4日目:マフィン

2021年9月20日


 母は言葉の選択が独特な時がある。厳密には、新しい言葉を覚えると正誤にかかわらず使い続けるのだ。


 例えば、


 どんなにテレビで「パラリンピック」と言おうと、母の中では「パラオリンピック」なのだ。間違ってはいないと思うが、あまり聞かない言い方なのは間違いない。


 そして、「マフィン」。


 語彙自体は問題ないが、「マ↓フィン↑」なのだ。

 

 気になる。申し訳ないが、私は「マフィン」を「サイン」と同じイントネーションで発音してきた。

 今一生懸命に、母のいう「マフィン」と同じイントネーションの単語を探しているが、思いつかない。

 それくらい発音すらも独特だったというのだろうか。

 

 母よ、あなたは誰にその「マフィン」を聞いたんだい。

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