第22話第四チェックポイント。『小説家に楽してなろー』での第一問。「おいいおあえああう」
勝って嬉しい異世界転生。人生の目的は勝つことにある。『ランキング』こそ我が闘争。
「さすが『小説家に楽してなろー』だねえー。さっきの作品アップしたら異世界ファンタジー部門でランキング三位になってたよー」
「え?君も?実は俺もさっきの作品あげたら『純文学』で一位ですよー。めちゃくちゃ長いタイトルなのに」
「いやー、最高だね!ここは。『小説家に楽してなろー』最高!」
「最高!ずっといたいねー」
そんなことを言い合いながら楽しいひとときを過ごす勝ち残った四十名の転生者たち。そしてそれを眺める一万と十一名の『モブ』となった敗者たち。
「クソが」
「つーか、なんで俺たちここにいるんだよ?」
「いつまであいつらについていかなきゃならんの?」
「とっとと元の世界に戻してくれえ!」
どうやら『モブ』となった敗者たちは最後までこの『異世界横断ウルトラクイズ』を見届ける義務があるみたいです。そんな彼らにとくさんが言います。
「私は『敗者の味方』であり、『異世界横断ウルトラクイズ』の主役は『敗者』である!と私もとめさんもずーーーーーーっつ言い続けてきましたよ。君たちにもまだ『チャンス』はある!といいね」
「(おやじだ…)」
「(こ、殺してえ…)」
そんな間に着々と松戸のかとう君を中心にスタッフが用意しているものがあるのだ。ビーチにドロンコ。『ウルトラ』ファン投票第一位。『突撃〇×ドロンコクイズ』。正解すれば柔らかいマットの上、間違えば泥の海へ真っ逆さま。罰ゲーム兼用リバーシブルクイズ。勝てば憧れの文芸航路である『運営がクソなカクさんヨムさん』負ければ泥の上塗り『モブ』決定。
「急に顔色がよくないなあ。元気はあるかあ。おい」
「おおおおお!」
「『小説家に楽してなろー』はどうだい?最高だろう」
「最高です!」
「どんなに『ベタ』で『テンプレ通り』で『量産クソ作品』だろうとたくさんの人が読んでくれるだろう」
「はい!最高です!」
「そうだろう、そうだろう。普段、リアルの小説投稿サイトでまったく読まれなかったもんなあ」
「はい!最高です!」
「よし。ではどういう順番で行くかというと、お!フレムちゃんじゃないか!」
「あたしが即答!」
「お!頼もしいなあ。じゃあトップバッターはフレちゃんだ。説明はもはやいらないだろうがここでは〇×クイズ。あそこの〇と×の壁が見えるだろ?問題を聞いてから正解の方の壁に飛び込むのだ。正解すればマットの上で勝ち抜け決定。次のチェックポイントである『運営がクソなカクさんヨムさん』へ直行、間違えるとドロンコだ」
「知ってるよー」
「しかしこれは『異世界横断ウルトラクイズ』。普通の『ドロンコクイズ』とはちょっと違う」
「え?」
「名付けて!『あ行限定クイズ』なのだ!」
「は?」
「え?」
「どゆこと?」
(ざわざわ)
ざわつく四十名。気にせずとめさんが説明を続ける。
「私が今から問題を読み上げますが、普通に問題を読み上げてもつまらない。だから問題はすべて『あ行』で読み上げる!では問題。あ、ちなみにチートとかお約束の無双とかバンバン使っていいですよ。考える時間は十秒間。〇か×か考えて走ってもらいたい。問題。『おいいおあえああう』さあいけ!」
「え?」
「聞こえなかったのか。しょうがいなあ。もう一回だけだぞ。『おいいおあえああう』さあいけ!」
(ざわざわ)
「分かるわけねえじゃん…」
「な、なんて?」
「呪文?」
第四チェックポイント。『小説家に楽してなろー』での第一問。
「おいいおあえああう」
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