第5話 最悪の朝
チュンチュン
朝のやさしい光とスズメの鳴く音で、自然に目が覚めた
昨日とは違った新しい空気が俺をつつむ
ああ、なんて素晴らしい最高の朝なんだろう……
ある一つのことを除いて……
風香「お兄ちゃん、おはよう」
蓮「ああ、おはよう」
風香は俺の右腕に抱き着いたまま、横になっていた
蓮「なあ風香、一つ聞いていいか?」
風香「どうしてここにいるのか以外ならいいよ」
蓮「どうしてここにいるんだ?」
このやりとりをするのは何回目だろうか……
おそらく軽く三桁は超えているだろう
風香「そんなの決まってるじゃん」
風香「あのまな板からお兄ちゃんを守るためだよ」
蓮「そ、そうか」
なぜまな板なのかは触れないでおこう
蓮「あとな、俺、寝る前に鍵かけたんだが……」
風香「科学の力(ピッキング)で突破したよ」
蓮「」
蓮「あとな、俺、部屋に南京錠かけておいたんだが……」
優希「それは私が愛の力(正拳突き)で突破したよ」
蓮「」
蓮「てか優希までいたんかい」
この怪力娘め……
優希「ねえ、蓮」
おかしい、優希の目のハイライトが……
優希「このまましちゃおうよ♡」
風香「そうだよお兄ちゃん、あんなx=0みたいなカラダの子より私の方がお兄ちゃんを満足させられるよ♡」
おかしい、風香の目のハイライトまで……
まずい、このままじゃ……
ピンポーン
風香「チッ」
優希「邪魔が入ったか」
なにこの子たち怖すぎる……
風香「お姉ちゃん行ってきて」
優希「風香行ってきて」
風香「あ?」
優希「あ?」
なにこの子たち怖すぎる……
蓮「わかった、三人で行こう、な?」
風香「も~仕方ないな~、お兄ちゃんが言うなら」
優希「蓮が言うならまあいいか」
なにこの子たち怖すぎる……
◇
蓮「は~い、どちら様ですか」
外には黒い何かがたくさんいた
黒服「旦那様をお迎えに来ました」
蓮「」
愛「蓮~早く開けて」
優希「風香」
風香「優希」
優希・風香「やるぞ」
優希は両手に日本刀を、風香は何やら怪しいフラスコを持っていた
一方、その頃
愛「なかなか、開かないわね」
愛「黒服」
黒服たち「なんでしょうか」
愛「この扉、破壊しちゃって」
黒服たち「ですが、お嬢様……」
愛「いいの、早く」
黒服たち「かしこまりました……」
黒服たちはショベルカーを用意していた
優希・風香・愛「いざ、勝負!!」
蓮「まてまてまてまて!!!」
蓮「お前ら!いったん落ち着け!!」
優希・風香・愛「」
依然として覇気は消えない
蓮「わかったから!今度みんなを遊びに連れてってあげるから!!」
優希・風香・愛「!?」
優希「ま、まあ、そこまで言うのなら……」
風香「今回ばかりは許してあげても……」
愛「旦那様がそう言うのなら♡」
優希・風香「あ?」
蓮「なにこの子たち怖すぎる……」
つづく
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