第113話 - 暗黒の解剖室 (シャドウ・シアター)
「ぬううぅゥんン」
––––〝
柳の紅く輝くサイクスが切断された右腕の切り口に集中する。その眩い輝きは徐々に右腕の形を模し、実体を持ち始める。
––––キイイィィィ……
その後、サイクスは柳の全身を覆い、右腕が復活した柳が強大なサイクスを纏って現れる。
「へえぇ……」
「治癒力というよりも再生力だね。素晴らしい」
その一言に対して柳はウィンクしながら「
「テメェ……」
柳の一撃によって吹き飛ばされた
「乙女の顔面を殴りつけるなんて素敵な教育をされてきたようねえぇ!!!」
「浮気者には制裁が必要でしょ? その〝紅いリップ〟、お似合いよ? あなたを女として一層、輝かせているわ」
その禍々しいサイクスを物ともせずに柳は淡々と
––––殺す、ころす、コロス……
「あ、キレた」
「殺シテヤルよ、今スグにィ」
目を大きく見開いて不気味な笑みを浮かべながら迫り来る
2人の攻防は周囲に衝撃を生み、中途半端な他の介入を許さないほどに激しく火花を散らす。その様子を見て
––––つまり
柳は〝
柳は
よって約2分間、重複したパワーを使用することができる。その後、1分間は右腕再生分のサイクスに減退する。
柳は右手を
「2分でアナタをヤる♡」
その挑発が
サイクスを持つ死体、持たない死体を次々に操作して3人を翻弄する。鈴村は潜在的後天性超能力者の死体に関する情報を柳と仁にも既に共有する。3人は攻撃を回避しながらサイクスを纏っていない個体に対して突如サイクスが発生することによる攻撃力の上昇を警戒し、多くのことに意識が割かれる。
さらに
生きた者に対して、片手に込められた自身の特殊なサイクスで触れて流し込むことで〝献体〟として〝
*****
(この2つのサイクス。相当な手練れ。ワシの〝
第81話 - 人魚姫 vs 人間潜水艇 参照
*****
仁は百道浜立体駐車場において既に
コンテナターミナルに
しかし、〝献体〟は死体に対しても効力を発揮する。そして死体に対しては
(あの時、私に対してサイクスを込めた左手で触れることを試みていた。つまりは発動条件……! 遺体は初めから至る所にあり、彼女ほどの実力者ならば私との戦闘中に触れることくらいはできたはず。どの遺体に彼女が触れたのか分からない。さらにこの間にも新たに条件を満たす遺体が増えるかもしれない。それにこれまでは彼女と生存者、生存者同士だったのが遺体が選択肢に加わったことで組み合わせが5通りに増えた! 心を削られるわね……!)
柳は
しかし、その柳の懸念と
––––〝
仁は空中へ跳躍すると〝
––––〝
仁の目論みを悟った
「狙い通りにはさせないよ」
「意外と協力プレイ好きじゃの?」
仁の問いかけに対して
「ククク。基本的には個人競技勢なんだけどね」
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