6日目:イビキ

2021年9月22日:父



父はいびきが凄い。先日、深夜の放屁についても吐露させてもらったが、いびきについても議論の余地がある。

まさに、放屁といびき、どちらが私の睡眠について悪影響を強く及ぼしているのか。


結論、わずかにいびきに軍配が上がるかもしれない。なぜなら、父がいびきもしてもしなくても、私は眠れないからである。


昨晩、上記の説明についてとても分かりやすい出来事が起こった。


父のいびきが突如停止したのである。


ライオンの唸りよりも、高架下よりも煩いいびきを聞くこと90分、突如、父は静かになった。


ここで皆さんは何を思うだろうか?


そう、正解である。十中八九この現象に


「息してる?」


と思うに違いない。私も例に漏れず、眠たい体を起こして父の口元に手をかざしたのだ。


「あれ、息してなくね?」


そう思ったのも束の間、ダム決壊の如く父は


ーーぷうううううッ


と息を吐いた。その後、落ち着いた呼吸からまた煩いいびきへと戻っていった。


常時うるさいが、静かになったらなったで生存確認しないと落ち着けない。そんな夜が今も続いている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る