第35話ありのままを言え。この『不純文学』
「(うーん。これはあんまりやらんやろうけど…。これで『〇』をあげると『はずい』…。今もすでにかなり『はずい』けども…。よし、あいつとあいつとあいつに『あっべ・こっべ』発動!)」
なんと『〇』の札をあげた転生者は四名。残り八名は『×』の札をあげる。
「こうなった!おいおい岩瀬。お前…、文豪で純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』や『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』を書きながら『〇』だと?お前は『不純文学』か。そこまでしてネット小説家の世界で注目されたいのか」
「いえ!違います!僕はそんな『不正』なんかしたことありませんよ!」
「じゃあ何で『〇』をあげてるんだ。さっきもPV数稼ぎを認めてただろう。さっきも『×』で嘘ついてたうえに最悪だなあ」
「いやいや。それはまあすいませんでした。でも百歩譲ってそんなことまでわざわざやりませんよ!」
「じゃあ何で『〇』をあげている」
「だからホントに意味が分かりませんでして。超スピードだとかそんなチャチなものじゃありません。もっと恐ろしいものの片りんをですね。『×』の札をあげようと思っていたら『〇』の札をあげていたんです。自分でも何を言っているか分かりませんが…」
「ありのままを言え。ありのままを」
「だからありのまま今起こったことを…」
「もういい。この『不純文学』め。あれえ。山手線。君も『〇』をあげてるけど」
「いえ!本当に僕も『×』の札をあげようと思ってたんです。そしたら気がついたら『〇』の札をあげてまして」
「おいおい。山手線まで何を言ってる。お前、普段緑の電車で京浜東北の線路を走ってるんじゃあないか。それに…保坂さん…。あなたまで『〇』ですか…」
「あ、いえ。はい…」
「新婚なのに…。あなたねえ。婚約者はこのこと知ってるんですか?」
「あ、二人で一緒に共同でやってまして…」
「おいおい。とくさん。『モブ』になった現場監督こと佐藤君はいます?」
「はい。こちら『敗者の味方』、とくさんです。はい。ここに現場監督こと保坂さんの婚約者の佐藤君に来てもらってます。ほら、監督。婚約者の保坂さんととめさんが呼んでるよ」
「おいおい。山梨県の二十六歳。同じ山梨県の文豪、辻村深月さんや林真理子さんは泣いているぞ。武内直子さんも泣いているぞ。何?武内直子さん?カバやろー!『美少女戦士セーラームーン』の作者だ!我らのジャイアンツ、堀内恒夫さんも泣いているぞ!そんなことをしているから『めった刺し』なんかされるんだ」
「あの…、そろそろ」
「あ、ごめんごめん。つい尊敬する堀内恒夫さんのことを考えてしまい。では正解を見てみよう。『ウソミヤ・ブルー』かもん」
「はい。『ウソミヤ・ブルー』発動します!『〇』をあげている四名のうち一名は本当のことを言ってます。保坂さんだけが正直者です。残りの三人は嘘をついてます。『×』をあげている八名は嘘をついてません」
「えー、じゃあとりあえず。土谷君、児玉さん、保坂さん、二十九歳、二十五歳、国士館が抜けたよ。おめでとう。君たち六名は第七チェックポイント『街角テレビ』行き決定だ。岩瀬…。疑って悪かったな。『不純文学』だなんて言って申し訳ない。でも君が悪いんだぞ。『〇』の札をあげるから。ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』や『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』は将来、教科書に載るぞ」
「え、いやあ…」
「嘘に決まってるだろう。一瞬でも本気にしたか。あとで本当に『病院』へ行った方がいい。残る枠は五つ。次の問題。さあリーチをかけてる転生者も何名かいるぞ。いくぞ問題。『リアルではモテない、職がない、目立たない人生を送ってきたので、その鬱憤を晴らすが如く自分を主人公にし、リアルでは絶対あり得ないチヤホヤされたり、有能にしたり、リア充っぽく書いたことがある』ホールドアップ!」
おおおお…。これも『はずい』…。でもさっきまでの問題に比べると『みんな同じだよねー』と『〇』の札をあげようとする残った六名。ここで『あっべ・こっべ』を馬淵君が発動させる。そしてサキュバス岸野さんは気付いてます。
「(誰か私と同じような能力を使ってる。いやーん♡)」
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