第30話純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』

 それにしても「文学」っぽい問題が多いですね。頑張ってるようです。え?誰が?さ、さあ…。


「自信はあるか。サキュバス岸野さん」


「えー♡ありまてーん♡」


「だから色仕掛けは僕には通用しないからね。おぬし相当遊んだな」


「言えまてーん♡」


「それにしても青山大学。まだ先頭にいるのか。がんばれ。問題。『玉の輿にのることの例えにされる童話の主人公は誰でしょう?』。さあ引っ張れ。これは分かってるだろう。分かってるだろう。玉の輿にのる例え。さあ、さあ。もうちょっと」


 ここでも『ぱわーじじょう』と『ハン・ピレイ』の駆け引きが。しかし!それを凌駕するサキュバス岸野さんのチート能力『テダマニ・トール』が!


「(ふふふ…。これぞ私にぴったりのチート能力♡『テダマニ・トール(手玉に取るからきたみたいですね)』♡説明しまーす♡この能力は私のテリトリー(今はどのぐらいの範囲までかは内緒♡)内にいる対象者を誘惑させて私の思うがままに操れるのですぅ♡とめさんには効かないみたいだけどね♡)」


 性別関係なく効果が発揮される『テダマニ・トール』発動!


「(あれ?なんかサキュバス岸野さんに勝たせてあげたくなった…)」


「(サキュバス岸野さんはかわいいなあ。ここは勝たせてあげちゃおう。えーい。力入れてるふりだー)」


 そして『ハン・ピレイ』の能力者までも。


「(うーん、ここは僕の『ハン・ピレイ』を使ってでもサキュバス岸野ちゃんに勝たせるぞー!)」


 青山大学君までも。


「(どうせ解答権を得られなくても後ろに回らなくていいもんねえー。『ぱわーじじょう』使ってでもサキュバス岸野ラブ!)」


 男性も女性も全員サキュバス岸野さんの虜です。サキュバス岸野さんを勝たそうと演技です。


「がんばれ。もう少しだ。はいそこまで。『ヨムさん組』の勝ち。さあサキュバス岸野さん。玉の輿にのる例えってなんだろう?童話の主人公」


「えーと、あれ?とめさーん♡ヒントくださーい♡」


「そうだそうだ!」


「たまにはヒントをあげてください!」


「僕からもお願いします!」


 お、恐るべし!『テダマニ・トール』!しかし!とめさんには通用しません。


「何を言ってるんだ。『異世界横断ウルトラクイズ』にヒントがあると思うな。『異世界コロシアム』のは特別。『甘え』は捨てろ。『甘え』は。で、サキュバス岸野さん。童話の主人公」


「えーと…、『白雪姫』?」


 ブブ―――。


「近いとこまで来てるんだよ。ほら『シンデレラ』。おめえたちはもう死んでれら。うわっはっはっはっは」


 すごすごと最後尾に移動するサキュバス岸野さん。すごい能力を持ってるんですがねえ。クイズが解けないと…。


 そんなこんなで『裏切り』どころか水面下で『駆け引き』がバンバン行われております。クイズはどんどん進んでいきます。


「自信はあるか。富井さん」


「あんまないです」


「『ヨムさん組』の先頭に来たのは馬淵君か。自信はあるか。暗い顔してんなあお前。ふふふ。問題。『へびに対するマングース。昆虫に対するカエル。カエルに対する蛇。栄養を液体で体内に注入する。これらを何という?』。さあ引っ張れ!何というか?何というか?がんばれ!がんばれ!『カクさん組』が少し勝っている。『ヨムさん組』も負けていない。馬淵がんばれ。馬淵、馬淵、馬淵頑張れ。富井さんも頑張れ。まだほとんど動いてない。がんばれ。もうちょっと。もうちょっと。『ヨムさん組』が盛り返した。もうちょっと。馬淵頑張れ。馬淵、馬淵、馬淵がんばれ。富井さんもがんばれ」


 とめさんの応援にも関わらずこの場を支配しているのは『テダマニ・トール』の能力者であるサキュバス岸野さん。とっとと自分の番が回ってくるようにチート使ってます。そう言えば現時点で『運営がクソなカクさんヨムさん』を勝ち抜け『ふりんと日記とびーえるが大好きなおいすたー』行きが決定した土谷君、保坂さん、山手線の三人とも『ヨムさん組』です。お、恐ろしい…。


「はい。きました。『ヨムさん組』の馬淵。なんだ?」


「てんてき」


「おめでとう!ぬけた。『てんてき』その通りです。ほら四人目が抜けたぞ」


「(うーん、ちょっと『カクさん組』にも勝たせてあげないとねー♡)」


 サキュバス岸野さんがこの場を完全に支配してます。すでに二回目、三回目の先頭が皆さんに回ってきております。


「お、『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』を書いている岩瀬君がまたも先頭にやってきたぞ。おい、大丈夫か。ここで勝ち抜いても次は『クソ長いタイトルは一切通用しない』ことで有名な『ふりんと日記とびーえるが大好きなおいすたー』だぞ。そんなところで『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』なんかアップしても読まれないぞ。確実に」


「大丈夫です!実は『純文学』も書けるんです!僕は!」


「おいおい。『純文学』って。ちなみに君が書いてる純文学のタイトルはなんての?」


「え?………『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』です…」


「岩瀬君。悪いことは言わない。病院に行った方がいい。いくぞ問題。『童謡、浦島太郎の中で鯛と踊る魚は何かな?』さあ引っ張れ!『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』!『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』!純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』!純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』!がんばれ純文学!」


「(うわー。あの人面白ーい♡勝たせちゃおう)」


「はいそこまで。純文学が勝った!『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』!チャンスだ!正解は?」


「ひらめ」


「正解!抜けたぞ!『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』の『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』!抜けた抜けた抜けた。別の意味で抜けた!へへへ…」


「ありがとうございます!ただ、すいません…。もう勘弁してください…」


「何言ってんだ!この純文学『ランドセルが似合う妹が実の兄である俺にぐいぐいせまってくるんだが』!」


 サキュバス岸野さんの気まぐれ次第ですね。まだまだ続きます。第五チェックポイント『運営がクソなカクさんヨムさん』。果たして次のチェックポイント『ふりんと日記とびーえるが大好きおいすたー』に進める十二名は誰なのか!?残る席はあと七つ。

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