勤かぁ。これ休日手当出るのかな? しかし、美玲お嬢様のメイドとして働くのは本当に大変です。給料はめちゃくちゃ良いのですが、1つ不満があるとすれば休みが本当に少ないのです! 労働基準法とは一体何なのでしょうか? 私の先月の残業時間100越えですよ? 



「ん? 氷華ちゃん〜どうしたの? そんな喉に魚の小骨が刺さったような顔して〜」

「いえ、何でもありません」





 ―――美玲お嬢様のせいやろがぁぁぁああああああああああああ!!!!! 休みくれぇぇぇぇえええええ(切実)!! オタ活させろぉぉおおおおお!!!!





 今日の休日は、録り溜めしてたアニメを消化したり、VTuberの西園寺モモネちゃんの配信のアーカイブを見てオタ活するつもりだったのに......そうえばモモネちゃんのお姉様の配信も更新されていたわね。そっちの方もチェックしとかなければ......あぁ! 忙しいわ! 何でこんな忙しい時に仕事が入るのですかぁ!!!!!!! 推しのオタ活する時間もろくに無いじゃないですか! いくら私でもそろそろ発狂してストレスで禿げてしまいます! 良し、この戦いが終わったら......私、3連休を所望するんだ! モモネちゃん成分を補給しなくちゃ色々と影響出ちゃう!



「今からエルちゃんに会う前に1つだけ注意がある。美玲、氷華......心の準備はしておけよ?」

「注意事項ですか? ボス、只の幼い女の子では?」

「あぁ......そうえば氷華には写真をまだ見せて無かったな。まあ良い......エルちゃんと会えば分かる」



 はて? どういう事? 只の幼女では無いの? まあ良いや......それよりも西園寺モモネちゃんと宇佐美めぐるちゃんの限定フィギアの抽選結果が今日だったわね。無事当たってると良いなぁ〜今回のフィギアはクオリティも高く、何とパンツの皺まで拘って作られたと言う逸品だそうだ。是非とも私のコレクションに加えたいですね。



 そして、再来月に控えてる【西園寺モモネ生誕祭ライブ】モモフェスの抽選結果も後で確認しなくちゃ行けないわ。モモフェスは何が何でも当選して見せるんだから! サイリウムも何本か買って、お手製の【モモネちゃん愛してる!】、【私を抱いて♡♡♡】と言う文字を入れたハート型の団扇も作らないといけないわね。あぁ〜もう! 早くお家に帰りたい......


 それに今回は何と言ってもモモネちゃんの中の人とイベント後に握手出来ると言う前代未聞の神イベント! 顔は仮面を被って隠すそうですが、リアル生のモモネちゃんと握手出来る何て超激レアSSRなのです! ヒャッハー!! モモネちゃんともし握手出来たら......私、死ねる自信しか無い! もう一生手を洗わないわ! 私の愛刀にサインして欲しいなぁ〜何なら色紙とシャツにもして欲しい♡ 



「ボス、美玲お嬢様。早く仕事を終わらせましょう(早く帰りたい)」

「おお〜流石は仕事に一切の手を抜かない冷静沈着の【氷剣姫】だな。期待しているぞ」

「YES、BOSS......(冷静沈着では無くて、ただのコミュ障ですが......)」



 てか、そんなに期待しないで欲しいものですよ。はぁ......あ、ちなみにモモフェスの応募方法は、第1条件として、モモネファンクラブに加入している事! まあ、これはファンならば当然の事♪ 私はモモネちゃんを好きになったその日にファンクラブに加入をして、今ではプレミアム会員なの♪ モモネちゃんにお金を渡す事は、別名【お布施】......私からしたら公共料金を払うに等しい。


 そして、モモネちゃんの最近発売したばかりのNEWシングル【 モモネの独り言♡⠀】のCDを一枚買うと抽選券が一枚付いて来るのだけど、私は何としても当選する為にボーナスの大半を注ぎ込んでCDを300枚以上は購入したのです♪ ですが、これで大丈夫と思うかもしれませんが、モモネちゃんの人気は凄まじくライブやイベントの倍率も異次元で魔界......チケットを入手するのも困難です。念には念を入れても手に入るか怪しいレベルなの!



