第6話 共振

第二~四階層はあまり変わり映えがなく、出てくるのは普通の動物とスライムやネズミに似たウォーラットという魔物だ。 


ウォーラット  

種族:  ネズミ  種目: 通常種 


体力:30/30

魔力:0/0


攻撃:17

防御:20

知力:7

速度:21


【基本スキル】 なし


うし!ウォーラット二体撃破! 


俺はヒットアンドアウェイ戦法に魔法を織り交ぜ、だいぶ攻撃パターンが増えてきた。


ウォーラットは体力が高めなので、まずは魔法で先制。


かみつきで体力を削り、弱ったところを吸血でとどめを刺しつつ回復の流れだ。


《種族特殊スキルが進化しました》


次の獲物を探していると、ステータス画面にそんなメッセージが表示されている。


見てみると「超音波」が「共振」というスキルに変化していた。


共振?共振ってなんだ?!攻撃スキルかな? 


≪共振≫

対象を一定時間振動させる

■スキル効果:麻痺

■消費魔力:0


なるほど。状態異常系か。


どんなスキルなんだろう?

とりあえず消費0だし使ってみるか。


辺りを見回すとタイミングよくスライムが一匹飛び跳ねている。

俺はスライムが着地した瞬間をみはかって、共振をかけてみた。 


共振!ビビビっと。


うん?!


確かに発動したはずだけど、何も起きていないような。

スライムに変化は見られない。 


意識を集中し感覚を研ぎ澄ましてみると

スライムは微かに振動しているようだ。  


なるほど。振動させて動きを止めるということか。


プルっているスライムを端から観察していると、こんにゃくゼリーを思い出す。トカゲ焼きも旨かったけど、スライムは食後のデザートに良そうだなぁ!


スライムはまだプルプルしている。  

やはり麻痺が効いているようだ。

俺はスライムに近づき様子をみた。

相変わらずスライムは動かない。

ってことはこのまま捕食OKってことだよね!


目があまり見えない分、俺の妄想力はこの短期間で信じられないほど鍛え上げられていた。


さっきのこんにゃくゼリーが頭から離れない!


俺は勢いよくスライムにかぶりついた。 


その瞬間、口の中にジューシーな液体が広がる。味こそないものの新鮮な山の湧水を飲んでいるかのような爽やかな喉越し。程よい食感。スライムがこんなに美味しいなんて!


そういえば飲み物はずっと口にしてなかったなぁ。

転生前はコーヒーと栄養ドリンク片手に睡魔と戦う毎日だった。


その点では、今のほうが自然な生活なのかもしれない。


攻撃技ではないが、このスキルはこの先も結構使えそうだ。


テスター   

種族: ヴァンパイア    種目: コウモリ 


体力:48/48 

魔力:16/22


攻撃:32

防御:30

知力:39

速度:38 


【基本スキル】創造主の記憶 

【種族特殊スキル】かみつき・吸血・超音波・共振


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る