2話 少年達
――ほぼ同時刻
『リオ、もうすぐカウントだ。準備は出来てるだろうな? どうぞ』
『たりめぇだ! いつでもシェルターに転がり込めるぜー! どうぞ! えー、ガウリ!』
『えっ、私にふるの? こっちは、大丈夫だよ。それよりリオこそ……どうぞ』
『はぁ? オレはいつもどーりだろうが! どうぞ!』
『リオ、今だからいうけどな……お前、自分が不安な時必要以上に明るいだろ』
『『『…………』』』
『えー…………このなみなみたっぷたぷの衝撃吸収ジェルは、お前っ、シュヴァルツッ! お前とジジイの合作だろ? どうぞ』
『先生って言え。……どうぞ』
『このくそ暑い熱防護服は、ガウリが見つけた繊維だ』
『うん』
『そんで……この超超超硬質合金はオレが見つけた……何か心配することがある
か?』
『リオ』『リオが』
『オレかっ! ……ふっ、はははは』
『……ふふ』
『……まったく。僕達だけじゃないんだ、全員不安はある。けど、あの人たちが失敗すると思うか?』
『いいや。とっつぁん達がしくじるなんてこたぁありえねえな』
『最高の状態で届くはずだ』
『ああ』
『やるしかないってことだよ、リオ』
『わーってるよ! 何度も『坊主ども!』うるせえっ!』
『うるさいのはお前だ! ……トニーさん、こちらシュヴァルツです。いよいよですか』
『ああ、カウントだ。あー……あー! この際だから俺も言わしてもらうぞ! お前らみたいな餓鬼どもが、ゴルドの爺の無茶に付き合うのは間ぁ違ってるっ!』
『『…………』』
『……自分の方がジジイより爺じゃねえか』
『その減らず口、ライオンキッドだな! 百獣の王だって、ビビッて穴倉に隠れる事だってあるだろうに! それさえやらないお前らは馬鹿だ!』
『オペレーターがいなくなったら中止だと思うんだけど、どうしてそうしないのかなぁ?』
『んがっ! ~~~~~~~~~~ん!? ああっ! カウントッ、六十!』
『ナイスだぜ、ガウリ』『五十!』
『二人とも仲良いよね』『四十!』
『こんな時まで……』『三十! あ~~~っ! 結局俺が言いたいのはっ! ……二十!お前ら、俺より先に死んでみろ……十! あの世でぶっ殺してやるぞ畜生! ゼロだ!』
『……へっ』『素直じゃないなぁ』『成功させるさ……!』
『――――――――――――――――誤差許容範囲内っ! やれぇっ!』
『よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! いくぜ二人とも! 一世一代だ!』
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