第60話『敗者復活戦』!
「おいおい。岩瀬のやつ。上手いことやってるなあ」
実はこの『ロンダルキアに憧れて』ダンジョン内の様子は外に大型特設モニターが空中に浮かべられ、外にいるとめさん、とくさん、一万と四十三名の『モブ』となった『敗者』にはすべて『筒抜け』状態なのです。
「とめさんの言う通り。あの岩瀬君は『ハーレム』ってやつですか?いいですねえ。上手くやりましたねえ。あと、サキュバス岸野さんも逆の意味で上手くやりましたね。強力なブレーンを二人ゲットですよ」
「なーにが『こんなダンジョン一人で十分』だよ!」
「せやせや!『やったろうじゃねえか!』つってたよなあ!」
「『パーティーは組みません』って言ってましたわ。それを何ですか?あれは」
そんなブーイングを放つ一万と四十三名の『モブ』となった『敗者』たち。保坂さんの婚約者もお怒りです。
「あいつ…」
「だからあれほど僕は言ったでしょ?君たちは優しすぎるって。私のように『こらこら。君たち。そんな汚いヤジはもっと言いなさい。君たちはちょっと優しぎるんじゃないか?おーい!『クソ作文ろりこんちまちま更新ランキング不正野郎』の諸君。所詮、仲間内で相互評価しあわないと読まれない趣味で小説家きどりの勘違い馬鹿の諸君。がんばれー!』ぐらい言わないと」
「…いや、そこまでは…」
「(とくさんの『とく』は『徳を積む』の『徳』だよな…)」
そこでとめさんが。
「おいおい。君たち。待ってる間に『敗者復活戦』でもやる?元気はあるか。自信はあるか」
「あるうううううううううう!」
「いえええええええええええい!
「きたああああああああああ!」
「いくぞ問題。女編に男と書いて『娚(めおと)』。ではその右にさらに女と書いて何と読む?さあこい。自信はあるか?早押しだ。考える時間は十秒。最初に誰かが間違えればそれで『敗者復活戦』は終わり。復活できるのは一名のみ。さあこい」
一斉にスマホを取り出す一万と四十三名の『モブ』たち。即答できる人はいません。もちろんものすごーいチート能力を持つとめさん。すでに一万と四十三名の『モブ』の頭上にはあの帽子が。
ポーン!
「お、山梨県の星。保坂さんの旦那さんが早かった。さあこい。自信はあるか」
「え、え、えーと」
「考える時間は十秒だ。はい、五、四、三、二…」
「さんぴー!」
ブブ――――!
「正解は『嫐(なぶる)』です。どうした。なんだ『さんぴー』って。なんかの見過ぎじゃねえか。おめえ」
そして周りの『モブ』からぼっこぼこにされる保坂さんの旦那さん。とめさんまでさっき目玉焼きを作った時に余った生卵をぶん投げてます。酷いですねえ。
「ごるあああああああ!何が『さんぴー』じゃあ!俺は正解分かってたんだぞ!」
「あなたの頭の中はピンク一色なの!さいてえええええええええ!」
「せっかくのチャンスをこのボケがあ!」
山梨県の星に皆さん酷いことしますね。
「食べ物を粗末にするなよ」
そう言いながら生卵を的確に命中させる最強チート能力者であるとめさん。
「やめてくださいよ。あなたは三年後の部長でしょう?投げるならもっと『固い』ものでしょう。本当に皆さん優しすぎますよ」
熱々の大きな石をほおり投げようとしているとくさんを周りの心ある『モブ』が止めます。
「(本当にこの人…『徳を積む』の『とくさん』なのか…?)」
さあ、『ロンダルキアに憧れて』ダンジョンの中はどうなっているのでしょうか?
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