第56話『ロンダルキアばらまきクイズ』
第九チェックポイント『ロンダルキアに憧れて』。
「今の温度四十七度。汗も出ません。異世界二位の五十七度という記録があるのですが平均気温ではもちろん異世界一。周りも山と言うより岸壁ですね。かなり過酷な環境に囲まれた場所であります。そして何より異世界でも指折りの『ダンジョン』がございまして。これがまたとてつもなく広く複雑でして。セーブポイントもありません。強い魔物も集団になって襲ってきます。かつて多くのものがこの『ロンダルキアに憧れて』でコントローラーをぶん投げたことか。それでも何度も何度も憧れて挑んで。そしてそのダンジョンを最初にクリアしたものが後ろを振り返って一言、『ロンダルキアに憧れて』と言ったことから『ロンダルキアに憧れて』て呼ばれるようになったのです。そんな歴史あるダンジョンに今、勝ち残った転生者が八名。さあ、やりますぞ。おはよう!元気か!」
「おはようございます!」
「元気です!」
「あんま元気ないなあ。おい。岩瀬君。なんとなく元気ないぞ。どうした」
「いやあ…、昨夜、『更新』してまして。結局明け方まで書いてまして…」
「お前こんな危険な日の前日にほとんど寝ずに書いてたのか。すごいな。それは『実の妹が幼馴染の美少女と順番に並んでね。整理券を特別にずっこんばっこんどっぴゅん』だっけ?」
「…いえ。新作です」
「新作!すげえな!おい。ちなみに今の気温が四十七度あるんですよ。太陽が黄色どころかぐんじょう色に見えるんじゃないか」
「は、はい…」
「実はここ、地表の温度が九十度になることがある。それでね、一回やってみたかったことがあるんだ。よいしょ。なるかな」
そう言って生卵を松戸のかとう君から受け取るとめさん。その辺に転がっている石の中からいい感じのものを選んでそこに生卵を割って落とします。すると!一瞬のうちに石の上で生卵が目玉焼きに。
「ほら。見て見て。白くなるよ。まずいねえ。これはそうとうまずい状況だよ。さあ帽子を被っていただきましょう。それから鎧や武器なんかもこっちで用意しましたので。ここで行われるクイズは『ロンダルキアばらまきクイズ』です。この『ロンダルキアに憧れて』のダンジョン、すごく広くて迷います。魔物もたくさんいます。強いです。下手すればどころか普通に殺されます。そんなダンジョンにクイズの書かれた『紙』をばらまいておきました。それを皆さんが回収して私のところへ戻ってくる。そして問題に正解すれば勝ち抜け。次の第十チェックポイント『だまさみ・くるま』に行けることが出来ます。行けるのはこの八名の中から七名。では行ってこい!元気はあるか。自信はあるか」
「おおおおおお!」
「お、元気あるね。でもさすがにこの『ロンダルキアに憧れて』は本当にやばいよやばいよなので。実はある『ルール』を作りました。まずは『パーティ』を結成してもいいってことです」
(ざわざわ)
「もちろん『俺一人で行く』ってのもありです。でも『一人』だと…、ほら、死んでも分かんないじゃん。スタッフも後で探しにいくのも面倒だって言ってるし。だからなるべくね。『パーティー』をね」
なかなか面白そうです。と言うより、ようやく『異世界』っぽくなってきましたね。とめさんが他にも『ルール』をいくつか説明します。
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