第112話 - 生者の行進
––––〝
①一度に操作できる個体は合計15体
② 操作されている場合、対象の意識は保たれる
③ 各個体の五感は
④ 脳への接続が途切れる、又は対象が絶命すれば解除される
⑤ 操作した対象の超能力を使用することが可能。ただし〝
「優しさが仇となったね」
「何?」
「いや、まぁ君の油断もそうだけどさ」
「貴様、俺をおちょくってるのか?」
「生きたものを操作することも予測できていたみたいだけど、だからこそあの鳥の心臓ではなく、糸を狙ったんだろ? 死んでしまわないように。ま、糸がどこに繋がっているかちゃんと確認しなきゃね、アハハ」
「……」
鈴村はノスリの心臓ではなく、そこに繋がっているであろう糸を狙っていた。ノスリの脳には
対象を操作する超能力を使う超能力者は多くの場合、その相手の意識を完全に乗っ取る。その方が効率的に、そして冷酷に徹することが可能だからである。無意識化であれば痛みを感じない。ゆえに致命傷にならない程度の攻撃を仕掛けようと考えていた。
「残念だったね。俺の〝
「心地良いんだ。互いの悲痛に満ちた声が俺の心の隙間を埋めてくれるみたいで」
そこで
「
鈴村は
「見解の相違だね」
それに対して
#####
「シッ!」
柳の重い右拳が
––––ビリビリッ
(このオカマ! 何てデタラメな力なの!? サイクスを込めた防御の上からでも身体の芯まで響く!)
一方の柳はコンテナターミナルでの
(あの妙な超能力は一体どんな仕組みなのかしらね? 彼女の移動に解剖、そして臓器の入れ替え……。さらには瑞希ちゃんと可哀想な町田ボーイ、彼女が関与していない者同士でもあの囲いは発動している。おそらく制限もあるだろうけどね)
柳は微動だにせずそのメスを弾き、うち1本を手に掴んで上空の
「!?」
既に
––––ズバッ!!!
サイクスで大きく強化されたその切れ味は、屈強な柳の肉体を物ともせずに腰周りから右肩にかけて大きく傷跡を残した。
––––〝
柳は自身の超能力によって傷を即座に完治させる。〝
(基本的には速さを生かした体術とメスによる刃物攻撃が中心ね。今のところ彼女の超能力は使われていないわ。これはつまり発動条件を満たしていないことを意味する)
柳は
(コンテナターミナルでの出来事を思い返すと、特定の人物、又は彼女自身を中心としてサイクスがドーム状に広がる。彼女単独では発動できないのかしら? あの左手の異様なサイクス。私への攻撃と見せかけて触れることが目的だったのでは? それによってあのドームを生み出せるようになる)
対する
(厄介ね。触れることができなかった。今の一撃で隙を作って条件を満たそうと思ったけど、あれほどに素早い治癒力……! 〝献体〟とするにはあまりにも相性が悪い)
(もっと色んな所に死体を配置しなさいよ、
明らかに苛立っている
#####
(ありゃ? もしかして
(そろそろ1人くらい狩るか……)
「やり方が1パターンだぞ! 時間稼ぎもほどほどに……」
鈴村は言葉を言い終わらないうちに眼前に迫る死体の異変に気付いた。
「なっ!」
死体から黒いサイクスのドームが広がり、鈴村ごと囲む。鈴村はショットガンを死体群に放つもそのサイクスは消えない。
(まずいな)
鈴村は背後へと跳躍して黒いドームの範囲外へと脱出しようとするも既に黒い渦が発生、そこから
「別に俺は
「私、目移りしやすいのよ。本命は瑞希ちゃんだけどね♡」
––––〝
「大雅ァ!!」
「
〝
「まじィ?」
––––ズパンッッ!!
柳の右腕が
––––〝
柳の左拳が
––––ドオォォンンン!!!
「問題は?」
柳は穏やかに答える。
「
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