第57話『追放』されてなんぼじゃろがああああ!
「どうせおめえらあれだろ。自分の『チート能力』は他人に教えてないだろ。でもこの『ロンダルキアに憧れて』は『パーティー』を組んだ方がいい。『回復系』がいないとやばいよやばいよになるよ。昔、とんぬらって人がかなり狙われてだな。多くの人が『とんぬらがやられるとやばいよやばいよ』と言ったもんだよ。なんなら八人全員で『パーティー』を組んでもいいよ」
「どうする?」
「私は別にいいかなあ。『パーティー』制に賛成かな」
「でも…、全員だと…。誰か一人が脱落者になるのは決まってるし…」
それを見ている『モブ』となった一万と四十三人の『敗者』からヤジが。
「おらおら!『チート』で『無双』で『俺TUEEE』だろうが!」
「そやそや!それが『パーティー』?『追放』されてなんぼじゃろがああああ!」
「純文学でやたら長いタイトルはお強くていいねえ」
「アッハッハッハーーーーーー!」
「こらこら。君たち。そんな汚いヤジはもっと言いなさい。君たちはちょっと優しぎるんじゃないか?おーい!『クソ作文ろりこんちまちま更新ランキング不正野郎』の諸君。所詮、仲間内で相互評価しあわないと読まれない趣味で小説家きどりの勘違い馬鹿の諸君。がんばれー!」
「(とくさん…、ひでえ…)」
「(とくさんの『とく』は『徳を積む』の『徳』じゃなかったの…)」
「おい!おめえら!あんなことを言わせていいのか!元気はあるか。自信はあるか」
一万と四十三名の『モブ』となった『敗者』ぷらす『徳を積む』の『とくさん』から暴言にカチーンとしたもの数名。
「やったろうじゃねか!」
「一人でいくぞ!」
「『パーティー』は組みません!」
さすがここまで勝ち抜いた八名の転生者。お強い『チート能力』をお持ちなんでしょうね。
「よし!じゃあ武器と鎧と盾と兜と回復道具もある。それをここで装備していけ。あ、『はやぶっさ』の剣と『はかいいね』の剣はどっちか一本だけね。両方合わせる裏技は禁止ね。薬草とあとは…意味ないけどスマホもあるよ。5Gで最新のやつだ。電波が届くかは知りませんが」
そしてわちゃわちゃと、我先にと武器や防具に群がる八人のここまで勝ち残った転生者たち。とめさんが一言。
「タダじゃないからね。それ」
「え?」
「当たり前だろう。そんな強力な武器や防具を無料で売ってたら武器屋さんや防具屋さんはどうやって生計をたてるんだ?薬草をタダでくれる道具屋さんがあるのかい?そりゃあ君たちが書く『作品』の中なら何でもありなんだろう。それでも現実は『甘えを捨てろ』だ。『みんながんばれ』だ。『ガンガンいこうぜ』だ。『じゅもんせつやく』だ。『じゅもんつかうな』だ。『いのちだいじに』だ。『くりふとよけいなことすなぼけ』だ。はい、ゴールド払って払って」
シブシブとゴールドをとめさんに払う八人のここまで勝ち残った転生者たち。しかし。一人だけそれらを拒否するものが。
「あ、私、何もいりませーん♡では、お先に失礼♡」
サキュバス岸野さんがダンジョンに一番乗りで入っていきます。無謀です。無謀としか言いようがありません。
「あ!くそお!遅れをとるな!急げ!」
サキュバス岸野さんの後を追うように急いで防具を装備し、精算をきっちり済ませ、強力な武器や回復道具を持って『ロンダルキアに憧れて』に入っていきます。
「おい。岩瀬。もうみんな行っちゃったよ。何やってんだ。君は」
「あ、いや、装備の仕方が分からなく…」
「それはサイズが合わないだけだろ。ダイエットしろ。ダイエット。それに夜更かしもやめろ。書くのもいいが書くなら早起きして朝に書け。さあ行け。自信はあるか。元気はあるか」
「はい!では行ってきます!」
「死ぬなよー」
さあ!始まりましたね!『ロンダルキアばらまきクイズ』。次回、ハンカチ用意しといてね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます