第9話 お弁当
キーンコーンカーンコーン
四時間目のチャイムが鳴り響く。みんなは歓喜の声をあげる。
蓮「さてと、飯でも食いにいくか」
愛「蓮!~」
優希「蓮君!~」
どうやら死神が俺を呼んでるみたいだ
愛「ちょっと、蓮は私とご飯を食べるんですけど」
優希「いやいや、蓮君は私と一緒に食べたいって言ってるんですけど」
愛「なによ~!!」
優希「なによ~!!」
二人は互いの手と手をつかみあい、威嚇しているようだった
男子1「うらやましい……」
男子2「俺もあの二人の取り合いになりたい人生だった……」
さっきから男子たちの視線が痛い……
女子1「蓮君ってよく見たらカッコいいよね……」
女子2「わかる!」
女子たちが何やらヒソヒソ話している
蒼太「モテてていいね~」
蓮「俺がか?」
蒼太「」
蒼太(これだからヤンデレ製造機は……)
さて、どうしたもんか。どうにかしてこの戦いを止めなければ……
蓮「な、なあ」
愛「なに?」ギロッ
優希「なに?」ギロッ
蓮「ヒイッ」
蓮「み、みんなで一緒に食べないか?」
愛「あ?」
優希「あ?」
やべ、怒らせてしまった
愛「も~蓮が言うならいいよ!♡」
優希「蓮君には私が必要なのね!♡」
もうやだ帰りたい……
◇
愛「蓮!はいあーん!♡」
優希「蓮君!口開けて!♡」
あの後、俺たちは屋上へと移動してきて、今に至る。どうやら二人とも手作りのお弁当を作ってきてくれたみたいだ
蓮「あの俺の口は一個しかないんですけど……」
激戦(じゃんけん)の結果、愛の弁当を先に食べることになった
愛「どう、おいしい?」
蓮「とてもおいしいよ!!」
さすがは黒井家のお嬢様だ。素材は一流だが、腕前も一流だ……料理もできて当然なのだろうか……
愛「えへへ、蓮のために国家予算の一割を使ったんだ♡」
蓮「」
蓮「つ、次からはそんなにお金をかけなくていいからな……」
愛「もう!遠慮しちゃって!!♡」
この国が崩壊したら、間違いなく愛のせいだろう
優希「……」
そういえばさっきから、横から何かおぞましい気配を感じる……
優希「蓮君、私のも食べて」
蓮「わたったわたった、今食べるから!」
優希は俺の口に無理やり、鮭らしきものを入れてきた
なんだこれ?
鮭を食べているはずなのに
甘い、甘すぎる……
蓮「な、なあ優希」
優希「どうしたの?私の料理がおいし過ぎて動揺してるの?♡」
蓮「これ何で味付けした?」
優希「砂糖だけど?」
優希は淡々と答えた
蓮「なんで砂糖入れたの?」
優希「その方が蓮君への愛情が伝わるかな?~って思ったからだけど……」
こいついつか人を殺めるだろう
優希「蓮君!他のも食べてよ!!」
蓮「……」
断りきれず俺は野菜炒めを食べた
なんだろう
妙にネバネバしてる……
蓮「なあ、野菜炒めに何入れた?」
優希「えっと……」
優希「なんだっけ?」
おそらく薄力粉だろう……
蓮「お前、白くて粉末状だったら何でも塩の変わりになると思ってるだろ」
優希「違うの!?」
蓮「」
優希「化学の時間に錬金術を成功させれたから、今回もいけると思ったのに……」
蓮「」
後で優希に化学を、愛には道徳を教させよう……
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます