第5話 第二階層到着
この世界にはレベルというものがなく、ステータスは行動によって変化する。
攻撃すれば攻撃力、魔法を使えば知力、ダメージを受けたり回復すれば防御力、回避や移動攻撃などで速度が上昇していく。
体力、魔力もステータス上昇に合わせて同じような感じだ。
なので、完全に敵を倒さなくてもステータスは上がっていくのである。
そうこうしているうちに第二階層に到着。
そして早速、第一魔物発見!
雑魚モンスターの定番、スライムだ。
第一階層は玄関のようなものだったが、第二階層はいきなり洞窟っぽくなってるな。
鑑定スキル発動。
スライム
種族:スライム 種目:通常種
体力:15/15
魔力:0/0
攻撃:12
防御:15
知力:7
速度:9
【基本スキル】物理攻撃耐性 cl.1
スライムだから、やっぱり弱点は火だよねぇ。物理攻撃には耐性ありか。
cl.というのはクラスのことで1が最も低く、数字が上がるほど強力になっていく。
鑑定するにも魔力消費するのはやめてほしいなと心の中で愚痴りつつも、スライムの近くに移動。
体力は15か。成長した俺なら一発だね!
周りに冒険者などがいないか注意しつつ、
ファイア~~、いっぱ~つ
と心の中で叫びながら、飛んでいく炎を見つめる。
初ハントの時は軽く死にかけたから記念すべき瞬間を見逃しちゃったんだよねぇ。
炎はスライムに見事命中。しばらく燃えたあと蒸発してしまった。
そっか。スライムだと何も残らないのか。ハント後のお食事タイムはお預けだな。
そんな感慨にふけっていると、遠くから複数の気配を感じた。
おそらく人間だろう。今までにも何度か遭遇したことはある。
俺は近くの岩場の影に身を隠し通り過ぎるのを待つことにした。
少年「魔物はあまり出ませんね」
真ん中を歩く少年が先頭の男に話しかけている。年齢は十代半ばといったところか。
男「ここはまだ二階だからな。もう少し進めばうじゃうじゃいるぞ」
少女「気持ち悪い魔物は苦手なんですよねぇ。」
先頭を歩く男はいかにも屈強な出で立ちだ。
最後尾の少女も十代半ばといった雰囲気。少年よりは少し上かもしれない。
どうやらベテランとルーキーのようだな。
残体力少な目だけど、ちょっと鑑定しちゃお。
アシュリー
種族: 人間 種目: 剣士
体力:95/105
魔力:21/21
攻撃:27
防御:25
知力:15
速度:20
【基本スキル】なし
レスティン
種族: 人間 種目: 剣士
体力:210/265
魔力:39/39
攻撃:48
防御:45
知力:28
速度:30
【基本スキル】剣術 cl.2・回復魔法
エリーゼ
種族: 人間 種目: 魔法使い
体力:70/75
魔力:31/31
攻撃:15
防御:14
知力:26
速度:32
【基本スキル】魔力増幅・感知
少年はまだ基本スキルが解放されていないのか。
少女のほうはステータス低いけど、基本スキルはなんだか強そうだな。
感知とはなんだ?
少女「あ!近くで魔物の気配がします!あの岩の後ろです。」
男「なに!」
屈強な男がこちらを向いて身構える。
やばい!見つかった!
なんで?
物音等は一切たててないはずなのに。
あの感知とかいうスキルのせいか。
俺は脇目もふらず全力でその場から離れた。あんなの三人を相手にしてられない。
俺は習得した飛行技術で人間から距離をおき、岩壁の隙間に身を隠した。
男「なんだ。ただのコウモリじゃないか。」
屈強な男は残念そうだ。
少年「エリーゼの感知スキルもたまには外れるんだね。」
二人はそう言って笑っている。
少女「そんなはずないんだけどぉ。コウモリにしては能力が高そうでしたよ。強いコウモリもいるんですね。」
三人はすぐに踵を返し、奥へと歩いていった。
気を付けないといけないな。ああいうスキルを持ったやつもいるのか。
基本スキルというのは、本人のベースとなる先天的資質のようなもので、調べてみたところ、感知とは鑑定の上位スキルだった。
いろんなスキルや魔法があるもんだ。
よく見ると発動するには特殊なアイテムや装備が必要なものもある。これらはスキルだけでは使えないのだろう。
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