第112話バチバチなクイズ無双
「どうした。成田空港勤務だった『詩人からの手紙』。最年長が最年少に押されてるぞ。リーチがかかっているのは『極道ラブ』のきんときまよちゃんです。問題。『伝説の不死鳥フェニックスは何年間に一回生まれ変わる?』」
チチチチチチ。
「フェニックス。不死鳥。何年間に一回?五秒。勝負かけろ。押せ」
ポーン。
「よし来た。『詩人からの手紙』。何年だ?」
「五百年」
「正解!さあ共にリーチだ。いくぞ問題。『日本国憲法を公布した時の総理大臣は誰でした?』」
ポーン。
「吉田茂」
「正解!最年長成田空港『詩人からの手紙』が三ポイントで『王手』席へ。阻止しろよ。きんときまよちゃん。作品のタイトルを元気よく」
「『極道ラブ』です!」
「元気はあるな。問題。『プロ野球セリーグ選手の背番号を全部かけるといくつだ?』」
ポーン。
「早かった。『極道ラブ』」
「ゼロ」
「正解!さあまたお互いリーチ。問題。『別名、陸蓮根(おかれんこん)とも呼ばれるあおい科の一年草は何?』」
ポーン。
「極道ラブ」
「オクラ」
「正解。よく知ってるねえ。さあ『極道ラブ』こと最年少松本さん、きんときまよちゃんが『王手』席へ。チート能力使ってる?バチバチだね。これぞ『クイズ無双』だね。元気はあるか。自信はあるか。阻止しろよ。『詩人からの手紙』。問題。『ラテン語で毒という意味を持つ病原菌は何?』」
ポーン。
「成田空港、否、『詩人からの手紙』」
「ウイルス」
「正解。さあ『極道ラブ』は元の席に戻った戻った。二人リーチだ。いいねえ。このバチバチがいいねえ。問題。『徳川家康の外交顧問三浦按針のもともとの名前をなんといった?』」
ポーン。
「成田空港」
「ウィリアム・アダムス」
「その通り。さあ今度は『詩人からの手紙』が『王手』席へ。何度目だ。これで決めるのか。それとも『極道ラブ』が阻止するのか。一万と四十八人の『モブ』も注目してるぞ」
そこで一万と四十八名の『モブ』に向かって手を振る『極道ラブ』こと最年少松本さん。
「おいおい。手を振ってる余裕があるのか。いくぞ問題。『眼球の角膜と水晶体の間にある輪の形をした膜は何だ』」
ポーン。
「『詩人からの手紙』が押した。これで決まるか。決めてしまえ!成田空港!」
「虹彩!」
「正解!おめでとう!抜けたぜ!決勝進出決定!『詩人からの手紙』が抜けたぜ!と同時にここで『極道ラブ』こと最年少松本さんは脱落です」
「横田さん!ちょっと二人並んで。どうだい。若旦那と成田空港。二人でとうとう決戦だよ。落ち着いていこうね」
「はい」
「二人とも全力を出して。素晴らしい決勝戦を見せて欲しい」
「はい!」
「おめでとうございました。さあ二人握手して。あちらの勝利者席へ向かってください」
そして喜びを激しく表現したいけれどどことなく哀愁を漂わせながら勝利者席へ歩き出す二人。そうです。勝つことは別れを意味するのです。ここまで共に切磋琢磨して頑張ってきた最年少松本さんとの別れは寂しいものなのです。
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