「ほう、何か考え事か? 流石は美玲の頭脳であり右腕やな。まさに知将と言う称号を授けるに相応しい。ミステリアスで美しく気品に満ちた所作や顔付き............」

「............」



 ―――ん? 恥将? 美玲お嬢様の頭脳? やばい、ボスの話し全く聞いてなかったわ......何の話しだろ? まあいいか、取り敢えず敵対する奴等を切り刻めば済む話しです。



 それで私の最推しは西園寺モモネちゃんだけど、メスガキ系のめぐるちゃんやお姉さん系バブみVTuberの白上アリアさんも大好き♪ 後はお笑いを見る感覚で二宮マッマの配信を鮭とばをアテにストリングゼロを飲みながら見るのはもう最高! 今年のVTuber【キチガイグランプリ】もきっと二宮マッマで決まりね。あの方は8年連続一位と言うホンモノのキチガイであり救いようの無い変態よ!



「氷華ちゃん? お〜い」

「はっ......!? な、何で御座いますか? 美玲お嬢様?」

「氷華ちゃん......もしかしてぇ〜体調悪いのぉ? 大丈夫?」

「いえ、問題ありません」



 全然無問題モーマンタイじゃないょょょょょょよよぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 体調心配するくらいなら休ませろぉぉおお! せっかくの貴重な休日を犠牲にすれば、そら体調崩れてまうわ! こちとら何連勤してると思ってるんだ!? この頭お花畑我儘お嬢様!! バーカ! バーカ! ばーか!!!!!



「ふーん、まあ良いや〜氷華ちゃん、私喉渇いちゃったな♪ ここで待ってるからの飲み物買って来てよぉ」

「了解致しました。お飲み物はお任せで?」

「うん、氷華ちゃんに任せるよぉ!」



 良し、ボスにはオレンジジュースで美玲お嬢様にはおでん缶とおしるこですね。いっその事睡眠薬をこっそりと混ぜて美玲お嬢様に献上したろうかな。



「氷華ちゃん〜私お酒が良いなぁ♡ ジョルモンド・ビ・クローチェリ・エレキサンダーの1969年物が良いな〜♪」

「お嬢様、お酒はお控え下さいませ」



 そろそろ美玲お嬢様を精神科に連れて行く方が良いのかしら? それとも脳のお医者さんかな? 本当に美玲お嬢様の我儘っぷりも困ったものですよ......


 こないだ何て深夜3時に美玲お嬢様から鬼電が沢山来て、何事かと思って日本刀を片手にパジャマ姿のまま美玲お嬢様の御屋敷まで向かったら......【氷華ちゃん、心霊番組を見てから怖くて寝れないの......一緒に寝よ♡ 私の横空いてるから♡ 】とか言うクソしょうもない理由で呼び出しをくらいましたよ! 心霊とか怖いの苦手なら最初から見なければ良いのに! そこから朝まで一緒に寝る羽目になり、美玲お嬢様の寝相や手癖の悪さに私は朝まで寝る事が出来ずに、美玲お嬢様の抱き枕と化してましたからね! 翌日寝不足で出勤だったせいでめちゃくちゃしんどかったわ......



「おい美玲、もう少し部下には優しく......」

「うふふ♡私はいつも優しい上司ですよぉ? そうだよね? ?」

「はい、美玲お嬢様は上司たる鏡です(白目)」



 悲しみ......私の人生いつからこうなったのかな? まあ、心当たりがあり過ぎて最早、草超えて森。最初は【株式会社 お掃除本舗】と言う一見何の変哲もない会社の求人募集を見たのが始まりでした。


 月収50万、賞与あり、休みも週休二日制で正社員。年齢不問、資格、経験問わず、住所が無くても大歓迎! 美少女なら更に高待遇! 福利厚生も充実! 成果に応じて特別手当も支給!という感じで、掃除の現場仕事と書いてあったので即座に飛び付きました。




 ―――今思えば、その日が私の人生最後の日だったのかもしれないわね。




 私は剣術道場を営む父の娘だ。その上濃厚なオタクで引きこもり。世間一般で言うと黒歴史系腐女子かな。私の容姿は美人でモデルの母親似ともあり、学生の頃から異性に沢山持てました。異性からのラブレターや告白も数え切れない程に......


