綺羅星

白椋 瑆

月と星

「僕がずっとそばにいますから。」

小さな星は泣きそうな月に寄り添うようにきらめいていた。



月はひとつの星をつくった。

幼い星は月の名を呼びながら月の後をついてまわった。

そんな幼い星を見た月は嬉しくなった。

月は自分がつくった世界を幼い星に見せてまわった。


バラキセキの花畑、ラピスラズリの夜、薄暮の丘…。

幼い星は月の海が気に入ったようできらきらと輝いていた。

月はまた嬉しくなった。


月は自分がつくった世界で一緒に暮らさないかと、幼い星に問いました。

幼い星は喜んで答えました。僕を連れていってくださいと。

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綺羅星 白椋 瑆 @Ecrin_violet

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