第114話 - 一撃
(数名の死体を捕らえ損ねた……!)
仁は
「〝
JOKERは再び"
「バネは幾つでも発動できるし、1つの対象物に対して幾つでも繋げられる。さらに……」
いくつかの死体が突如として方向転換する。
「僕のサイクスに対して使用するバネ、バネの伸縮タイミング、バネ定数をフルオートで変化するように命令する。それによってランダムに死体は飛ばされる」
「素晴らしいハーモニーだろう?」
(イカンな……。この歳で闘いに心が踊っとる)
––––バチンッ
突如、
(硬いな)
「あの女の超能力、死体への移動は条件なく自由にできるようじゃな。一度に出現させられるサイクスの囲いは3つといったところか」
仁の言葉に対して
「ククク。たまたま3つ発動させただけかもよ?」
「それならこちらもあなたの
「気体……、いや
「切り取るだけならまだしもこういう風に硬さもあるんだよねぇ……。かと思えば先ほどのあなたが僕に対して放った技はナイフを弾かなかった」
*****
〝
仁は両手で空気を鮫型に切り取り、サイクスを込めて
「!?」
仁が飛ばした〝
第110話 - 東京都第10地区 参照
*****
「あなたは操作した流体を任意で固体化することが可能なんだろう? まだまだ気になることはあるけどね」
––––〝
仁はそれに返答することなく空気を剣の形に切り取り固体化、
「冷たいなぁ……。僕はお喋りするのが大好きなんだけど」
「僕に近付いて大丈夫かい?」
「僕たち仲良しだから
––––サクッ
「!?」
仁と鈴村の背後からそれぞれ黒いサイクスの渦が発生し、その中から
(奴の右腕は……!?)
「〝
鈴村は自分に刺さったナイフと仁に刺さったナイフに対して同時に〝
「ぐッッ……」
柳は鈴村の様子を見て〝
「柳! お前は一撃に集中しろ! 時間がない……!!」
柳はその必死の形相に反論する余地はないと悟り、進めかけた歩を止め、
(そう……! 大きなダメージ2つ分のパワー。これを使えるのはあと45秒ほど。私は当初の通りあの
柳の視界の端に捉えたのは鈴村の笑み。それを見て感じ取る。
(いや私はこの一撃に集中する……! 方法は鈴村くんと仁先生が何とかしてくれるわ!!)
柳は思考を止める。
––––キイイイィィィィ……
柳は動きを止めて右拳に膨大なサイクスを溜め込み、必殺の一撃に備える。
仁は鈴村の〝
鈴村はそれと同時にナイフを〝
––––
「アハハハハ! 捨て身の突進かしら!? 嫌いじゃないわよ、そういうのぉ! さぁ! 私はいつ!? どこから!? 出てくるかなぁ!?」
鈴村は斬撃への対処法として初めに
「あなたも私の〝献体〟にしてあげる」
––––〝
「!?」
「何も俺の〝
鈴村は説明を省いたが〝
つまり、発動条件は対象物に触れることのみ。人命救助の超能力が功を奏した。
(しまっ……! 〝
––––〝
––––〝
––––ゴゴゴゴ……
柳のサイクスに込められたその闘志は那由他ビル屋上の地面に巨大なクレーターを作り出す。
––––ゴッッッッ
柳は死体もろとも
暴力団『鹿鳴組』総本部・那由他ビルが巨大な轟音と共に倒壊する。
––––ジリジリジリジリ……
ベルが鳴り響く。
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