土少年D
「お前さんの作る武具は天下一だな!」
親父に言われた時はすっげー嬉しかった
「こいつは凄いな、お前さんがやったのか?」
村のみんなが褒めてくれた時は、ちょっと照れくさかった
「へぇ、こいつが……いい腕だ」
村の外からやってきた人間に認められた時は、ワクワクした
土人、ドワーフなら武器の出来が将来を左右するなんて言ってた
だから俺は認められて、嬉しかった
「じゃあこいつを使って?」
「あぁ、他の組の連中を相当できるぜ」
夜中に村長が村の外の人間と話してた
声をかけようとして、止まった
「あのガキは流石ですね。精巧な模様だけじゃなく、威力もそれなりに出る」
「戦争道具には申し分ないじゃろ」
「王宮に賄賂としても使えますね」
「次は何作らせます?」
「鉄翼の火器を」
「村総出ですな、腕がなりますぞ」
「投下する爆弾の扱いだけには気をつけろよ」
「任せてくだされ、報酬の前払いは?」
「ここに」
なんで、そんな、話してるんだよ?
村長が、そんなこと言うわけないだろ?
「確かに、あのガキは好きで作っておるからの……扱いやすくて助かるわい」
「くれぐれも頼むぞ」
━━━━━
”村が謎の爆発を起こしてから幾年が経ちました”
”首謀者は1人の土少年”
”いまだ掴まっておらず、現在は魔都にいる可能性あり”
新聞の見出しは、当時の土人少年Dの顔写真を映し出していた
「ハッ、間抜けどもめ」
昔の写真なんざ晒したところで、今のワシを捕まえれると思わんことだ
禿げた頭、顎のフサフサと白ひげを撫でると笑顔が止まらなくなる
足音が聞こえた
2人組だ。丁度いい
若い声で、2人とも男のものだろう
「こんちゃーす、武器があるって聞いたんですけど」
「あるが、材料が必要でな」
「へぇ、何が必要ですかい?」
「ふむ、お前さんだな」
50口径リボルバーを取り出すと、一人の男を殺した
「ヒ、ヒィィイイイイ!?」
「材料が出来た、あぁ逃がさんぞ。逃げたらお前さんも武器にしてやる」
しかし、今日来た2人は武器になった
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