第10話 戦いの行方は――?

 ブスッ!刀の鈍い音が城に響いた。それにも関わらず、ガウルサスをはじめ、

みなが戦っていた。

「ウォォォォォ~リャァァァァァァ~!!」

だが、さすがのガウルサスでも、少し疲れてきたようだ。そして、ついに倒れて

しまう。また1人運び出された。形成の針は、少し傾き始めた。その中で、

この音が鳴った。

「ク、クソォ~」。

斬られたのは、ドゥテルダ。ではなく、ケンルーであった。それほどの重症では

ない。だが、ケンルーは耐えられなかった。疲れていた。あんなに働いて、

ケンルーは、実は貧血気味だった。それが、ここで役立ってしまった。

「チキショウ・・・。俺が今離脱したら誰が・・・」。

「そんなこと言ってる場合ですか?!」

レイシスが、ケンルーを運び出した。

「今の状況で勝てる保証もないので戦う意味なんてないでしょ?!今はそれほど

死んでないんだから、今ならまだやり直せます!!」

そして、レイシスは、ケンルーを担いで逃げた。

「あ、逃げた!!お、俺も行かなければ!」

続いてユレイラシスが逃げる。

「ユレイラシスも逃げたのかぁ?俺も!」

「僕も!」

「俺も行かなきゃ!!このままじゃまずい!」

こうして、次々とみなが逃げ出した。戦いは、ドゥテルダの勝利に終わった―—―


 「はぁ~。どうしたものだ。まさかの101敗目ではないか。俺の周りから

みんなが離れちまう。もうおしまいだ!」

ケンルーは、病室の床を強く踏んだ。

「いや、大丈夫だ!次こそ必ず行ける!前向きに考えないと」。

ライラーが励ます。レイシスや、ユレイラシスもうなずいた。

「だがな・・・。ほら、アレを見ろ」。

その指の先には、ダンベラーがいた。ベットに寝込んでいる。もうすぐ手術に

行く。今、ダンベラーは、生死の境をさまよっていた。死んでもおかしくない

重症だ。

「でも、ダンベラーだって、思ってますよ!次ならきっとできるって!ね?ね?」

ガウルサスが怪我の身で話しかけた。だが、その時

「うっ、いててててて・・・。ちょっと寝る・・・」。

ケンルーはベットに入っていった。

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