第127話 メロメロな雨宮紗夜
◆金髪女子高生・
「お嬢ちゃん、良かったらお姉さんとおてて繋がない? すぐそこだけど、万が一があると行けないからね」
「んみゅ! あ、しょうだったの......」
「ん? どうしたのお嬢ちゃん?」
何なのこの子!? もう全ての仕草が可愛すぎる! あたし、今まで自分の事を普通だと思ってたけど、何だかロリコンの毛があるのでは無いかと疑い始めてる自分がおる。あぁ......小さくて可愛いおててだな♪
「かえでねーたんに......へんたいふちんしゃに、ついていくのはメッって......」
「お、お嬢ちゃん......お姉さんは変態じゃありませんよ〜少しおグレてるけど、普通のJKだよ♪」
「んぅ? じぇ〜け?」
「JKは女子高生の事だよ♪ お嬢ちゃんも成長したら立派なJKになれるよ♪」
「じょちこうちぇ?」
そっか......なるほどな。こうして犯罪者が増えて行くんやな。今なら誘拐犯の気持ちが少し分かるような気がする。今思えば、私って......子供が大好きなのかもしれへんな。
「にゃ〜!」
「ん? どしたのかな〜仔猫ちゃん」
「にゃう! にゃおおお!」
何だか賢そうな雰囲気の猫ちゃんやね。お嬢ちゃんに付いて見守るその姿は、まるで過保護な保護者の様だ。
「タマちゃん、メッなの! このおねえしゃん、いいちとなの!」
「にゃ〜ん......」
「だって、じゅーしゅ......かってくれるもん!」
え、そこ? ジュース買ってあげるだけでこのお嬢ちゃんの心を掴めると言うの!? 何てチョロいんだ......お嬢ちゃん。
「じゅーちゅ♡ ふふ♡」
「............」
お嬢ちゃん、あたしのHPは最早ゼロだ! やめてくれぇ! 可愛いの過剰摂取で天に召されてしまう! まだ三途の川は流石に渡りたくないぞ!? やばい、何でこんなにも胸がドキドキするの!?
「んぅ? おねえしゃん?」
「いや、大丈夫だ。気にせんで♪」
「んみゅ! はやくいくの!」
「うん♡ もう、何でも買ってあげる♡」
噛み噛みな言葉で話す所も可愛い! この子めっち素直でピュアだわ! むしろここに1人でお店屋さんごっこしてる方が危ない。本当の変態不審者がこの子を誘拐してしまう可能性が十分あるわ。
この子を無事にお家まで連れて行ってあげないとこの子の親御さんが心配しちゃうだろうし......飲み物買ってあげたらこの子の家まで送って行こう。うん、そうしよう!
紗夜はニヤニヤしながら、エルちゃんと手を繋ぎ自販機の場所へと向かった。
「んぅ? どちたの?」
「いや、大丈夫......何でもないからね♪」
あへへ♡ じゅるり......やっべぇぞこれ、傍から見たらあたしが変態不審者だよね。も、もう......無理ぃ! 何でこんなにも庇護欲が刺激されるのよ! この子を連れ帰って、私の部屋に監禁したい......あたしがこの子のお世話を......あ、ダメ......それはダメよ! そんな事を考えたらあかん! てか、あたしこんなキャラじゃないやろ! 孤高の不良女子、雨宮紗夜なのだ! 一旦冷静になって落ち着くんや......ヒーヒーフー。てかこれ、赤ちゃん産まれる呼吸やろおお!!!
「はい、お嬢ちゃんお金入れたよ〜好きなボタン押してね♪」
「いっぱいあるの! おねえしゃん......だっこちて」
「おう♡ しょーがない子やなぁ♪」
ごめん、それを狙ってたんだ。お嬢ちゃんの身長は低いから下段にあるボタンすら背伸びしても届かないだろうと思ってたよ。こうすれば合法的にロリお嬢ちゃんを抱けるのだ! てか、お嬢ちゃん軽いな。くんくん......うへへ♡ しかもめちゃくちゃ良い匂いがする。ほんのりと甘くて、美しい大自然の中に居るような落ち着く香りだ。これが純度100パーセントの幼女の香りか♪
「これにしゅるの! あと、しゅわしゅわも!」
「あいよぉ〜コーンスープとコーラね♪」
「おねえしゃん、あいあと!」
「どういたしまして♪ ちゃんとお礼が言えるなんてお嬢ちゃんは良い子やなぁ♡」
やべ、涎出て来た。あたしの今の顔......きっと他の人には見せられない様な表情を浮かべてそう。何か口が思わずニヤついちまう。
「これをこうちて......あけるの!」
あ、お嬢ちゃん缶とかペットボトルの蓋開けれるのかな?
