第78話 純粋なロリエルフ
◆
「お姉ちゃん、ちゃんと安静にしてないと駄目だよ?」
「うん、安静にしてるよ~葵ちゃん、それより、ほら見てよ! エルちゃんのこの可愛い寝顔♡」
「天使だね♪」
私が家に帰って来たらソファの上で、お姉ちゃんとエルちゃんが抱き合いながら横になっていました。エルちゃんの方は、今ではスヤスヤと気持ち良さそうにお寝んねしています。舌っ足らずで喋れるようになってから、エルちゃんはまた一段と可愛くなりましたね♪ それとエルちゃんは天然です。とんでもない行動をする時があるので、見てるだけで私の腹筋が鍛えられそうな気がする程に最近笑ってます。
「葵ちゃん、さっき通販でサンタのコスプレ衣装3人分買っておいたからね♪ 後はこれと.......あ、これも!」
「え、お姉ちゃん買いすぎじゃない? しかもこれって.......」
お姉ちゃんが最高の笑顔で、私にスマホの画面を見せて来たのですが、1つ解せない物が混じっています。サンタのコスプレ衣装がめちゃくちゃ際どいのです!
「お姉ちゃん! 私はこんな露出度が高い衣装は来たくないよ! しかも、お値段3万8千円って.......」
「うちの妹達には可愛い物を来て欲しいのよ♪ 金額は気にしなくて大丈夫!」
「却下! もし買うなら、もう少し安くてまともな物を買って! 流石にこれ着るのは恥ずかしいよ」
「ええ~私は良いと思うのだけどなぁ.......私は純粋に葵ちゃんの恥じらう姿が見たいだけなのに.......」
「..............」
全く.......お姉ちゃんは本当にブレませんね。私のサンタのコスプレ衣装姿何て、見ても何も面白くも無いのに.......誰得でしょうか?
「後はクリスマスツリーも立派な物を.......」
「去年使った物が残ってるでしょ? このペースでお金使ってたら、本当にいつか破産しちゃうよ? エルちゃんの為にお金を使うのは良いけど、お姉ちゃんも自分の為にもっとお金使わないと駄目だよ? 服も去年の物ばかりだし.......そろそろ新しいのも買って色々と新調しないと駄目だよ! せっかく美人なのにお洒落しないのは勿体無いよ!」
「分かった、分かったから葵ちゃん落ち着こう? ね?」
今度の休みにお姉ちゃんを連れて、少し早いけどクリスマスプレゼントで全身コーデをしてあげよう。エルちゃんの分と自分の分も買っちゃおう。
「よし決めた! 今度の休みに服買いに行こう! あ、お姉ちゃんの下着やブラもついでに新調しよう。お姉ちゃん最近窮屈そうにしてるから、特注でいくつか注文しよう!」
「う、うん.......今日は葵ちゃんの圧が強い!?」
お姉ちゃんに似合う服はどんな物が良いかな?
「んんっ.......んぅ?」
「あらあら、エルちゃん起きしちゃったの?」
「ふにゅ.......あおいねーたん、おかえりなちゃい.......」
「エルちゃんただいま♪ あ、シュークリーム買って来たけど食べる?」
「むむ!? たべゆ!」
眠そうにしてたのにシュークリームと聞いた瞬間、エルちゃんは身体を起こしてから、何と私に抱き着いて来たのです♡
「あおいねーたん! あいあと!」
「はぅ.......♡ エルちゃん♡ 大好きだよ♡ 好き好き好き好き好き好きだぁーい好き♡ むぎゅー♡」
「あぁ! ずるいよ葵ちゃん! 私も混ぜてよ!」
「お姉ちゃんは安静にしてなさい!」
「え~ん。しくしく.......」
そうだ、今日は楓お姉ちゃんに少し意地悪しちゃおうかな。いつもお姉ちゃんに意地悪される事が多々あるから、これはお返しです。お姉ちゃんの目の前で、沢山エルちゃんとイチャイチャしよう。
「エルちゃん、私の唇にチューしてくれたらシュークリーム2つあげるよ♪」
「ふぇ? ふたちゅ.......ごくりっ.......」
エルちゃんは頬っぺたにはチューしてくれるのですが、何故か私の唇にはしてくれません。楓お姉ちゃんにはするのに私だけしてくれないのは、ちょっと不公平です!
