第66話黙ってた『ハーレム』と『追放』

「『読み専』の人は残って欲しいよなあ」


「だな。あの『ろりこんクソ作文野郎』は落ちていい」


「君たち。『ろりこんクソ作文野郎』ってどっちのことだい?」


 とくさんと一万と四十三名の『モブ』が楽しそうにわちゃわちゃしております。


「危ない!ベホマゾソ!」


「危ない!ハン・ピレイ!」


「あ、ありがとうございます!いやあ、さすが『文豪』のお二人は素晴らしい!『異世界チート』能力の天才ですね」


「いやあ、そんなことありますけどね。まあ、僕らは『特別』ですから。ねえ(こいつと一緒にすんじゃねえよ)」


「そうそう。僕なんかこんな日も明け方まで『書いて』ましたから。読者が楽しみに待っていると思うと『書くこと』が使命じゃないですか。いや、僕は『書くこと』を楽しんでますけどね(この底辺作家と一緒にすんじゃねえよ。なーにが『美少女高校生双子姉妹を拾ったらヤンデレで俺の取り合いになって困ってる件』だよ。このありきたりのクソ作文野郎が。そもそも『〇〇な件』の『件』ってなんやねん。『けん』か?『くだり』か?『くだる』?そういうのを分かってるのか?このクソ作文馬鹿は)」


 実は国士館さん。日体大さんと岩瀬さんに助けられてますが。とんでもないチート能力の持ち主なのです。え?『いいエロ・てんバランス』をすでに持っている?『異世界ウルトラ』はなんでもありなんです。じつは国士館さん。この日の前日にとくさんから特別にある『チート能力』を貰ってたのです。正確には十六万ゴールド(税別)で買ったそうです。チート能力を『二つ』持っているのです!!


「(へえー。こいつら…)」


 そうなのです。国士館さんがとくさんに十六万ゴールド(税別)を払ってまで手にしたもう一つのチート能力『ハートイヤー(こころの耳だそうです)』。説明しよう!『ハートイヤー』とは!相手の心の声を聞くことが出来るのです!!そうなんです!先ほどまでの岩瀬さんや日体大さんの()で思っていたことすべてをこの国士館さんには聞こえているのです!!


「(いやあ、人の心って怖いわあー…。『読み専』って言っといてよかったあ…)」



 そして何とか封筒を多めに集めてとめさんのもとに戻る三人。


「戻ってきましたあ!」


「お、大丈夫だった?薬草は足りる?売るよ?」


「いえ…。それはまた別の機会で…」


「そうなの?まあいいや。それで君らも『パーティー』を組んだの?岩瀬…。お前…、さっきまで保坂さんや最年少松本さんと組んでたのに『もう』新しい仲間?」


「え?」


「え?」


「い、いや!違うんですよ!僕はあくまでもお二人を助けるために自己犠牲の精神で前のお二人と組みましたんで。その証拠に僕はまだ勝ち抜けしてないでしょ?」


「おい岩瀬。正直に言えよ。二人に『追放』されたって。『ハーレム』だ!やっほうと浮かれてたらまんまと『追放』されたってさあ」


「おい。岩瀬。お前…、『抜け駆け』してたの?聞いてねえぞ…」


「いやいや!だから『自己犠牲』だから!」


「まあいいや。内輪揉めしてる時間はねえから。いくぞ。問題入ってるぞ。よかったな。ここからは『早押し』だ。どうせこの中の一人が『敗者』確定なんだから。いくぞ。問題。『インド東部を流れる大河はガンジス川。では西部を流れる古代…』」


 ポーン!


「お、岩瀬君が早かった」


「インダス川!」


「正解!文明のはしおとしと知られる川は何川、インダス川正解です。おい岩瀬!よかったなあ!抜けたぞ!」


「まあ、常識ですよ。文豪ですから」


「(このろりこん作文クソ野郎がああああああああああああ!)」


「(うわあ…、日体大がめちゃ怒ってる…。つーか、岩瀬の野郎…。はっ!岩瀬の心の声が聞こえる!)」


「(『読み専』の国士館さん頑張って欲しいなあ)先に行きます!恨みっこなしで二人とも頑張れえ!」


 それを『ハートイヤー』で聞いた国士館さん。


「い、岩瀬…」


 残る席はあと一つ!!

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