第129話 魔法少女★みくるちゃんVS細菌マン

 






 ◆雨宮紗夜視点






「もぐもぐ〜♪」

「エルちゃん、そんな急いでケーキ食べたら喉詰まらせちゃうで? ケーキは逃げないからゆっくり食べんと〜あ、お口周りクリーム付いちゃっとるやん」


 急遽エルちゃんの面倒を少しの間見る事になったのやけど、あたしこんなにお節介焼く様な性格だったんやな。エルちゃん見てると何だか危なっかしくてお世話したくなるんよね。


「おいちいよ!」

「そかそか〜良かったね♪」

「さよたん.......たべないの?」

「えっ、さよたん.......ぐふ♡」


 何、さよたんって! 可愛過ぎるやろ! あたしを殺す気か!? 舌っ足らずで喋る幼女とか需要高すぎぃ! 今のエルちゃんの声をスマホで録音してASMR作ったろうかな。はぁ〜お耳幸せ♡ エルちゃんをぺろぺろしたい。むぎゅっと優しく抱きしめてあげたいわ♡


「エルちゃん、お口周りにクリームべったりと付いてるよ? 紗夜お姉さんがぺろぺろ.......じゃなくて拭き拭きしてあげる♡」

「んん〜ボク、ふきふきできゆ!」

「エルちゃんお願い! 拭き拭きさせて!」

「ふぇ!?」


 はぅ♡ マジで癒されるわ♡ 今からでも遅く無い.......おかんに頼んで妹か弟が欲しいとマジでお願いしたろうかな。


「んん!」

「はい、綺麗なったで〜エルちゃんはホンマ可愛ええなぁ」

「ボク、かあいい?」

「うんうん♪ 超が付く程可愛いぞ〜葵お姉さんがお仕事の間は紗夜お姉さんと一緒に遊ぼーな♪」

「んみゅ!」


 可愛い女の子がボクと言うのも素晴らしい.......何か性癖がおかしくなりそうや。ボクっ娘で可愛い純粋なロリとか需要しか無いぞ。何か身体が熱い.......あたし今興奮してるのかな? エルちゃんは外に出したらやばい子や.......120パーセントくらいの確率で本当に誘拐されてしまう可能があるで。


「あかん、ニヤニヤが止まらへん.......ふふ♡」


 とりあえずあたしも頂いたケーキを食べよう♪ 美味しそうなイチゴの乗ったケーキやなぁ♡ スイーツは大好きやで!


「はう♡ 生クリームが甘過ぎずスッキリとした甘さで口当たりが素晴らしいわ♡」

「ふふ.......さよたん、かあいいね♡」


 エルちゃんの方が可愛いやろぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 


「エルちゃんたら〜そんなお世辞言うても紗夜お姉さんには通用せえへんで〜と言いたい所だけどお姉さんのケーキあげるわ♡」

「ふぇ? いいの!? さよたん、あいあと!」


 やばい胸がドキドキして来た。エルちゃんが可愛すぎていよいよ三途の川を渡りそうになっとる。あかん、あたしのSAN値がピンチや! 


 いや、待てよ? 別にあたしも女やしエルちゃんを抱いても合法的じゃね? 可愛い幼女ちゃんぺろぺろしても合法的だよね? 女の子同士なら別におかしくない? 何なら一緒にお風呂入ってもセーフやんけ!


「もぐもぐ♪」

「あらま、エルちゃん生クリームでお口べったりやで〜ほんましょうがない子やな♪」

「んん〜」

「拭き拭き〜♪」


 ケーキ食べるのも良いけど、ケーキをエルちゃんに食べさせてその様子を見る方が何だか幸せや♡ ケーキ食べたらエルちゃんと何して遊ぼか。幼い子と言えばおままごと? それとも絵本を読み聞かせてあげるかごっこ遊びとかやろか?






 ―――――――――






「ご馳走様でした」

「ごちそうさまなの!」

「良し、エルちゃん何して遊びたいかな?」

「んみゅ.......しゅぎょーするの!」

「ん? 修行?」

「んみゅ! ボクね! しょーらい、ぼーけんしゃなるの!」

「おお! 冒険者か! 何だか憧れる職業やな〜」

「だからボク、つよくなるの!」


 ほほう、冒険者かぁ。現実には冒険者と言う職業があるかどうかは分からないけど、夢があるのは良い事や♪ エルちゃんは大きくなったらどんな感じの子に育つのやろか。何だかエルちゃんの高校生になった姿も見てみたいな。


「良し、エルちゃんにお願いがあるんだ♪」

「んぅ?」

「あたしとお友達になってくれるかぁ?」

「んみゅ! さよたん、おともだちなの!」

「おおぉぉ〜エルちゃんありがとな♪」


 エルちゃんの純粋な笑顔が眩しすぎる!? やばい、あたし今.......自分の荒んだ心が浄化されとるわ。今なら羽を生やして天国に行けそうなくらいにあたしの心が綺麗になっとるかもしれへん。


「あ! しゅぎょーやめるの! みくるたんやるの!」

「おおぉ〜! じゃあ紗夜お姉さんと一緒に見よか♪」

「んみゅ!」


 紗夜はエルちゃんを抱っこしてソファに移動して腰を掛けテレビを付ける。エルちゃんは紗夜の膝の上に座って目をキラキラと輝かせながら魔法少女★みくるちゃんを見るのであった。