「で、でもしょれは.......ごにょごにょ.......」
「あれれ? 恥ずかしいの?」
「ボ、ボクはちんちとして、しょういうのは.......」
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!! 何もう! 可愛い♡ しかも紳士と言う言葉を何処で覚えたと言うの? 何かのテレビ番組に影響されたのかな? それにしても、舌っ足らずで、顔を赤らめながら喋るエルちゃんはチート過ぎる! 胸が苦しいよぉ.......でも冷静にならないと行けないね。一ノ瀬家の次女の私がしっかりしないと我が家は終わってしまう。楓お姉ちゃんは、エルちゃんの前だと本当に残念な姉となりますので.......
「エルちゃん、紳士という言葉は、男性の方が使う言葉なの。エルちゃんは可愛い女の子何だから、紳士とは言わないよ♪」
「ふぇ?」
「女の子同士、ましては姉妹何だから大丈夫だよ♪ だから私の唇にチューして♡」
さて、楓お姉ちゃんの反応は.......
「ぐふっ.......♡」
「お、お姉ちゃん!?」
「一瞬、天国のお母様が、こちらを見ながら微笑んで居たのが見えたわ.......」
「お姉ちゃん! 三途の川は渡ったら駄目だよ!? しっかりして!」
目が完全に逝っています。楓お姉ちゃんが冗談抜きで、本当に残念系美女になりつつあるような気がします。外で見せるのは流石に不味い姿です。
「エルちゃん! 葵ちゃん! だぁーい好きだよおおお!! はひっ.......!?」
「かえでねーたん!?」
「ほら言わんこっちゃない! 今日は動くの禁止!」
楓お姉ちゃんが私とエルちゃんに抱きつこうとした反動で、腰が再び悪化したみたいです。まさか、腰を痛めながらも私達に抱きつこうとするとは.......恐るべしお姉ちゃんです。
「うふふっ.......♡」
「かえでねーたん、うごいたら、メッなの! うごいたら、ボクおこりゅからね!」
「ええ!? じゃあ動いてみようかな♪ エルちゃんに怒られてみたい♡」
「ふぇ!? あおいねーたん! かえでねーたんが、おかちいよ!」
「エルちゃん、大丈夫だから。楓お姉ちゃんがおかしいのはいつもの事。むしろまともな事言う方が心配だよ」
私はお姉ちゃんを再びソファの上に寝かせました。後はエルちゃんに任せて、私はご飯の支度でもしようかな。
◆
「もう! かえでねーたん! おとなしくちてて!」
「はいはい♪ 大人しくしてますよぉ~あ、そうだ! お姉ちゃんがご飯出来るまでの間に、クリスマスの事教えてあげるよ♪ だから、お姉ちゃんの横においで♡」
「んみゅ!」
私がソファの上で腕枕してあげようと手を出したら、エルちゃんは喜んで私の横にやって来て寝転がりました。お耳もピクピクとさせて、昇天してしまいそうなほどに可愛いです♡
「エルちゃん、クリスマスの日はチキンやケーキと言ったご馳走を大切な人と一緒に食べて過ごすんだよ♪」
「じゅるり.......」
「あらあら、食いしん坊さんでちゅね~エルちゃん♡」
エルちゃんは花より団子ですね。
「そして、白いお髭を生やしたおじさんが自宅に侵入して、枕元や靴下の中にプレゼントを置いて去っていくの♪」
「おじたん?」
「うんうん♪ 良い子には素敵なプレゼントが貰えるんだよ♪ エルちゃんは何か欲しい物は無いの? あ、私じゃなくて物だよ♪」
「んみゅ.......」
恐らく【魔法少女★みくるちゃん】のおもちゃか、最近エルちゃんがハマって見てる、特撮ヒーロー番組の【ヘンタイジャー】のおもちゃかもしれませんね。
「かえでねーたん、まってて!」
「エルちゃん? どこ行くの?」
「えほん、もってくゆの!」
そう言うとエルちゃんはリビングから出て行ってしまいました。
