第3話 ケンルーの決断

 「やあ、ケンルー。具合はどうだい?」

「おかげで、ボロボロだぜ」。

ケンルーは、久々にライラーと会った。この前の戦いからかなり経った。

「お前結構強くなったな」。

「強くなった?俺はいつまでも弱いままよ」。

ライラーは、続ける。

「俺、この前お前とやり合った時に、感じたんだ。殴られるときに、すごく

痛かったんだよ。それで、お前がもっと強くなり、魔王を倒せると思ったんだ」。

ケンルーは理解した。あの不思議な感覚を。あの時、自分のような弱っちい奴の

パンチが、ライラーのような強いものが痛いはずがない。その時、そして

あの日、何か不思議に考えていた。それがこれなのだった。

 「ライラー、俺は決めた。勇者として戦う。勇者は数少ないし、市民たちを

見殺しにはできない。まあ、どうせ負けるだろうけど、何もしないわけにも

いかねーしさ。俺らの手で、魔王を倒してやる」。

「ケンルーゥゥゥゥゥゥゥ~!!」

 そして、街の強い勇者である、アリラスに2人は、特訓を受けた。アリラスは、

昔のとても強い勇者である。過去、魔王たちを滅亡の危機にまで追いやった巨峰であった。

「お前らか。かなり厳しいができるかな?」

「はい!!」

特訓は厳しかった。何度も筋トレをした。精神力も鍛えた。

熟練の人とやるのだから、無理もない。何度も2人は戦った。ボロボロになって

戦った。その日の特訓の終わりは2人とも傷だらけだった。お互いが残した傷だ。

自主的にまた、殴り合った。そしてたくさんの傷ができた。でも、その傷を2人は

とても誇らしく思っていた。そして、2人は、最後の特訓にこれから望む―—―

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