第63話『大人の魅力』VS『若さ』
そして再び宙に浮いた大型特設モニターを眺めるとめさんととくさん。そして一万と四十三名の『モブ』となった『敗者』たち。
「ちっ、あの岩瀬の野郎…。なーにが『ベホマゾソ』だよ。純文学『ランドセルがオプションサービスで黄色い帽子もついてくるよ。ついでに幼馴染がぐいぐいずっこんばっこん順番待ちだよ、並んで並んですぐにあそこもベホマゾソで回復だからね』のくせによー」
「お前はどっち派?俺はやっぱり松本さんやね」
「え?若いってだけでそれはないよ。君は大人の魅力ってものを知らないのかね」
「ちょっとー。男子ぃー!不潔よ!」
「あらそう?なんなら私と試してみる?男って本当に不潔だと私も思うわあ。同性の方が素敵よねえ」
なにかすごくすごく問題になりそうな言葉が飛び交っております。
「おい!岩瀬君たちが戻ってくるぞ!みんな!普通を装え!普通を!」
そして瞬間的に消える宙に浮いていた大型特殊モニター。岩瀬さんたちの『パーティー』が戻ってきます。
「おお。無事だったか。よかったよかった。元気はあるか」
「ええ。それより封筒を取ってきましたよ」
そう言って封筒を三通。岩瀬さんがとめさんに手渡します。またしても同じような質問をしルール的なものを三人に説明するとめさん。
「ようするに三問解けばいい話ですよね?」
「そうです。最年少松本さん。自信はあるか。元気はあるか。問題。『鉛筆の芯の硬さ、HBとHの中間は?』」
「え?」
「普段スマホで書いてるから…」
「ほらあー。エッチなのは得意でしょ?あなたは」
「いやいや。大人の魅力の保坂さんの方が」
「そうねえ。松本さんは『若さ』だけが取り柄だからねえ」
ポーン!
「F」
「正解!松本さん。よく知ってたな」
「ええ。私は『若さ』だけが取り柄ですから」
「とりあえずじゃあ一人分は確保ってことで次の問題だ」
そう言って封筒を開けるとめさん。
「(この小娘…。明らかに私にケンカを売ってきてる…)」
「(ふん!どいつもこいつも色ボケしやがって。『パーティー』を組むのは今回だけなんだからね!)」
「(えへへへ…。ハーレム♡ハーレム♡)」
「いくぞ問題。『昔の中国で一回り以上年上で安禄山を養子にしたと言われる絶世の美女は誰?』」
ポーン!
「はい。保坂さん」
「楊貴妃」
ピンポーン!
「さすがだね。保坂さん。これで二人分の椅子は確保だ」
「いえ。やはり『大人の女性』なら知識と教養も最低限はありませんと。『若さ』には勝てませんからね」
「(この…クソババアが…)」
いやあ、女性同士の嫉妬心も怖いものです。
「さあ、ここで決めたいよな。岩瀬」
「はい!」
そんなやり取りをしながら満面の笑顔でとめさんが封筒を開けます。そしてこれです。
「残念!『ハズレ』だ!!」
「え?そんなのあるんですか?」
「当たり前だろ。これは『異世界ウルトラ』名物『ばらまきクイズ』だぞ。それなら当然『ハズレ』もあるだろ」
「ですよね!そう思ってました!」
そう言ってさらに三枚の封筒を取り出す岩瀬さん。
「ほう…。これは誰の知恵なの?」
「ええ、保坂さんが念のためにと」
「まあ、『大人の女性』として当然でしてよ。おーほほほほほ」
「(なんかキャラが変わったよな。このクソババア…)いやあ、さすが『大人の女性』ですわ。私は『若さ』しかありませんので」
バッチバチですね。そんなやり取りを見ながらとめさんが大爆笑しながら封筒を開けます。
「これだ!」
『ハズレ』と書かれた紙。それが三回繰り返されます。
「えええええええええええええええええ!」
岩瀬さんが驚いてます。
「さあ、どうする?二人は抜けれるけど」
「じゃあ…、答えた人が抜けるってことでいいんじゃないでしょうか?」
「そうですね。保坂さん。『大人の女性』の言う通りにすれば間違いないかと」
「いやいや!ちょっと待ってくださいよ!僕はどうなるんですか!?」
「あなたは『ベホマゾソ』があるでしょ?頑張りなさいよ。男でしょ!」
「岩瀬。これも勉強だ。さあ行ってこい!と言うわけで保坂さんと最年少松本さんが抜けたぞ!おめでとう!」
本当に『パーティー』は恐いですね。この後どうなるんでしょうか。
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