―――数分後―――
「かえでねーたん! これ! ボクこれがほちい!」
「ん? どれどれ?」
エルちゃんが持って来た本は、絵本では無く何やらおもちゃのカタログですね。エルちゃんが指を差しながら興奮しています。ヘンタイジャーのヘンタイレッドが使用する、ロングソード.......名は、【スサノオ】。てか、タイトルダサいのに剣だけ名前かっこいいの面白いわね。しかも、見た目もかなりかっこいい剣です。
「ボクね! ちょうらい、ぼーけんしゃになりゅの!」
「んん? え? 冒険者?」
「んみゅ! わるいやちゅをたくちゃん.......やっちゅけて.......あぅ.......」
「あらまぁ♡」
エルちゃんはどうやら長文を喋るのが苦手の様ですね。通販でAED(自動体外式除細動器)の購入も視野に入れておきましょう。このままでは、冗談抜きで葵ちゃんや私がエルちゃんの可愛さにやられて、心肺停止に陥る状況が出てくる可能性があります。舌っ足らずで喋るエルちゃんが可愛い過ぎて、もう私の欲望を抑えるのもいつも大変なのです!
「うふふ♡ このスサノオ? と言う剣のおもちゃが欲しいのね♪ 良い子にしてる子は、きっとサンタさんが願いを叶えてくれるよぉ♪」
「おお! ボクよいこにしゅるね! おてちゅだい、たくしゃんしゅるもん!」
「あらあら♪ よしよし♡」
クリスマスの日は、楓サンタと葵サンタがエルちゃんの枕元にプレゼントを置いてあげる予定です♪ 純粋なエルちゃんは、本当に白いお髭の生えたおじさんが来ると思って居るのでしょうね♪
「ボクもおかいものとか、いろいろがんばりゅお!」
「え? 買い物.......おつかい?」
「んみゅ! ボクもおかねのおべんきょうしてるもん!」
「エルちゃんはまだ小さいから駄目だよ? 大きくなってからじゃないと1人で出掛けるのは駄目です!」
「ふぇ?」
エルちゃんが1人で出掛けて、誘拐されたり交通事故に合ったり、変態不審者さんに絡まれたりでもしたら一大事です! お金の勉強は教えては居ますが、私から見たらエルちゃんはまだまだです。もし1人で出掛けるとしたら、最低限エルちゃんの服や靴にGPSを仕込んで、後ろから私が尾行する等しないと心配です。いや、これでも足りませんね。私の大切な妹に何かあったらと思うと.......結論、外に出すのはまだ早いです!
「かえでねーたん?」
「エルちゃん、お外には危険が沢山あるの。お姉ちゃんはエルちゃんの事が心配なの。だから、お家で出来るお手伝いだけにして欲しいな♪ エルちゃんはお利口さんだから、分かってくれるよね?」
「んみゅ! 分かったの!」
「うふふ♡ じゃあお姉ちゃんとピッタンコするよ~寂しがりな甘えん坊さんは何処にいるかなぁ?」
「かえでねーたん、なでなでちて!」
「はいはい♪ 本当にしょうがない子でちゅね~♡ ついでにお姉ちゃんがチュッチュしてあげる♡」
くんくん♪ ぷはぁ.......良い匂い♡ エルちゃんと同じシャンプーを使ってる筈なのに、何でこんなにも良い匂いがするのでしょうか? エルちゃんのモチモチすべすべの肌に触れるのも大好きです♡
「かえでねーたん! ボクもくりしゅますに、ぷれぜんとしゅるね!」
「ん? 何かくれるの?」
「んみゅ! あおいねーたんとかえでねーたんには、いちゅもおせわに.......なってりゅもん!」
「おお~♪ 楽しみにしてるね♡」
前にもエルちゃんにプレゼントを貰った事があります。私や葵ちゃんの似顔絵だったり、うめぇ棒にリボンが付いたものを貰った事がありますね♡ 私と葵ちゃんは、自室にエルちゃんの書いた似顔絵を額縁に今でも大切に飾って保管しております♪
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