3日目:寝不足の元凶その2
2021年9月19日:弟
弟は、よく眠る。
休みの日に放っておくと、食事以外ずっと寝ていることもあるくらいだ。
それが原因なのかはわからないが、弟は夜な夜な五月蝿くなる。
決して起きているわけではない。寝ながら誰かと喋っているのだ。だからと言ってホラーでもない。なぜなら喋り相手が夢の中の私だからだ。
薄いドアの向こうから聞こえる会話の内容はこうだ。
「姉ちゃん、ご飯まだ? 大盛りで、そう、こっち来ないで!!」
意味がわからない。夢の中の私は弟に何をしでかしているのだろうか。
ただ現実でも大盛り一択の彼が、夢でも食欲旺盛なのは夢でも感心である。
そしてこれは、だんだんこれがヒートアップしていく。
「こっち来ないでええ!! あんぱんあげるからああいやあああああ」
夢の中の私よ、あんぱんは嫌いかい?
そうやっていつも奇声をあげるに至っている弟は、起きると何も覚えていない。
気持ちよさそうに起きて、リビングにて食べ物探しの旅を始める。
私はいつも弟の夢物語が気になりすぎて、厳密には夢に出てくる私の挙動が心配で眠れない。だからいつも寝不足だ。
父と弟に挟まれて、私は睡眠時間を確保できずにいる。
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