「はじまゆ!」

「お、今回のお話しは大悪党細菌マンが出るお話しなんだね。紗夜お姉さんな、このキャラ結構好きだぞ〜」

「しょうなの? んみゅ.......あれわるいやつなの!」

「そうだね〜でもねエルちゃん。細菌マンって普段は悪いやつだけど、実は根は良いキャラ何だよ♪」

「ふぇ? どうちて?」


 まあ普段から魔法少女★みくるちゃんを見ている訳では無いけど、あたしが細菌マンを好きな理由は.......誰よりも諦めないと言う心を持っていると言う事。魔法少女みくるちゃんに何度も挑んでは負け、また立ち上がってはみくるちゃんを倒すまで決して諦めないと言う不屈の心。


 そしてみくるちゃんが他の強大な敵と戦った際、ピンチに陥った際には、誰よりも早く助けに駆け付ける細菌マン。その時のセリフ今でも覚えてるわね。確か、【何負けそうになってんだよ.......みくる! お前はそんな程度でやられるたまでは無いだろ! 立ち上がれ! あんな奴に負けるな! 魔法少女みくる.......おまえを倒すのはこの俺様だあああああああ!!!】と言って敵陣に突っ込んで行くシーンは胸熱だったなぁ。


「エルちゃんにもいつか分かると思うよ♪ ヒントは諦めない不屈の心かな」

「んぅ? ふくちゅ?」

「よしよし、ほら始まるぞ〜」

「んみゅ!」





 ・魔法少女★みくるちゃん

 ――――――


【くっ.......またしても私の邪魔をすると言うのね。細菌マン!】

【ガッーハッハハ!! ここであったが100年目! 今日こそお前を倒してやる! 覚悟しろ! みくる!】

【ふざけんじゃないわよ! もうタイムカード切ったのよ!? 今日こそサービス残業しないと決めてたのに.......毎度毎度、毎日の様に悪党共が湧いて出て来るせいで私の残業時間は月100時間越えよ! いい加減にして! 給料も安いし人手不足で残業ばかり! ボーナスは不景気で雀の涙.......せめて定時で帰らせろ!】

【ふん、そんなの知るか! 喰らえ! 細菌パンチ!】

【こら! 細菌を撒き散らすのをやめなさい!⠀また緊急事態宣言が発令しちゃうでしょうが! それに今日は合コンなのよ! もう激おこプンプン丸よ! 秘技、みくる★インフィニットブラスト!】


 ――――――






 相変わらず凄まじい内容だな。そこがまた魔法少女★みくるちゃんの人気の秘訣なのやろか? 魔法少女業界も人手不足でどうやらブラックの様やな。


「おお! びーむでたの!」

「うふふ♡ エルちゃん暴れたら危ないぞ〜」

「ふわぁあああ! びーむかっこいい!」






 ・魔法少女★みくるちゃん

 ――――――


【いやお前の事情なんて知らんがな。それにお前も今年で27歳だろ? いつまで魔法少女やってんだよ.......そろそろ現実見ろよ】

【うるさいわね! まだピッチピッチの27歳よ! それに私だって好き好んで魔法少女やってる訳じゃないのよ! はぁ〜キレそ】

【やーいやーい! 行き遅れ魔法少女!】

【ぐすんっ.......う、うるさい! そんな事言って良いのかしら? 貴方の妹.......コカンちゃんに細菌マンが最近パチ屋に出入りしていた事を言おうかしら? 私は口が軽くて有名よ?】

【なっ!? お、おまえ何でそんな事を知ってるんだ!?】


 ――――――




 ええええええええええええええぇぇぇぇ.......!? みくるちゃん結構年齢上だったの!? みくるちゃん、見た目が童顔で可愛いからもっと年齢下だと思ってたわ。まさかのここでみくるちゃんの年齢が初公開だとは.......しかも、内容がカオスすぎるやろ! 突っ込み所も満載で最早突っ込む気力失せたわ!


「さよたん、ぱちやってなぁに?」

「エルちゃんは知らなくてもええ事やで〜パチ屋はな、それはそれは.......とっても怖〜い所何やで?」

「ふぇ!? お、おばけでゆの?」

「ふふ♡ お化けよりも怖〜いぞ? 私の父ちゃんはな。パチ屋に全財産貢いで人生崩壊したんだぞ♪」

「ふぇ.......? ふむふむ.......ぱちや、きらい!」

「うんうん♪ それでええんやで♪」





 ・魔法少女★みくるちゃん

 ――――――


【良いのかしら? コカンちゃんにパチンコ行ってる事バレたら家追い出されるそうね? まあ、私も鬼では無いわよ♪ 諭吉大先生一枚で手を打ちましょう】

【くっ.......何て汚い女だ! 可愛い顔しやがって中身はドス黒いな!】

【で? どうすんの? 私はまだまだ貴方の弱みを握ってるわよ?】

【クソ! 分かったよ! 払えば良いんだろ!⠀ほらよ!】

【まいどあり〜からの奥義! 残業の舞、参ノ型.......終電逃し!】

【ぐはっ.......意味不明すぎるわ! 何の変哲もない物理のパンチやんけ! しかも鳩尾狙うのやめれ!】

【うふふ♡ この世は焼肉定食よ!⠀弱者は細菌マンで強者は私! 勝者こそが正義だ! くらえええ!!!】

【それを言うなら弱肉強食だろぉぉおおおおおお!】

 ⠀

 ――――――




「あ! みくるたんのかちなの!」

「そ、そうやなぁ.......何や残業の舞って」






 ・魔法少女★みくるちゃん

 ――――――



【次回、黒炎竜ニート山田と不倫した真理子】



 ――――――





 黒炎竜ニート山田って誰や!? しかも、真理子不倫しとるやんけぇぇええええええ!!!!! これエルちゃんの教育上.......絶対良くないやつやんけ!



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