「ぐぬぬっ......!? あ、あかないの!」
「お嬢ちゃん、ちょっと貸してね〜」
紗夜は蓋を開けてからエルちゃんに優しく手渡した。その様子はまるで、お姉ちゃんが妹に接するかのような微笑ましい様子だった。
「おいちいの! つぶつぶはいってるの!」
「これはコーンスープて言うんだ。暖かくて美味しいだろ♪」
「こーんちゅーぷ! おねえしゃん、あいあと!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!」
「ふぇ......!?」
やべ、思わず発狂してもうたわ。こんな気持ちになったのは初めてだよ。てぇてぇ......本当にてぇてぇよ。あたしの荒んだ心が浄化されて行く。何であたしグレてるんだろ......今なら異世界で聖女になれそうなくらい心が綺麗かもしれん。
「そうえば、お嬢ちゃんは何て言う名前なのかな?」
「ボクはえるなの!」
「おおぉ〜エルちゃん言うんだ♪ 可愛い名前やね♪ あたしは雨宮紗夜言うんや♪ 気軽に紗夜お姉ちゃんと呼んでな〜♪」
おっと、あかん。思わず勢いでエルちゃんの頭撫でてもうたわ。しかし、綺麗な金髪の髪の毛やな。羨ましい......あたしの金髪よりも滑らかで潤いもある。これは相当高価なシャンプーを使って丁寧に洗っているに違い無いな。
「お嬢ちゃん、突然撫で撫でしてごめんな」
「むぅ......もっとなでるの!」
「えっ......良いの?」
ねぇ、本当にこの子家に持ち帰っては駄目かな? だって撫でるのやめたら、エルちゃんが私の腕を掴んで撫で撫でしてと要求してくるんだよ!? あたしの妹として迎え入れたいレベルだわ! あかん、興奮しすぎてあたしのお股......パンツが少々不味い事になっとる。
「なでなで♪」
「んにゅ......」
せやな、ここは誘拐して監禁したくなる欲望を頑張って抑えて、ちゃんとエルちゃんをおうちまで連れて行ってあげよう。
「お嬢ちゃん、お姉さんがおうちまで送ってあげるよ〜おうちは何処か分かるかな?」
「んみゅ! ここなの!」
「ん? えっ......この豪邸が? まじ?」
お嬢ちゃんが笑顔で指を差す方向を見てみると......何と例の大豪邸だったのだ。まさか、大金持ちのお嬢様だったとは......まさか箱入り娘か!?
「ああ!? やっと見つけた! 勝手にお外に出たらダメでしょ!」
「ふぁっ......!? あ、あおいねーたん!?」
「いつの間に鍵の開け方も覚えたのよ......もう。エルちゃんの様子見に行ったら、何処にも居なくて本当に心配したんだから! お姉ちゃん焦ったんだからね!」
お、おう......何かこの子のお姉さんが凄い迫力で家から出て来たな。やっぱりお外でお店屋さんごっこをしているのは、お嬢ちゃんの独断だったか。
そして、美幼女の次は爆乳美少女の登場。思わずお姉さんが走る度にたわわに実ったお胸が激しく揺れて、思わず視線がそこに吸い込まれてしまった。一体何カップあるんだろう......あたしの胸の何倍かあるやろなぁ。
「おはようございます。うちの妹が大変ご迷惑をお掛けしましたね。私は一ノ瀬 葵と申します。こちらは妹の愛瑠です♪」
「いえいえ! 私は女子高生の雨宮紗夜と申します。ほんま可愛い妹さんですね♪ お嬢ちゃんがお外でお店屋さんごっこをして遊んではったのですよ♪」
「え、お店屋さんごっこ? え、てか何でこんな所に焼肉のタレがあるの......あ! これは計算ドリルと平仮名の読み書きドリル......こっちはお勉強用具まで! しかも、ちゅーこひんって......エルちゃん、これはどう言う事かなぁ?」
「あわわ!? おねえしゃん、たちゅけて!」
あらあら、あたしの後ろに隠れちゃったな。プルプルと生まれたての小鹿の様に震えてエルちゃん可愛いな♡ 語彙力無さすぎて、さっきから可愛いとしか言ってない様な気がする。
「全くエルちゃんたら......雨宮さん、妹に飲み物を買って下さりありがとうございます。所で雨宮さんは甘い物とかお好きですか?」
「え、あ......はい。甘い物は大好物ですよ♪ それとあたしの事は紗夜と呼んで下さい♪」
「そうですか♪ 紗夜さん外は寒いので、もしお時間良かったら家に上がって行ってください♪」
「おお! 良いのですか!? 是非お願いします! 今日は学校の方は大丈夫なので!」
こんな機会は滅多に訪れないだろう。粗相の無いように気を付けなくちゃ。まさかこんな事になるとは夢にも思わなかったよ。
「エルちゃん、ブルーシートの上にある物お片付けするよ」
「はいなの!」
「あ、あたしも手伝います!」
「あら、紗夜さんすみませんね」
―――――――――
あれからお片付けをしてから、現在あたしは一ノ瀬家のリビングへとお邪魔している。池がある庭園を抜けて玄関へ入るとそこにも沢山の驚きがあった。お金持ちの家は色々と規格外やな......
