第2話
ジョウ達は、軍本部へ着いた。
「やぁ、良く来てくれたねぇ、キミ達の噂は兼々聞かせて貰っているよ」
軍上層部の人間が、嬉しそうに、出迎えてくれていた。なかなか、凄いじゃないか、流れ弾ジョウ!!
ジョウ達は、コンピュータルームへと、連れてこられていた。
「我軍が誇る、軍事用コンピュータシステム」
「アブストラゼネガ社製
依頼者は事のほか、コンピューターの自慢をしている。
「未だに、
「しーーっ」
パートナーAの言葉に、慌てて口をふさぐジョウだった。
「これから、
「なんせ、人手不足でね...」
「使用するM/Tユニットは50機、
「総制限時間は10分、メッセージ表示後10秒以内にM/Tをつけないと、」
「
「我々は、
おいおい、おっさん、IPLにそんなにテープ使うか?/著者談
「もしかして、これを10分でつけるのか?」
M/T庫にズラっと並んだテープを見て、ジョウが叫んだ。
「そうだ」
「冗談だろ、400本って」
「
ジョウは、ブツブツと文句を言っていた。
「DVDは500本なのよね」
パートナーAがこっそりと、我々に教えてくれた。
そう言っている間にも依頼者はハリキって準備に勤しんでいた。
「準備はいいかね、始めるぞ」
「ああ、OKだ.......くそっ、ホントにやらす気か?」
「メッセージの通り、付ければいいんだな」
ピッ、ピッ、
ディスブレイに、文字と数字が表示された。
JHP135 TO 47B
JRN180 TO 27C
「JHP135のテープを、47Bの装置へ、」
「JRN180のテープを、27Cの装置へ、」
「急げ!! 10秒以内だぞ!!」
ジョウとパートナーAは、M/T庫に向かって、走り出した。
「えーと、えーと、あっ、あった!」
パートナーAが、テープを見付けて、取ろうとした時、手が滑ってしまった。彼女?の使っているハンドクリームは滑りやすいのであろう。そして、テープは下に落ちてしまう。
「うわーーーーーーーーーーん!」
その声を聞きつけて、皆が集まってきた。
落としたショックで、テープのカートリッジリングを割ってしまっていた。
「ごめんなさい...」
「まぁまぁ、気にしないで まだ使えるから」
軍上層部も大したことはない、パートナーAを女と思い込み優しくする依頼者達であった。
「ごめんなさぁーい、俺も壊しちゃったぁ」
ジョウがリールの潰れたテープをもっていた。しかし、男であるジョウだ、即刻、頭にお星さまが綺麗に輝いたのはいうまでもない。
そうこうしている内に、IPLがダウンしてしまい、しかたなく…何が仕方ないのか分からんが、再IPLとなったのであった。
「うおーーーーーーーっ」
もう2人は、半ばヤケでやっていた。
それにしても、凄まじい労働である。
ガチャン! ガコン!
「JJ001、11C。JXX108、474。JR101、48E」
「JV355、475。JHI002、301。JR222、48D...」
M/Tを付ける音と、テープ名を読み上げる声が、延々と続く。
*-------------------------------------------------------------*
「はぁ、はぁ、はぁ、お、おわったぁ~~」
ジョウは床に座り込んでいた。
「この分も、依頼料もらわないとね」
さすがは、パートナー金のことはシッカリしている。ジョウのいい女房になるに違いない。
ぴくっぴくっ、ジョウの耳が反応していた。
=====================================================
解説 『し、しかし、本当に全部付けたのだろうか? 信じられない連中である!!』
解説 『ハッキリ言ってバカではなかろうか?』
ジョウ『なんだって?』
解説 『いっ、いや、ただ,単にほめていただけである、後は3話で会おう。』
=====================================================
- 第3話へ続く -
(注1)
Initial Program Loader または Initial Program Load。初期動作させるためにコンピュータにプログラムを読み込ませること。
(注2)
magnetic tape(磁気テープ)のことコンピュータのデータや音声の記録に使用する。鉄道の切符も磁気テープの1つだ。
(注3)
ABnormal End 異常終了 正常終了( Normal End) の反対語
(注4)(注5)
VCR(VideoCassetteRecorder)家庭用ホームビデオの規格。
昔はビデオカセットと言えば、松下、ビクター陣営が採用した大きいカセット方式(VHS方式)とSONY陣営が採用した小さいテープ方式(ベータ方式)と存在した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます