第23話『あいいんうおううあおおううぇーえおあえおおあいおいぉういえいいいおおおおあいいんうおおんえいう』。さあいけ!
「『おいいおあえああう』。さあいけ!」
『敗者の味方』とくさんがここで一万と十一名の『モブ』となった『敗者』たちに言います。
「これは簡単ですよね。え?問題が分からない?そうかなあ。では特別に。特別ですよ。読者の皆さんもわけわかめこんぶだと困りますからね。四十名以外には分かるようにこちらで『問題』を表示します」
その『あ行』縛りをなくした問題を見て「なるほど!」と思う敗者たち。そして言う。
「これは簡単だよー」
「サービス問題じゃん」
「小学生でも分かるって。いいなあ」
そんな声を聞き、反論するフレムさん。
「いやいやいやいや!『おいいおあえああう』って何だよ!」
「さあ『サービス問題』だぞ。さあいけ!制限時間は十秒だぞ」
仕方なく走り出すフレムさん。しかし心の中では密かにほくそ笑んでおります。
「(ふふふ。私は『妖精』なのよ。たとえ『ドロンコ』の海が待っていようが『羽』で飛べるもんねー)」
そして思いっきり『〇』に飛び込むフレムさん。
「『おいいおあえああう』。『〇』か『×』か?さあ『〇』に行った!『〇』に行った!『〇』に飛び込んだ!馬鹿なことを言うな!」
フレムさんが飛び込んだ『〇』の向こうには『ドロンコ』が。しかし!そこで羽をパタパタして『ドロンコ』を回避するフレムさん。
「えーーー!『×』なの?でも私は羽があるから飛べるんだよーん。パタパタ。このまま隣のふかふかマットレスの上に…」
その瞬間、思い切り重力に従い、『ドロンコ』へと真っ逆さまに落ちてしまうフレムさん。
ドボーン!
それを見て一斉に拍手する生き残った転生者三十九名と一万と十一名の『モブ』。歓喜です。
「いえーい!」
「ざまああ!」
「でも何で『羽』で飛んでたのにいきなり落ちたの?」
それをとめさんが説明するように言う。
「答えは『×』だよ。『おいいおあえああう』。そんな訳ないだろう!間違った時点で『モブ』だよ」
「あー、なるほど」
「ちなみに『おいいおあえああう』は『あ行』縛りをなくすと『のみにもはねがある』だ。あるわけねえだろ、おい。フレちゃん。君には羽があったみたいだけどな」
『おいいおあえああう』→『のみにもはねがある』
「おい!いつから『のみ』にはねがはえた!?」
「昨日からです!」
さすがですね。フレムさん。潔く捨て台詞です。
「最後に一言あるか」
「来年も来るぞ!」
「そりゃそうだよ。来年は毎年普通にきますよ。はっはっはっは。自信はあるか?」
「ないです…」
次の挑戦者である転生者、津畑陽子さん。
「ここまで来たんだ。いけえ!『異世界横断ウルトラクイズ』。見るよりも出る方が楽しいの」
そう言って津畑さんの背中を叩くとめさん。
「でも…、『あ行』縛りですよね?」
「え?そんなことはないよ」
「え?本当ですか?」
「『か行』でも『さ行』でもいいよ」
「…」
「では問題。冷静に。落ち着いて考えろ。『あいいんうおううあおおううぇーえおあえおおあいおいぉういえいいいおおおおあいいんうおおんえいう』。『〇』か『×』か。さあいけ!」
ポカーンとしている津畑さん。それでもとめさんは元気よくいう。
「さあいけ!あ、特別に『ん』はサービスだ!『小文字』もサービスだ!さあいけ!」
ちなみにこの津畑さん。どんな病気も一瞬で治してしまうヒーリング能力『女神(ゴッデス)の息吹(はんたーの読みすぎですね)』をお持ちなんですが…。仕方なく直感で『〇』に向かって走り出す津島さん。
『あいいんうおううあおおううぇーえおあえおおあいおいぉういえいいいおおおおあいいんうおおんえいう』
さあ『〇』か『×』か!?
「簡単ですよー」(分かるかあ!)
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