 そしてその反面、同級生の女子からは嫉妬や恨み等それはもう凄まじかったです。同級生の女子から凄惨なイジメを受けて、不登校になり引きこもる生活が暫く続き、自宅の部屋で首吊り自殺をしようと考えるくらいまでに精神が追い詰められた時期がありました。


 高校を中退して、生産性の無い毎日を薄暗い部屋で引きこもりながら4年くらい自堕落なNEET生活をしてました。


 だけど、そんな駄目で腐ってた私は、偶然見たとある配信で西園寺モモネちゃんと言う運命的な出会いを果たしたのです! モモネちゃんの声は、脳が蕩けてしまいそうになるくらい愛らしくて、庇護欲をそそられる国宝級の麻薬みたいに中毒性がある声にキャラも物凄く可愛くて、私の性癖が狂ったきっかけにはなりましたね。


 生配信でモモネちゃんに怒られたくて、最高額のスパチャを何度もお布施してました。もうあの蕩けてしまいそうなvoiceで、モモネちゃんに怒られるとか正直ご褒美でしかありません。私は女だけど、同性のモモネちゃんにガチで恋をしちゃったの♡ モモネちゃんになら、私は身も心も全て捧げても良いくらいに! 


 そして、私がVTuberのオタ活をし過ぎて(主にスパチャ)、パパの道場の資金を勝手に使い込んでしまい、挙げ句の果てには闇金融機関から300万円の借金までしてしまいグッズと共に家を追い出されて親子の縁を切られてしまいました......路頭に迷って、行くあても無く橋の下でホームレスを初めて経験して、ただひたすらに泣いてたのを今でも良く覚えています。これは完全に私の自業自得ですけどね......



「では美玲お嬢様、飲み物を買って参ります」

「ほいほ〜い♪ 頼むね〜」

「やれやれ......氷華も苦労が絶えないな」

「はい......じゃなかった。お気遣い有難うございます。BOSS」



 おっと......話しがだいぶ逸れて来ましたね。ごほんっ......そして、剣以外の取り柄の無い私に仕事等が到底出来る筈も無い。剣の才能だけは父や周りに認められて居たのですが、私はその他の事はからっきし駄目な女です。だけど、そんな私でも清掃くらいなら出来るだろうと甘い考えで応募した結果、今日に至る。



 美玲お嬢様にたまたま気に入られて、現場作業員から何故か秘書へと昇進。それからは地獄の様な命懸けの日々が続きました......そこからは悪運と言えば良いのでしょうか? たまたまと偶然が重なり階段を登る様に出世を果たしたのです。


 私が思ってた掃除と美玲お嬢様の掃除は天と地の差があるくらいに意味合いが違い、命懸けで美玲お嬢様の身を護る為に敵対勢力を掃除して行くうちに私も心身共に鍛えられ、いつしか死神、氷剣姫と恐れられる存在になりました。剣の才能だけは父からしっかりと受継いだ様です。



 美玲お嬢様もクレイジーなサイコパスですが、客観的に見たら私も相当やばいかもしれません。天狼会の内部抗争と跡目争いに巻き込まれて、海外マフィアと泥沼の死闘を繰り広げて生き残り数多くの敵を斬って来ました。


 もう私が望む普通の日常には戻れない......パパにも合わせる顔も無い。私の心や手はおぞましい程に汚れているのです。私が平常心を保って居られるのは、西園寺モモネちゃんを始めVTuberと言う存在のお陰と言っても過言ではありません。私のモモネちゃんに対する愛は、モモネ四天王と呼ばれる【おネエの重鎮】、【氷の女帝】、【バルボッサ神崎】、【確率の佐藤】にも負ける気はしません!


 前にとあるマフィアを美玲お嬢様と共に壊滅させた際にボスから特別手当が支給され、500万と言う大金を全て推し活やライブとグッズに使ってしまうくらいに感覚が少しずつ麻痺しています。



「あ、ちょうど良い所に自動販売機が......ん? あれは......」



 今走って行った黒づくめの人物とその他複数人。怪しい......追い掛けてる連中かもしれないわね。私の勘が何かを訴える様に問い掛けて来ている。自分のこの直感はいつも当たるのです。



 ―――氷華は彩芽に連絡を入れてから、黒づくめの2人組の後を追うのであった。


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