「お邪魔しまぁ〜す......す、凄いセキュリティですね」
「うん、色々あったからね。それにうちのお姉ちゃんが妹に対して過保護なの......」
お金持ちの家に住むのも良い事ばかりでは無いと言う事なのかな。あかん、何か緊張して来た。しかも、無意識で居ると関西弁が出ちゃうかもしれへんな。あたしの出身は関西やからね。
「さあ、紗夜さん遠慮無く上がってください」
「こっちなの!」
「あ、エルちゃん!?」
エルちゃんに手を引かれながら向かった先は、かなり広い空間のリビングだった。あたしの部屋の何倍もの大きさや......こんな大きな家に一度でも良いから住んでみたい。見た目は孤高のヤンキー気取っとるけど、ほんまはお嬢様に憧れとるんや......恋愛小説で自分が公爵令嬢になるのを何度妄想したことやら。
「紗夜さん、今お茶とケーキお出ししますね♪」
「え!? 良いのですか! ありがとうございます!」
「けーき!? ボクもたべゆ!」
「うふふ......こちらで座ってお待ち下さい。エルちゃんも紗夜お姉さんと一緒に待っててね」
「はいなの!」
まさか、ケーキを食べれるとは......ケーキは大好物だけど、お値段お高めなのでそう滅多に食べれるものではあらへん。今日のあたしツイてるなぁ〜
「よいちょ......っと」
「ぐふっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
「んぅ?」
エルちゃんがあたしの膝の上に来たあああああああ!!! ジュースを買ってあげてからエルちゃんの好感度が凄い高い気がする。こんな可愛い子に懐かれるのは嬉しいの極みやで!
「なでなでちて!」
「ええで〜いくらでも撫でてあげるさかい♪」
「ふにゅ......」
お、エルちゃん本当に頭撫で撫でが好きなんやな。出会って間も無いのにここまで心を許すとはね。良し、もっと撫で撫でしてあげるぞー!
「おまたせ、紗夜さん凄いね。エルちゃんがこうも懐くとは......」
「いえいえ、そんな事無いですよ......あれ、そのケーキって!?」
「あぁ、【ラ・パーレ】の新作いちごショコラケーキだよ♪」
おお!? まじか、あの地元で有名な高級スイーツ店【ラ・パーレ】。1つ1000円はするようなお高いケーキやで!? ジュースの対価としては、ちと釣り合わないんじゃないか!?
「こんなお高いケーキ良いのですか!?」
「うふふ♡ まだあるので好きなだけ食べて下さいね。紗夜さんのお陰でエルちゃんが行方不明にならずに済みましたからね......本当に焦りましたから」
「けーき♡ おいちそう!」
「エルちゃんのケーキはこっちね」
あらま、ケーキを前にするとエルちゃんは飢えた獣のように目をキラキラとギラつかせとる。やっぱり女の子は甘い物に弱いよなぁ〜あたしも含めて。
「おいちいの!」
「こらこら、エルちゃん透明なフィルムに付いた生クリームをぺろぺろするのはみっともないからやめなさい」
「ふぇ......でも、あおいねーたん。もったいないオバケでちゃうの」
え、勿体無いオバケ? エルちゃん本当にピュアだな♡ 葵さんに関しては最早ニヤニヤしとるし!
「エルちゃん、あたしが生クリーム取ってあげるさかい。貸してみ」
「んみゅ!」
「あ、エルちゃんお口周りにクリーム付いとるよ? 葵さん、お口拭くものあります?」
「あ、これ使って下さい。あの......紗夜さんに大変心苦しいのですが、少しお願いがありまして」
お、お願い? 何かあたしに頼むことがあるのかな?
「私今からリモートで打ち合わせなのですよ。お時間良ければ、少しエルちゃんの面倒を見ていて貰えませんか?」
「是非ともお願い致します!」
「まさかの即答!?」
むしろお金払ってでも良いから、エルちゃんと戯れたい。今日は何て素晴らしい日なんや......今日のあたしはついとるわ♡
「出会って間も無いかもしれませんが、よろしくお願いします。紗夜さんなら信頼出来ると思ったので♪」
「葵さん、お任せくださいませ!」
「あ、これお駄賃です。お小遣いの足しにしてください」
「ふぁっ......!? 嘘......流石にこんな大金は!?」
おいおい、いきなり諭吉大先生が1枚出て来たぞ!? あたしの月の小遣い2ヶ月分。ごくりっ......高校生からしたら大金やで!? ケーキまでご馳走になっとると言うのに......エルちゃんの面倒を見れる上にお金まで貰えるのはヤバすぎるわ!
「ほんの気持ちです♪ では宜しくお願いしますね♪ また何かあれば私の部屋までお願いします」
「ありがとうございます!」
紗夜は後ろ髪を引かれる様な思いで、エルちゃんの面倒を見る事となったのである。
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