第6話 100戦100敗の勇者

 「ウウ~ン」。

初勝利となったかと思われたケンルーは、ベットの上で目を覚ました。そこは、

病院だった――

「え、なぜここに?ううっ痛っ!確か俺は・・・」。

そして、だんだん記憶を回復していった。ダーグスと戦い、不意打ちをして、自分が

ダーグスを倒したこと。そして、天から謎の声がして雷が直撃したこと。

「大丈夫ですか?ケンルーさん?」

そこには、若い看護師が覗いていた。横には、従者の一人、ダンベラーが

いた。そして、ライラーや、他の従者たちがベットに寝ていた。

「俺が川に流されて、何とか上陸したら、みなさんが倒れていたんですよ。

それで、ここまで運んだわけです。一体何だったんでしょうね?」

「安静にしていてください。普通の人間だったら死んでますよ」。

だが、そんな看護師の言ったことを、聞かずにケンルーは走り出した。あの声を

知るために。そして、アリラスのもとへ向かった。

「アリラスさん、天からした声ってなんですか?教えてください!」

「おいおい、まあまあ落ち着け」。

そして、情報を聞いたアリラスは、こういった。

「それは、悪魔や堕天使の首長、魔王の№1のドゥテルダだ。あいつは、

気候を操ることができる。だから、お前とライラーに雷を打たせたんだ」。

そして、ケンルーは、しばらく考えた。そして、この言葉を放った。

「俺たちがドゥテルダを討つ―—―!」

そこへ、ダンベラーが走ってきた。

「ちょっと、ケンルーさん。何病院脱走してるんですか?安静にしなきゃいけない

でしょ?また怪我したらどうするのですよ?それより、町では、大変ですよ。

100戦100敗の勇者になってしまったわけですからね。どうしよう?」

「まてダンベラー、あの声の正体が分かったんだ」。

「えっ?ほんとですか?それじゃあ―—―」

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