第47話ロサンゼルス王国で揺れるぜ!『自信だ!爺さん!』

 史上最大『異世界横断ウルトラクイズ』。転生者それぞれに転生理由はあるけれど、そのほとんどがトラックにはねられたベタな人たち。じゃんけん、どろんこ乗り越えて、目指すは『自分が望むものなんでも得られる言わばこの異世界の征服権』。勝てば『クイズ』の日和あり。やっていいとも『罰ゲーム』。敗れ去って『モブ』となったものすでに一万と四十二人。おかげで異世界は『歯医者』だらけ。なんちゃって。いよいよ旅も佳境に突入。現在まで勝ち抜いてきたのはこの九人の転生者たち。


純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』、『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』とやたら長いタイトルでちまちま気が向いたら更新するガッツボーイ岩瀬君。


 不気味な存在だけど残ってますよと土屋君。


 とめさん曰く『おぬし、そうとう遊んでたな』サキュバス岸野さん。


 体力は自信があります。代表作は『美少女高校生双子姉妹を拾ったらヤンデレで俺の取り合いになって困っている件』。岩瀬君とはすっかりお友達。日体大君。


 新婚さんなのに二股めった刺しで異世界に転生してきた山梨県期待の星である保坂さん。


 駅前旅館の若旦那、二十九歳横田さん。


 最年少十八歳、松本さん。


 成田空港で働いていたイケメン二十五歳渡辺君。


 名門ながらなんとか苦戦しつつも頑張ってますおぼっちゃん、国士舘大学君。


 果たして勝ち進み栄冠の頂点に輝く『書き手』である転生者は果たして誰か?


「さあ、やってまいりました。スタジオの高島です。一週間またずともこの時間が。毎日更新です。なんか昨日の夜はバタンキューで起きたらお昼前だったようですよ」


「何の話ですか」


「こら!まきこはまたあ!」


「どうぞよろしくお願いします」


「さあ、今や異世界中で話題の頂点であるこの『異世界横断ウルトラクイズ』。今夜はいよいよ三週目に突入ですねえ。しかしですねえ、生き残った転生者は一万と五十一人中、たったの九名。さあ何分の一か?」


「え?百分の一ぐらいですか?」


「ブブ――。もう落ちてます。まきこは。正解は1116分の1ですよ。1116分の一人。その熾烈な競争に勝ち抜いた九名。さあこれからどんな難関が待ち構えているのか」


「一体誰が勝ち残るのか」


「分かりませんよ。九名全員にチャンスはありますし、『敗者復活』もあるかもですよ」


「そうですね。それではさっそく次の第八チェックポイントである『自信だ!爺さん!』に行きたいと思います。その前に」


「『あ、それ』」


「あ、それ。小林漢語です。突然ですがここで臨時予想をお伝えしたいと思います。これまで二回ほど外しました日テレ(ひてれ)自慢の二億円を投入して開発した予想コンピューター。今回こそはと気を引き締めて頑張りたいと思います。さて、この『自信だ!爺さん!』ですがかなり『体力』が必要とされるようです。コンピューターの弾き出した予想ですと『最年少松本さん』と出ました。最年少で若さ溢れるのですが女性であることやこれまでの数字から出された予想です。果たしてどうなるのでしょうか?頑張ってコンピューターの予想を覆して欲しいものです」



「ちゃーす!」


「やあ、おはよう!岩瀬!元気はあるか」


「あります!」


「どうだい」


「来ました!『ロサンゼルス王国』!!」


「来たぜ来たぜ。おい、さっそく着てるね」


「はい!買ってきました!」


 みっきーねずみのTシャツを着た岩瀬君。ライトノベル界の今後をしょって立つ存在ですね。


「どこ行ってきた?昨日は」


「でぃずにーわーるどです」


「よかったなあ。保坂さん。楽しかった?旦那は『モブ』だけど」


「あ、他の皆さんと楽しんできました!」


「問題発言だなあ。まあ、よかったよかったよかった。どうだい、横田君。この『ロサンゼルス王国』の海は綺麗だろ」


「綺麗ですね」


「いいねえ、綺麗なヨットがいってるよ」


「おはよう!」


「お、おはよう!元気があるな。日体大。サンタモニカってどっちにあるか知ってるか?」


「えー、えーと」


「どっちだろう。どこにあるんだろうね。サンタモニカ」


「太陽の方」


「太陽の方。かあー、きざなことを言うね」


「グッモーニン」


「グッモーニン。日体大。これまた大きいねえ」


「はい、買っちゃいました。ぬいぐるみですけど。みっきーねずみ」


「おっきいねえ。これいくらしたの?」


「税込みで八万五千二百ゴールドです」


「よく持ってたねえ。君ぃ。ごーるどまんを二、三体倒したか」


「おはようございます」


「おはよう。横田君。どうだい、夢に見たこの『ロサンゼルス王国』」


「いいですねえ」


「いいねえ。一番何がいい?」


「うーん、やっぱ太陽じゃないですか」


「太陽か。うんそうだね」


「おはようございます」


「おはよう十八歳。どうしてる」


「もう、元気で今日サラダが美味しくて」


「サラダが美味しかった。また食べちゃったか」


「はい…」


「ちょっとまた太ったね」


「この後、二、三体倒して痩せます」


「その前に『クイズ』だろ」


「おはようございます」


「おはようって。おい、国士館!なんでお前ヒゲなんか生やしてんだ」


「髭剃りなくしちゃいまして」


「後で貸してやるよ」


「皆さん。ここ第八チェックポイント『自信だ!爺さん!』の説明に入りたいと思います」


「あ、すいません…」


「あ、ごめんごめん。渡辺君おはよう。元気はあるか」


「はい!」


「じゃあ席について」


「はい…(あのお、僕のみっきーねずみグッズにはツッコミなしですか)」


「自信はあるか!」


「はい!」


「自信はあるか!」


「はい!」


「その自信が今回の問題だ!自信が地震で揺れるぜえ!」


 さあ第八チェックポイント『自信だ!爺さん』が始まります。

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